二人が呑気に話していると、”人だった物”が突っ込んでくる。
碧「イノシシじゃねぇかよ！」
霞「でも突進しかできないみたい！多分、”失敗作”だ！」
左右に飛んで突進から逃げる。
霞は”奇獣”の背後に回って日本刀をその巨大な体に刺す。
霞「……全然刺さらないじゃんっ！」
碧「体の硬さが尋常じゃねぇ……」
二人して素早い攻撃をするが、全く効いていないようだ。
「ア”アぁ”アあァあ”」
”奇獣”が吠える。
碧「確かにありゃあバケモンだな」
霞「でもおかしいんだよ、研究所がなくなったのはもう60年は前のことなのに」
碧「帰ったら少し調べるか」
攻撃しながら話す二人を引き剥がそうと、”奇獣”は腕を大きく振るう。
それも身軽に飛んで避ける。
霞「碧っ！風お願い！」
碧「とびきり強ぇのやってやるよ！」
霞は日本刀を構え”奇獣”に突っ込む。そんな霞に向かって碧を手のひらをかざし、
碧「【天津風】・”[漢字]大旋風[/漢字][ふりがな]だいせんぷう[/ふりがな]”」
霞の刀身に緑色の小さな竜巻のようなものが現れる。
その状態のまま、霞は”奇獣”の心臓の位置に刀を刺す。
さっきまでは何も刺さらなかった皮膚を風で抉りながら、刀は突き進んでいく。
そして＿＿＿＿＿
「オ”あ”ォ”アアぉ”」
霞「……成功したっ！」
碧「上手くいったか…」
”奇獣”の巨体が重い音を立てて倒れる。