【参加終了】無くした記憶と宝探しの旅
義人「えー、8歳の誕生日おめでと!」
実莉亜「はい!これ、みんなでお金出し合って買ったの!」
マコト「え、あ、あ、ありがとう!!!!!!」
マコトは、誕生日のお祝いをしてもらっているようだ。
照れたように笑っているマコトを眺めながら、あたしはこの光景に既視感を覚えた。
誠『誕生日…か。』
そういえば、もう随分祝ってもらったことがないような気が…
脳みそが、掻き回されるような感覚に陥る。
あまりの痛みに頭を抱え、膝をついた。
ふらっと意識が飛びそうになったが、堪える。ここで気を失ってはダメだ。
絶対に、後悔する。
マコトの方を見ると、もらったのは黄色のハンカチだ。
市販のハンカチに、赤い刺繍。確かこの刺繍を担当したのは──。
はられ「あぁ、この刺繍は私…本当は桃花にやってもらいたかったんだけど、針で指先を刺しまくるから…」
桃花「余計なこと言わないでくださいよ…」
ガックリ項垂れる桃花をみて、あたしは確信した。
誠『これは…あたしの、記憶?』
桃花は、みんなは……元の世界で友人だった?
ポケットの中に手を突っ込むと、確かにそのハンカチがあった。
あのハンカチよりも古くくたびれている。ずっと、大切に持っていたのだろうか。
ブブッ…と、また画面が切り替わる。
今度は、夏だ。
蒸し暑い日差しの記憶、汗の匂い。
またこの公園に集まって、マコト──いや、他人行儀な言い方はもうやめよう。
あたしは、彼らと話をしていた。
また背が伸びている。会話の内容も、だいぶ大人びてきた。
七凪「肝試しにいこうよ!」
七凪は、愉快なものを見るように笑った。
その目線の先は、輝と実莉亜に注がれている。
マコト「いいね!どこでやる?」
びびっている輝と実莉亜をほっぽり出して、マコトはノリノリだ。
「裏山などいかがでしょうか。」
「裏山…怖い…」
玄羽も思ったより乗り気である。そんな玄羽の後ろで、輝がガタガタ音を言わせそうなくらい震えていた。
「大丈夫だよ!輝が怖かったら手繋いであげる!」
はられはそう言って、輝の手を掴んだ。
ただ、輝は全然落ち着きそうにない。
見覚えがある、この光景。
「はられ!わたしとも繋いでぇ〜」
実莉亜は、はられの腕に縋り付く。
潤んだ目ではられを上目遣いに見上げると、はられは両方の手をしっかりと繋いだ。
「お祭りの日とかいいんじゃない?親には祭りに行く、って言えばいいから!」
桃花はいつもより無邪気に、敬語を忘れるほど楽しみなようだ。
強気に笑った桃花を見る、マコト。
あたしも、この顔を近くで見た。
「……よしっ!決まりだなっ!」
親、と言った瞬間に暗い顔をした義人は、誤魔化すような全開の笑顔で笑った。
あたしが覚えている、少年の声だった。
どうして、忘れていたのだろうか。
また、場面が切り替わる。
これ以上見ていたくないのに、見てしまう。
絶対に、目を離さない。
実莉亜「はい!これ、みんなでお金出し合って買ったの!」
マコト「え、あ、あ、ありがとう!!!!!!」
マコトは、誕生日のお祝いをしてもらっているようだ。
照れたように笑っているマコトを眺めながら、あたしはこの光景に既視感を覚えた。
誠『誕生日…か。』
そういえば、もう随分祝ってもらったことがないような気が…
脳みそが、掻き回されるような感覚に陥る。
あまりの痛みに頭を抱え、膝をついた。
ふらっと意識が飛びそうになったが、堪える。ここで気を失ってはダメだ。
絶対に、後悔する。
マコトの方を見ると、もらったのは黄色のハンカチだ。
市販のハンカチに、赤い刺繍。確かこの刺繍を担当したのは──。
はられ「あぁ、この刺繍は私…本当は桃花にやってもらいたかったんだけど、針で指先を刺しまくるから…」
桃花「余計なこと言わないでくださいよ…」
ガックリ項垂れる桃花をみて、あたしは確信した。
誠『これは…あたしの、記憶?』
桃花は、みんなは……元の世界で友人だった?
ポケットの中に手を突っ込むと、確かにそのハンカチがあった。
あのハンカチよりも古くくたびれている。ずっと、大切に持っていたのだろうか。
ブブッ…と、また画面が切り替わる。
今度は、夏だ。
蒸し暑い日差しの記憶、汗の匂い。
またこの公園に集まって、マコト──いや、他人行儀な言い方はもうやめよう。
あたしは、彼らと話をしていた。
また背が伸びている。会話の内容も、だいぶ大人びてきた。
七凪「肝試しにいこうよ!」
七凪は、愉快なものを見るように笑った。
その目線の先は、輝と実莉亜に注がれている。
マコト「いいね!どこでやる?」
びびっている輝と実莉亜をほっぽり出して、マコトはノリノリだ。
「裏山などいかがでしょうか。」
「裏山…怖い…」
玄羽も思ったより乗り気である。そんな玄羽の後ろで、輝がガタガタ音を言わせそうなくらい震えていた。
「大丈夫だよ!輝が怖かったら手繋いであげる!」
はられはそう言って、輝の手を掴んだ。
ただ、輝は全然落ち着きそうにない。
見覚えがある、この光景。
「はられ!わたしとも繋いでぇ〜」
実莉亜は、はられの腕に縋り付く。
潤んだ目ではられを上目遣いに見上げると、はられは両方の手をしっかりと繋いだ。
「お祭りの日とかいいんじゃない?親には祭りに行く、って言えばいいから!」
桃花はいつもより無邪気に、敬語を忘れるほど楽しみなようだ。
強気に笑った桃花を見る、マコト。
あたしも、この顔を近くで見た。
「……よしっ!決まりだなっ!」
親、と言った瞬間に暗い顔をした義人は、誤魔化すような全開の笑顔で笑った。
あたしが覚えている、少年の声だった。
どうして、忘れていたのだろうか。
また、場面が切り替わる。
これ以上見ていたくないのに、見てしまう。
絶対に、目を離さない。