「今回の任務は南区にて武器の取引から逃げた組織の殲滅です。元々は黛様だけで十分だと首領は仰っていたのですが…」
碧「オレがいることは気にすんな」
「カフェラテに釣られたのですね、了解しました」
車を運転する構成員の言葉に碧は目を逸らす。
霞「〜〜♪〜〜〜♫」
碧「……また新しい歌か？」
霞「うん、これでもボーカルだからね」
霞は表向きとしては[漢字]三枝伊折[/漢字][ふりがな]さえぐさいおり[/ふりがな]という名でバンドボーカルをしている。相当人気らしく、テレビにもこの前出ていた。
碧「ていうか、霞……この酒瓶の量はなんだよ…？任務前だぞ？」
霞「ん〜？大丈夫大丈夫〜ボク酔わないから〜」
碧「いや…まあそうだけどさぁ…」
「夏目様、黛様はいつもこうです。あまりお気になさらず」
構成員の言葉に碧は溜息をつく。
碧「そういえば…今日はなんかあったか？すごい渋滞だけど」
「前方750m程にて交通事故が起こっているみたいです」
霞「ってこと怪我人がいるってこと？」
「いえ、特に怪我人はいないですね。ですが、少し警戒しながら目的地まで言ったほうが良いかと」
碧「なんでだ？」
「恐らくですが……これから殲滅しに行く組織がお二人を抹殺するつもりです。
今、この車は渋滞にて身動きが取れません」
霞「どこからでもボク達を殺せるってことだね」
碧「安心しろ、いつ来ても対応可能だ」
碧はナイフを構え、霞は後ろ座席に置いてあった日本刀を手に取る。
「お二人なら確かに安心ですね。この車の窓ガラスも防弾チョッキですし」
構成員がそう言った瞬間、銃音が響いた。