【参加終了】無くした記憶と宝探しの旅
『……主人の約束の責任は、僕が取ります。僕が一瞬だけメモーリアと同等の能力を持つ方法があるんです』
誠「……つまり、それはどういうこと…?」
『誠さんの協力さえあれば、僕が一瞬だけ神の資格を持てるということです。神様界での法律スレスレ…というかギリアウト…?ですけど』
なんでそこまでしてくれるんだろう。純粋な疑問が暗い影に覆われた心をよぎっていく。
というかそもそもそれ大丈夫なやつだろうか。
誠「それ、やばくない…?」
『良いんです。誠さんには一切責任は──』
誠「そうじゃなくて!……そうじゃなくて、ガイドさんは?」
『僕は元々罪人です。メモーリアの温情によってここにいるので、メモーリアが亡くなった今僕はもう一度地獄へ引き戻されるでしょう』
少年は一瞬悲しい表情をした後、深く息を吸って画面越しにあたしを見つめた。光を帯びない目の色に、少しだけ熱意の色が混じっている。
誠はこの目をよく知っていた。みんなが見せた、覚悟の色だ。
『昔の僕がやれなかったことを、誠さんに託すだけです』
敬意のこもった、覚悟。そのようなものを画面越しにビリビリと感じた。
いつまでも覚悟が決まらず、うだうだうだうだと迷い続けて先延ばしにし続けたあたしとは大違い。でも今、あたしは守りたいだけじゃ、優しいだけじゃ、みんなを救えないのも知っている。
誠「……わかった。何をしたらいい?なんでもする」
『その部屋の中はカセットテープが保管されています。お仲間の名前が書いてあるものを見つけ、テレビの下のカセットデッキに入れて再生してください』
部屋……そういえば、ここ大きな本棚がある。でもその本棚の中にカセットテープも本も入っておらず、空っぽだ。
あと他にあるものはテーブル。観葉植物。ベット。ソファ。
ここは何のための部屋なんだろう。そんな疑問が頭をよぎったが、『OK』と返して捜索を始めた。
まずテーブルの下。積み重なる文字化けした不気味な雑誌の下に、一つのカセットテープが。テープの名前は『鬼城灯火』。これで間違いないと、カセットデッキに不慣れながらもそれを突っ込んだ。
テレビが『ジジジ…』と音をあげる。
[水平線]
幼い頃の灯火が、野原を走っていた。シロツメクサとたんぽぽが生える丘の上から彼女が転がり落ちる。
灯火「早くしないと置いてきますよー!」
「ちょ、待たんか灯火……長老に対する扱いじゃなかろう…」
灯火「長老様、運動しないと早死にするよ!」
「わし来年で2001歳なんじゃが…」
鬼の長老がそうぼやきつつも、子供の勢いについていく。しばらくして、地面を転がりまわって泥だらけの灯火とシロツメクサを見比べた長老は灯火を手招きして呼び寄せた。
「灯火、少しは女の子らしい遊びを教えてやろう。花かんむりの作り方を知っておるか?」
灯火「花かんむり?何それ、お酒?」
すっとぼけた灯火に長老が呆れた表情を見せると、頭を悩ませるようなそぶりをした。長老はため息をついてその場に座ると、シロツメクサをたくさん集めて花かんむりを作り出した。
「確かに花かんむりという名の酒はある。まったく、お前の家はどうなっとるんじゃ。お前が初めて喋った言葉が『日本酒』という時点でなんとなく察してはいたが…」
灯火「お父さんもお母さんもお酒好きだからねー!」
「そんなことは知っておる。自分たちの結婚式で親族を全員酔い潰してそれでもなお飲み続けた猛者はお前の親くらいじゃ……ほれ、これが花かんむりじゃ」
長老は手際良くシロツメクサを編み、灯火の小さな頭に花かんむりを優しく乗せた。灯火の艶のある黒髪が揺れ、気の強そうな吊り目が輝く。
灯火「すごい!どうやって作ったの!?」
「見とらんかったんかお前…」
暖かい日差しが、二人を照らしていた。
誠「……つまり、それはどういうこと…?」
『誠さんの協力さえあれば、僕が一瞬だけ神の資格を持てるということです。神様界での法律スレスレ…というかギリアウト…?ですけど』
なんでそこまでしてくれるんだろう。純粋な疑問が暗い影に覆われた心をよぎっていく。
というかそもそもそれ大丈夫なやつだろうか。
誠「それ、やばくない…?」
『良いんです。誠さんには一切責任は──』
誠「そうじゃなくて!……そうじゃなくて、ガイドさんは?」
『僕は元々罪人です。メモーリアの温情によってここにいるので、メモーリアが亡くなった今僕はもう一度地獄へ引き戻されるでしょう』
少年は一瞬悲しい表情をした後、深く息を吸って画面越しにあたしを見つめた。光を帯びない目の色に、少しだけ熱意の色が混じっている。
誠はこの目をよく知っていた。みんなが見せた、覚悟の色だ。
『昔の僕がやれなかったことを、誠さんに託すだけです』
敬意のこもった、覚悟。そのようなものを画面越しにビリビリと感じた。
いつまでも覚悟が決まらず、うだうだうだうだと迷い続けて先延ばしにし続けたあたしとは大違い。でも今、あたしは守りたいだけじゃ、優しいだけじゃ、みんなを救えないのも知っている。
誠「……わかった。何をしたらいい?なんでもする」
『その部屋の中はカセットテープが保管されています。お仲間の名前が書いてあるものを見つけ、テレビの下のカセットデッキに入れて再生してください』
部屋……そういえば、ここ大きな本棚がある。でもその本棚の中にカセットテープも本も入っておらず、空っぽだ。
あと他にあるものはテーブル。観葉植物。ベット。ソファ。
ここは何のための部屋なんだろう。そんな疑問が頭をよぎったが、『OK』と返して捜索を始めた。
まずテーブルの下。積み重なる文字化けした不気味な雑誌の下に、一つのカセットテープが。テープの名前は『鬼城灯火』。これで間違いないと、カセットデッキに不慣れながらもそれを突っ込んだ。
テレビが『ジジジ…』と音をあげる。
[水平線]
幼い頃の灯火が、野原を走っていた。シロツメクサとたんぽぽが生える丘の上から彼女が転がり落ちる。
灯火「早くしないと置いてきますよー!」
「ちょ、待たんか灯火……長老に対する扱いじゃなかろう…」
灯火「長老様、運動しないと早死にするよ!」
「わし来年で2001歳なんじゃが…」
鬼の長老がそうぼやきつつも、子供の勢いについていく。しばらくして、地面を転がりまわって泥だらけの灯火とシロツメクサを見比べた長老は灯火を手招きして呼び寄せた。
「灯火、少しは女の子らしい遊びを教えてやろう。花かんむりの作り方を知っておるか?」
灯火「花かんむり?何それ、お酒?」
すっとぼけた灯火に長老が呆れた表情を見せると、頭を悩ませるようなそぶりをした。長老はため息をついてその場に座ると、シロツメクサをたくさん集めて花かんむりを作り出した。
「確かに花かんむりという名の酒はある。まったく、お前の家はどうなっとるんじゃ。お前が初めて喋った言葉が『日本酒』という時点でなんとなく察してはいたが…」
灯火「お父さんもお母さんもお酒好きだからねー!」
「そんなことは知っておる。自分たちの結婚式で親族を全員酔い潰してそれでもなお飲み続けた猛者はお前の親くらいじゃ……ほれ、これが花かんむりじゃ」
長老は手際良くシロツメクサを編み、灯火の小さな頭に花かんむりを優しく乗せた。灯火の艶のある黒髪が揺れ、気の強そうな吊り目が輝く。
灯火「すごい!どうやって作ったの!?」
「見とらんかったんかお前…」
暖かい日差しが、二人を照らしていた。