「本日の任務遂行時間は約25分です」
碧「いつもより長引いたな」
霞「だねー早く帰りたい…」
入口で待っていた構成員がストップウォッチを見せながら言ってくる。
二人で車に乗り込む。
霞「……ねぇ、”奇獣”のことって調べれる？」
「”奇獣”？確か、ずいぶん昔に政府に消された研究所のことですか」
碧「なんで皆知ってんだよ」
「このような世界では有名な話です。ですが、その研究所は噂によると”奇獣”以外の実験もしていたと聞いています」
霞「研究者の闇ってやつ？」
「ええ、そうでしょう。でも急ですね、”奇獣”のことなど……先程仰っていたあの組織のボスの体を調べてほしいというのもそれに関係が？」
碧「ああ、優奈とか鬼道に頼めばいくらかは分かるだろ」
「水穂様は分かりますが、金城様もですか……」
霞「なんかあったの？」
「いえ……私はいつまでもあのお方が医者だとは信じ難く…」
霞「医者になった理由がモテると思ったからだもんね」
碧「その気持ちはよく分かるが、腕は本物だ……あいつのタイプの女探しとけ」
「もちろんです」
二人を乗せた車が道路を走る。
霞「あ、そうだ。首領に報告しなきゃ」
碧「げ………あの人に報告か…」
霞の言葉を聞いた瞬間、碧が顔をしかめる。
「ああ、そうでした。首領は大事な取引で海外に行っております。報告は後日の方がよろしいかと」
霞「良かったぁ……あの人、頭ぶっ飛んでんだもん」
碧「そういう事言うなっ」