儚い夏の片想い
太陽の熱い日差しが差す夏。俺はあなたちゃんを夏祭りに誘う事にした。 ー いよいよ、夏祭り当日だ。俺はあなたちゃんの家まで迎えに行った。家[明朝体][/明朝体]から出て来たあなたちゃんは、淡い紫色に綺麗な朝顔の模様が入った浴衣を身に付けていたのだ。俺は、浴衣も何も身につけていない。着ているのは灰色の無地のTシャツと、黒色のぶかぶか長ズボン。あんなに可愛い浴衣の君とこんな俺が一緒に歩いて良いものか。そんなことを考えているうちに、あなたちゃんは俺に笑顔を向けてくれていた。「ヒロくん、行こっ!」俺は、そんな笑顔にやられそうになりながらも必死に理性を保った。「う、うん...。行こっか...!」少し、情け無い所を見せてしまったかもしれない。でも、今日はそんなことをしちゃいられない。なぜなら、あなたちゃんに告白すると決めた日だからだ。鈍感な君にしっかりアプローチするには、今日しかないと思ったから。そして、俺はあなたちゃんの手をぎゅっと握った。 少し恥ずかしいけど、俺の気持ちに気付いて貰うためには勇気を出すしか無い‼︎ 「そうだね、はぐれないように手繋いどかないと!」ち、違う..!そうじゃなくて、気づいて欲しくて....!心の中でそう思いながら、夏祭りが行われる広場へと向かった。広場にはたくさんの人がいた。焼きそばの良い匂いや、子供達の元気な声。いろいろ、いそがしかった。絶対にはぐれないように、もうちょっと強く、あなたちゃんの手を握る。「ねぇあなたちゃん、その...、なんかやりたい事とか、食べたいモノとか、ある?」 「あ、えっと林檎飴食べたいかも!夏の定番だよね!」と、あなたちゃんは、いつも通りの笑顔で言葉を返してくれた。「じゃあ、買いに行こっか!俺、払うから」 「良いよ!そんなに金欠じゃないし、買えるよ!」あなたちゃんは少し焦ったようにした。そんなあなたちゃんも可愛い。「俺が奢りたいから、いーの」そう言って、林檎飴が売られている屋台に行った。輝く林檎飴が刺さっており、まるで宝石のように綺麗だった。「林檎飴ひとつ」 「〇〇円ねぇー!まいどー!」 「はい」そう言って、林檎飴をあなたちゃんに渡した。「ありがとう!大事に食べるね!」 林檎飴なんか、大事に食べなくてもいいのになぁ...。そう思いながら、近くのベンチに腰掛けた。 「か、かたいッ‼︎」そういえば俺も幼い頃林檎飴に思いっきりかぶりついて歯取れそうになったなぁ....w今思い出すと、笑い話だけど 一生懸命林檎飴にかぶりつくあなたちゃん。可愛いなぁ。[小文字][/小文字]「俺も買えばよかったなぁ...。おいしそ」 うっかり、心の声が漏れてしまった。「じゃあ、ひとくち...いる?べつに、ひとくちじゃなくても良いんだけど...。」 そう言って、あなたちゃんは食べかけの林檎飴を差し出して来た。 ままま、まさかの間接キス...⁉︎ 食べたい自分と、やめておけば?っていう自分がいる。林檎飴おいしそうだし、オマケであなたちゃんの間接キス付き...食べたいけど...。さすがに気持ち悪いかな...?やめておこうかな.....。いろんな思いが交錯する。
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