- 閲覧前にご確認ください -

個人的な意見が出ちゃうかも…

文字サイズ変更

【参加終了】無くした記憶と宝探しの旅

#58

やっと会えた/不穏な夜ふかし

誠「義人!?」
義人「うわぁぁ出たぁ!?」
 転がる義人を叫びに近い声で呼び止めると、顔面に病院用のスリッパを投げられた。まぁ見事にクリーンヒット。あたしの反射神経、詰んでるわ。

「義人君、確保!!!」
 その隙を逃すことなく看護師さんは彼の上にまたがり、義人の動きを静止させる。『重い…』と失礼なことを漏らした義人は、彼女のこめかみを少しぴくっと動かすだけで済んだようだ。

誠「うおぁっ!?」
 ジタバタ暴れる義人の近くへ寄るとあたしの姿を認識したのか、急に泣き出しそのまま体にしがみついてきた。いや、寄りかかってきたと言った方が正しいか。
 彼の力の弱さが、あたしが忘れた記憶の重みを物語っていた。

義人「誠ぉ……俺生きてたぁ…みんな生きてたぁ…親は死んでるけど…」
 なんで脱走したの。本当にごめんなさい。生きててよかった。思い出したよ。アホ。大丈夫?
 言いたいことは山ほどある。けど、これだけは伝えたかった。
誠「やっと、会えたぁ……」
義人「本当にな……ここまで長すぎだろ…」

 その後すぐ車椅子がやってきて、久々の移動で体力筋力ともに限界な義人は抵抗することなくそれに乗り、病室に運ばれていった。
 何年もずっとベットの上。チューブから栄養をとり、意識の境目を彷徨い続けた義人にとっては動けないほどの疲労だ。というか、よくあんなに動けたな。

[水平線]
 それからあたしは、毎日義人のお見舞いに行った。記憶の中の義人が好きと言っていたお菓子とたくさんのお土産話を持って、一日15分。記憶の世界にいた義人とは違い昏迷中の記憶はあるようで、院内学級の話や最近できた病院内の友人の話など、たまに白熱しすぎて30分くらいいることもあった。
 筋力がだいぶ落ちてしまい、体はあまり動かないが口だけは達者。流動食から徐々に慣らしていって、最近は普通の食事を大量に食べるようになったそうだ。

 それから、あたしの親のこと。
 義人の見舞いへ行こうとすると、毎回あたしを必死で止めてくる。家に帰ってからの父と母は、基本あたしを放置しているのに。
 最近、彼らは遅くまで何か話し込んでいるようだった。早寝早起き信者の二人が、日付が変わるまで起きている。

 最初はケンカかなーと思っていたが、あのヒステリックで有名な母の声色が焦りで揺れている。会話内容までは聞き取れなかったが、あたしが義人の見舞いに行くことだろうか。
 どうして、私の両親は、メモーリアに記憶を消してと頼んだのだろうか。
 どうにも気になってしまい、今日の夜父と母の会話を盗み聞きすることを決めた。

作者メッセージ

次回!葉月誠、人生初の盗み聞き!
盗み聞きくらい誰でもしたことあるだろって?誠のコミュ力なめないでください!
誠は、何か気になる話題を見つけたら積極的に入っていくし本人に聞きにいくので、結果的に盗み聞きにならないんです!

2025/12/03 06:12

すい ID:≫ 0.LEY4vV85UM2
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 58

コメント
[69]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL