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月白の魔法使い様

#10

第一章『月白の魔法使い様』十話「次期純白の大賢者様」

アリス『待って。私から話したいことがあるの。』


カイ『…何?アリス。突然どうしたの?』

ウトト『あんなに嫌がっていたのに、話す議題があるってことかしら。』

アリス『うん。そうだよ。みんなにどうしても伝えたいことがあるの。』

私はそうやって、話を切り出す。せっかくこんなに集まったのだから、話しておかないと。そう思ったからである。

アリス『実は…。』

アリス『今度、Sランク昇格試験があるでしょ?』

カイ『嗚呼、そういえばもうすぐだね。』

そう、もうすぐSランク昇格試験がある。これは、AランクとBランクが対象となる試験。受かればSランクになれる。

アリス『今年の試験、私が最終審査長やらせてほしい。』

最終審判長…。基本的にSランク昇格試験は、実技しか出てこない。実技の試験を3回に分けて行うんだ。私はそのラストの3回目の審査をしたいのだ。

ヒューイ『…"二人"がいるから?』

二人。きっと、ドロシーとアレンのことだろう。しかし私は違った。

アリス『あの二人も、試験を受けるだろうけど…。正直なところ、3回目までは上がってこれないと思う。実力的にね。』

レモン『じゃあ、一体?』

アリス『今、Aランクにいるとある子を試してみたいの。』


アリス『[下線]次期[太字]純白の大賢者様[/太字]になる[/下線]と言っている子をね‥。』


ヒューイ『…へえ。面白いねアリス。』

みんなは私の話を真剣に聞いてくれる。カイは黙り込んで、下を向いていた。少し考えていたのかもしれない。この会議を開催しているのはカイだ。最終的にはカイの判断だろう。

フワリ『どうするのカイさん〜』

カイ『いいと思うよ。』

アリス『え?』

私はすぐに返事が返ってきたことにびっくりした。そしてカイが話し始める。

カイ『もうすでに1回目と2回目の候補は決めているんだ。』

アリス『ありがとうカイ!!私頑張るぞ!!』

ウトト『そういえば、アリスの審査長って初めてじゃない?』

確かに初めてかもしれない。5年前とかはいろいろランク偽装とかしてたし、大変だったからなぁ。それに純白の大賢者様にもなったし…。

よおおおおしいい!!頑張るぞーーー!!!

カイ『でも条件がある。』

え。

カイ『ランヌを説得してきてほしい。』

アリス『ランヌ?』

カイ『実は、彼を2回目の審査長にしようと思っている。』

ウトト『ラ、ランヌを!?だけれど、あの人の体は今調子が明らかに悪い…。』

カイ『わかっている。けれど、作戦がある。』

カイはそう言って、私に一枚の紙を渡した。

カイ『これで、ランヌを説得させて。』

カイがそう言った。私は驚いたような顔をし続けている。

私はその紙を見た。


…へえ、なるほどね。




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作者メッセージ

読んでいただきありがとうございます…!
続きもよろしくお願いします…!

2024/10/20 13:41

縺薙≠繧九s ID:≫9820tLSVMWUTw
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