終わらない物語を終わらそう
クルトガは城の跡地にやってきた。
その中でもここはかつて寝室だった場所。
「おや、こんなところに残留思念がニつも」
二つの残留思念に手をかざすクルトガ。
光を浴びながら物語を読み取る。
『昔々一人の王子様がおりました。王子様は隣国のお姫様を娶りました。王子様にとって手に入らないものはないのです。────』
『昔々一人のお姫様がおりました。お姫様には想いを寄せている騎士がおりましたが、親が決めた王子様との結婚が決まっていたのです。────』
物語はここで終わっている。
「なるほど、今回は王子様とお姫様の物語ですか」
それならば取っておきのエンディングを書いてみせようと、筆を走らせる。
『昔々一人の王子様がおりました。王子様は隣国のお姫様を娶りました。王子様にとって手に入らないものはないのです。しかし、それと同時に嫉妬も、憎悪も手に入れたのでした。めでたしめでたし。』
『昔々一人のお姫様がおりました。お姫様には想いを寄せている騎士がおりましたが、親が決めた王子様との結婚が決まっていたのです。王子様が自分を強く愛してくれている事は解っていましたが、騎士がそれ以上に自分を愛してくれていると思っていました。しかし、騎士はお姫様に好意などなく、責務を全うしていただけでした。めでたしめでたし。』
物語の残留思念はすーっと弾けるように散っていった。
「やはり物語とはこうでなければ。取っておきのバッドエンドをね」
その中でもここはかつて寝室だった場所。
「おや、こんなところに残留思念がニつも」
二つの残留思念に手をかざすクルトガ。
光を浴びながら物語を読み取る。
『昔々一人の王子様がおりました。王子様は隣国のお姫様を娶りました。王子様にとって手に入らないものはないのです。────』
『昔々一人のお姫様がおりました。お姫様には想いを寄せている騎士がおりましたが、親が決めた王子様との結婚が決まっていたのです。────』
物語はここで終わっている。
「なるほど、今回は王子様とお姫様の物語ですか」
それならば取っておきのエンディングを書いてみせようと、筆を走らせる。
『昔々一人の王子様がおりました。王子様は隣国のお姫様を娶りました。王子様にとって手に入らないものはないのです。しかし、それと同時に嫉妬も、憎悪も手に入れたのでした。めでたしめでたし。』
『昔々一人のお姫様がおりました。お姫様には想いを寄せている騎士がおりましたが、親が決めた王子様との結婚が決まっていたのです。王子様が自分を強く愛してくれている事は解っていましたが、騎士がそれ以上に自分を愛してくれていると思っていました。しかし、騎士はお姫様に好意などなく、責務を全うしていただけでした。めでたしめでたし。』
物語の残留思念はすーっと弾けるように散っていった。
「やはり物語とはこうでなければ。取っておきのバッドエンドをね」
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