節黒「僕は普通のサラリーマンで、普通の生活をしています。」
　　「毎朝同じ時間に起きて、同じ時間に出勤、労働、帰宅、食事、寝る。」　　
　　「その繰り返し・・・でも、最近その繰り返しにヒビが入ってしまったのです。」
晴島「ヒビ？」
節黒「はい・・・上司が代わり、部下に対するあたりが強くなってしまったんです！」
　　「僕らは怯える毎日で、ろくに仕事もこなせないくせに、口は一丁前で・・・」
　　「会社を転職しようとも考えました。でも、そんなお金がなくて・・・」
晴島「なるほど・・・・・」
難しい問題だな。上司との関係か・・・・・
僕にはさっぱりなんだよなぁ。
でも、言いたいことはある。
晴島「会社を辞めたり、転職するのは違うと思います。」
節黒「ええ？そうですか？」
晴島「確かに、その上司は悪い奴でしょう。しかし、あなたもあなたですよ。」
　　「大体なんなんですか？繰り返しって・・・同じ日なんて人生で一度もあるわけないじゃないですか！」
節黒「！」
晴島「今の生活が辛くても、がんばって、耐えて今日まで生きてきたんでしょう？」
　　「なら、そのまま生きていくのが、良いんじゃないんですか？」
　　「仕事を続ければ、いずれあなたが上司になる時がきっと来ます。」
　　「それまで、趣味を見つけるのもいいかもしれませんね。」
節黒「・・・・・」
節黒蓮は少し考えて言った。
節黒「ありがとうございます！気持ちが楽になりました！相談してよかったー！」
晴島「いえいえ、アドバイスぐらいですよ・・・」
節黒「あ、これ、お礼です。」
渡されたのは、10,000円札。
晴島「いえいえ！結構ですって！受け取れないです！」
節黒「いや、受け取ってください！[大文字]おかげで成仏出来る[/大文字]ので、感謝の気持ちです！」
晴島「そうですか・・・・それじゃあ、受け取りm・・え？今なんて？」
節黒「話を聞いてくださって、ありがとうございます・・・・・・！」
そう言って、節黒蓮は目の前で消えて行った。
晴島「・・・・・・・何が起こった？」
状況を飲み込めないまま、10,000円札を握っていた。


店を閉まって、奥のリビングへ向かう。
晴島は、もらった10,000円札を眺めていた。
晴島「あの人は・・・・幽霊？」
何もわからないまま、1日が終わった。