最後のダンスを___〈リメイク版〉
#1
私は、実猫。パーティー会場で働いている普通の従業員。
そんな私にこんな普通じゃない恋があるなんて知らなかった。
あの瞬間までは_________
[水平線]
今日も仕事は挨拶から始まる。
ガチャ
(実猫)「ナルさんおはようございます!」
(ナル)「あら、おはよう実猫ちゃん。今日の調子はどう?」
(実猫)「バッチリです!」
(ナル)「そう、良かったわ。今回のパーティーは貴族達が集まるから、失礼ないようにね」
(実猫)「分かりました!では私はこれで」
ガチャ
…あ、ごめん。さっきの人の説明遅れちゃってたね。あの人はナルさんっていう大人しいパーティー会場の管理者さん。
噂では顔が良すぎてある国のお姫様なんだとか。まぁ、顔があれぐらい良かったら私も納得だけどね。
あと20分でパーティーが始まっちゃう。次は会場へ行こう!
(ラオド)「あ…!実猫、おはよう…!」
後ろから挨拶の声が聞こえ、振り返るとラオドがいた。
(実猫)「おはよう!元気?」
(ラオド)「うん…!元気!」
(実猫)「じゃあ、今回も接客頑張ろうね!」
(ラオド)「そうだね…!」
私と少し会話をしたのは、幼馴染のラオドだよ。
ちなみに、ラオドは男性だけど女性と思った人もいると思う。だって、喋り方が女の子みたいだもん。
ピーンポーンパーンポーン
《あと1分でパーティーが始まります。お客様に精一杯、楽しんで頂けるようにしましょう》
あと1分…今日も頑張ろう。
[水平線]
パーティーの途中…
(実猫)「はぁ……」
あぁ…暇だな………。接客って何がどこにあるのかを、お客様に聞かれて答えるだけなんだよね…。
(実猫)「ホント…ダンスしてる人達に混ざりたい…」
(ラオド)「えーと….それなら…ボクと踊る…?」
(実猫)「え?」
(ラオド)「え?だから………ボクと踊る…?」
いや、内容は聞こえたよ?でも、ラオドってあの優雅なダンス踊れるの!?
(実猫)「う、うん」
(ラオド)「それじゃ…行こっか…!」
ホールの真ん中に行くと、大きなシャンデリアが上にあって演奏者の数も凄い。これが貴族のパーティか…
(ラオド)「じゃ…踊ろう…?」
(実猫)「そうだね!」
[水平線]
ザワザワッ
『あの2人のダンス、凄いわね…!』
『本当に滑らかなダンスだな…』
そう、貴族達が言っている。けど、凄いのはラオドの方。
私、ダンスは好きだけど下手なんだよね。下手の横好きっていうやつ。
でも、ラオドが動きをサポート?エスコート?うーん………あ!カバーしてくれるの方が合っているのかも。
そのおかげで、いつもより上手に踊れている気がする。
(ラオド)「…」
何を言われても、照れる顔も嬉しがる顔もない彼。
ラオドは昔から嬉しい顔をする時はあったけど、照れる時はなかったっけ。
もうダンスも終盤。そろそろダンスが終わるみたい。
ジャンッ←音楽が終わる
パチパチッ
気がつくと大勢の人が私達の周りを囲んでいた。すると、人々は…
『最高だったよ!』『こんなダンス見たの初めてだわ!』『また見せてくれ!』
私達に数々の褒め言葉を投げた。それを受け取ったラオドは少し嬉しがっているように見える。
(ラオド)「皆様、褒め言葉ありがとうございます。引き続きパーティーをお楽しみください」
そう言って彼は私の腕を掴み、移動しながら私に満面の笑みを見せた。余程、嬉しかったと思う。
(ラオド)「楽しかった…?」
(実猫)「うん!楽しかった!ありがとう!」
(ラオド)「ふふっそれは良かった…!」
(実猫)「そういえば、ここってどこなの?」
(ラオド)「んーと…ボク達だけが知らない屋上かな…?」
ボク達だけって…管理者さんも知らないの?!そう考えてたら、ラオドは私の心を読まれたように、
(ラオド)「管理者さんも知らなかったと思うよ…。だってボクが内緒で作ったんだから…」
(実猫)「そうなんだ…」
(ラオド)「そして作った時からここでダンスの練習をしていたんだよね…」
(実猫)「凄いね!ダンス覚えるのにどれくらいの時間だったの?」
(ラオド)「大体…3年くらいかな…?」
3年かぁ…。私だったら諦めちゃっているかも。
(ラオド)「でも、練習した甲斐があったよ…!今日実猫と踊れたんだから…!」
(実猫)「え…?私と踊るために3年間も練習したの?!」
(ラオド)「うん…!だって、小さい頃一回だけパーティーに行ったことがあってね…。大人達のダンスを見て踊っている人、楽しそうだったんだ。それでボクも実猫とやってみたいと思って…!」
(実猫)「そんな…!でも、誘ってくれてありがとう!」
(ラオド)「ボクもダンスに付き合ってくれてありがとう…!」
(実猫)「じゃあ、もう一回踊る?」
(ラオド)「うん…!踊ろう!」
(実猫)「!」フラッ
(ラオド)ガシッ
(ラオド)「大丈夫?」
(実猫)「うん…!」
やっぱり、ラオドは私の動きを予想している。だから、あんなに私のダンスをカバー出来たんだ。
(ラオド)「ダンスやめとく…?」
(実猫)「ううん、やる。やるよ!」
(ラオド)「そっか…!それなら『いっせーのーで』って言ったら踊ろう?」
(実猫)「分かった!」
(2人)「いっせーのーで!」
(実猫)「さっきのダンス、人生で一番楽しかった!」
ホントに楽しかった。そして、今まで経験したことがないぐらいドキドキした。もしかして…___?
(ラオド)「ボクも!」
(2人)「………あの」
(実猫)「あ、先いいよ?」
(ラオド)「ありがとう。あのね、ボク………………、」
[中央寄せ][太字]実猫のことが恋愛的に好きなんだ[/太字][/中央寄せ]
(実猫)「え?//」
(ラオド)「だから、付き合ってほしい…」
ここは___にしよう。さっきのドキドキも分かったし。
(実猫)「………喜んで!」ニコッ
(ラオド)「良かったぁ…」
ラオドは座り込んで安堵したよう。そして“[下線]何か[/下線]”を拾った。
(実猫)「?何拾ったの?」
そして彼は__________
[太字][下線][中央寄せ]私の首をナイフで刺した [/中央寄せ][/下線][/太字]
(実猫)ゴボッ
(実猫)「な…に……?」
(ラオド)「………ボクは、殺してしまいたいぐらい実猫のことが好きなんだ。いや、[太字]大好き[/太字]なんだ」
(実猫)「私も…」
[下線]私の手の力が抜けて、凶器が落ちる。[/下線]
そして彼が小声で照れながらこの言葉を言う写真を、頭の中にしまった。
これが私の最後のこの世の情景だったんだ。
(ラオド)「これで永遠に踊れる…。よろしくね、ボクのお人形さん」
そう言ってラオドは実猫の死体を抱きしめ、ラオドは狂ったように毎日、毎秒、死体と踊り始めた。
まるで誰かの操り人形みたいに。
[水平線]
それから長い年月が経ち、警察が2人の死体を発見した。
首に刺された傷がある女性と無傷の男性の遺体を。
さらに、死体の姿はダンスをしているように誰もが見えた。
こんな噂も広がった。パーティー会場の屋上では、いつまでも2人の霊が踊っているという噂。
実際は噂通り幸せそうに踊っていた。
(実猫)「ダンス楽しいね!」
(ラオド)「ね…!」
そういう声が聞こえてきた人もいるとかいないとか。
大抵の霊は成仏するらしいが、2人は成仏しないでずっとずっとそこにいた。
[水平線]
(先生)「…というお話です。いかがでしたでしょうか?」
(モブ)「えーと凄い恋愛だなって思いました」
(先生)「そうなんですよね。ミネさんはどうですか?」
(ミネ)「私は良い話だと思います!」
でも私達の前世がお話になってるなんて、、、多分、ラオドが日記を書いてたしか思い付かない。
(ミネ)チラッ
(羅踊)「?ミネどうしたの…?」
(ミネ)「いや、何も?」
(羅踊)「そっか…」
今のラオドは私の幼馴染。姿も一緒、声も一緒。もしかして、また前世と同じ運命なのかな?
[水平線]
こうして2人は同じ結末を迎える事になった。
そんな私にこんな普通じゃない恋があるなんて知らなかった。
あの瞬間までは_________
[水平線]
今日も仕事は挨拶から始まる。
ガチャ
(実猫)「ナルさんおはようございます!」
(ナル)「あら、おはよう実猫ちゃん。今日の調子はどう?」
(実猫)「バッチリです!」
(ナル)「そう、良かったわ。今回のパーティーは貴族達が集まるから、失礼ないようにね」
(実猫)「分かりました!では私はこれで」
ガチャ
…あ、ごめん。さっきの人の説明遅れちゃってたね。あの人はナルさんっていう大人しいパーティー会場の管理者さん。
噂では顔が良すぎてある国のお姫様なんだとか。まぁ、顔があれぐらい良かったら私も納得だけどね。
あと20分でパーティーが始まっちゃう。次は会場へ行こう!
(ラオド)「あ…!実猫、おはよう…!」
後ろから挨拶の声が聞こえ、振り返るとラオドがいた。
(実猫)「おはよう!元気?」
(ラオド)「うん…!元気!」
(実猫)「じゃあ、今回も接客頑張ろうね!」
(ラオド)「そうだね…!」
私と少し会話をしたのは、幼馴染のラオドだよ。
ちなみに、ラオドは男性だけど女性と思った人もいると思う。だって、喋り方が女の子みたいだもん。
ピーンポーンパーンポーン
《あと1分でパーティーが始まります。お客様に精一杯、楽しんで頂けるようにしましょう》
あと1分…今日も頑張ろう。
[水平線]
パーティーの途中…
(実猫)「はぁ……」
あぁ…暇だな………。接客って何がどこにあるのかを、お客様に聞かれて答えるだけなんだよね…。
(実猫)「ホント…ダンスしてる人達に混ざりたい…」
(ラオド)「えーと….それなら…ボクと踊る…?」
(実猫)「え?」
(ラオド)「え?だから………ボクと踊る…?」
いや、内容は聞こえたよ?でも、ラオドってあの優雅なダンス踊れるの!?
(実猫)「う、うん」
(ラオド)「それじゃ…行こっか…!」
ホールの真ん中に行くと、大きなシャンデリアが上にあって演奏者の数も凄い。これが貴族のパーティか…
(ラオド)「じゃ…踊ろう…?」
(実猫)「そうだね!」
[水平線]
ザワザワッ
『あの2人のダンス、凄いわね…!』
『本当に滑らかなダンスだな…』
そう、貴族達が言っている。けど、凄いのはラオドの方。
私、ダンスは好きだけど下手なんだよね。下手の横好きっていうやつ。
でも、ラオドが動きをサポート?エスコート?うーん………あ!カバーしてくれるの方が合っているのかも。
そのおかげで、いつもより上手に踊れている気がする。
(ラオド)「…」
何を言われても、照れる顔も嬉しがる顔もない彼。
ラオドは昔から嬉しい顔をする時はあったけど、照れる時はなかったっけ。
もうダンスも終盤。そろそろダンスが終わるみたい。
ジャンッ←音楽が終わる
パチパチッ
気がつくと大勢の人が私達の周りを囲んでいた。すると、人々は…
『最高だったよ!』『こんなダンス見たの初めてだわ!』『また見せてくれ!』
私達に数々の褒め言葉を投げた。それを受け取ったラオドは少し嬉しがっているように見える。
(ラオド)「皆様、褒め言葉ありがとうございます。引き続きパーティーをお楽しみください」
そう言って彼は私の腕を掴み、移動しながら私に満面の笑みを見せた。余程、嬉しかったと思う。
(ラオド)「楽しかった…?」
(実猫)「うん!楽しかった!ありがとう!」
(ラオド)「ふふっそれは良かった…!」
(実猫)「そういえば、ここってどこなの?」
(ラオド)「んーと…ボク達だけが知らない屋上かな…?」
ボク達だけって…管理者さんも知らないの?!そう考えてたら、ラオドは私の心を読まれたように、
(ラオド)「管理者さんも知らなかったと思うよ…。だってボクが内緒で作ったんだから…」
(実猫)「そうなんだ…」
(ラオド)「そして作った時からここでダンスの練習をしていたんだよね…」
(実猫)「凄いね!ダンス覚えるのにどれくらいの時間だったの?」
(ラオド)「大体…3年くらいかな…?」
3年かぁ…。私だったら諦めちゃっているかも。
(ラオド)「でも、練習した甲斐があったよ…!今日実猫と踊れたんだから…!」
(実猫)「え…?私と踊るために3年間も練習したの?!」
(ラオド)「うん…!だって、小さい頃一回だけパーティーに行ったことがあってね…。大人達のダンスを見て踊っている人、楽しそうだったんだ。それでボクも実猫とやってみたいと思って…!」
(実猫)「そんな…!でも、誘ってくれてありがとう!」
(ラオド)「ボクもダンスに付き合ってくれてありがとう…!」
(実猫)「じゃあ、もう一回踊る?」
(ラオド)「うん…!踊ろう!」
(実猫)「!」フラッ
(ラオド)ガシッ
(ラオド)「大丈夫?」
(実猫)「うん…!」
やっぱり、ラオドは私の動きを予想している。だから、あんなに私のダンスをカバー出来たんだ。
(ラオド)「ダンスやめとく…?」
(実猫)「ううん、やる。やるよ!」
(ラオド)「そっか…!それなら『いっせーのーで』って言ったら踊ろう?」
(実猫)「分かった!」
(2人)「いっせーのーで!」
(実猫)「さっきのダンス、人生で一番楽しかった!」
ホントに楽しかった。そして、今まで経験したことがないぐらいドキドキした。もしかして…___?
(ラオド)「ボクも!」
(2人)「………あの」
(実猫)「あ、先いいよ?」
(ラオド)「ありがとう。あのね、ボク………………、」
[中央寄せ][太字]実猫のことが恋愛的に好きなんだ[/太字][/中央寄せ]
(実猫)「え?//」
(ラオド)「だから、付き合ってほしい…」
ここは___にしよう。さっきのドキドキも分かったし。
(実猫)「………喜んで!」ニコッ
(ラオド)「良かったぁ…」
ラオドは座り込んで安堵したよう。そして“[下線]何か[/下線]”を拾った。
(実猫)「?何拾ったの?」
そして彼は__________
[太字][下線][中央寄せ]私の首をナイフで刺した [/中央寄せ][/下線][/太字]
(実猫)ゴボッ
(実猫)「な…に……?」
(ラオド)「………ボクは、殺してしまいたいぐらい実猫のことが好きなんだ。いや、[太字]大好き[/太字]なんだ」
(実猫)「私も…」
[下線]私の手の力が抜けて、凶器が落ちる。[/下線]
そして彼が小声で照れながらこの言葉を言う写真を、頭の中にしまった。
これが私の最後のこの世の情景だったんだ。
(ラオド)「これで永遠に踊れる…。よろしくね、ボクのお人形さん」
そう言ってラオドは実猫の死体を抱きしめ、ラオドは狂ったように毎日、毎秒、死体と踊り始めた。
まるで誰かの操り人形みたいに。
[水平線]
それから長い年月が経ち、警察が2人の死体を発見した。
首に刺された傷がある女性と無傷の男性の遺体を。
さらに、死体の姿はダンスをしているように誰もが見えた。
こんな噂も広がった。パーティー会場の屋上では、いつまでも2人の霊が踊っているという噂。
実際は噂通り幸せそうに踊っていた。
(実猫)「ダンス楽しいね!」
(ラオド)「ね…!」
そういう声が聞こえてきた人もいるとかいないとか。
大抵の霊は成仏するらしいが、2人は成仏しないでずっとずっとそこにいた。
[水平線]
(先生)「…というお話です。いかがでしたでしょうか?」
(モブ)「えーと凄い恋愛だなって思いました」
(先生)「そうなんですよね。ミネさんはどうですか?」
(ミネ)「私は良い話だと思います!」
でも私達の前世がお話になってるなんて、、、多分、ラオドが日記を書いてたしか思い付かない。
(ミネ)チラッ
(羅踊)「?ミネどうしたの…?」
(ミネ)「いや、何も?」
(羅踊)「そっか…」
今のラオドは私の幼馴染。姿も一緒、声も一緒。もしかして、また前世と同じ運命なのかな?
[水平線]
こうして2人は同じ結末を迎える事になった。
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