- 閲覧前にご確認ください -

個人的な意見が出ちゃうかも…

文字サイズ変更

【参加終了】無くした記憶と宝探しの旅

#40


「肝試しにいこうよ!」
そう言ったのは、白い長髪の男の子だった。
「いいね!どこでやる?」
あたしは、無意識にそう答えていた。

「裏山などいかがでしょうか。」
「裏山…怖い…」
いつも公園にいる黒いメッシュが特徴的な子が答えたかと思うと、橙色の短髪の子が怯えていた。

「大丈夫だよ!─が怖かったら手繋いであげる!」
長い黒髪の女の子がにこりと微笑み、彼の手をそっと繋ぐ。
「──!わたしとも繋いでぇ〜」
最初に発言した子と似た髪の色をした女の子は、黒髪の子の腕に縋り付いた。

「お祭りの日とかいいんじゃない?親には祭りに行く、って言えばいいから!」
少し大人びた黒髪をポニーテールにした子が、念のため浴衣も着て、と言う。
「……よしっ!決まりだなっ!」
一瞬暗い表情をし、その後元気に声を張り上げた男の子は、狐色の長髪だった。



[水平線]

誠「…ん…?」
目が覚めて最初に目に入ったのは、灯火の家の天井でもなく、小麦色のテントの交差点でもなく、細かい装飾が施された石造りの天井だった。

黒鵜「おはようございます。目が覚められましたか。」
黒鵜の声が聞こえて体を起こすと、体の位置はどう見ても先ほど騒ぎ立てた神殿だった。

誠「変に騒いじゃってごめん。ちょっと、どうかしてた。」
冷静になって考えると、急に八つ当たりして怒り出したただの変なやつだ。

黒鵜「いえ、普通のことです。それに、私たちも少し無茶させすぎてしまったようなので、おあいこです。」
相変わらず鉄仮面の黒鵜だが心の底からの安堵が染み出している。
出会った時に比べれば、人間らしくなった。

横を見ると、義人と凪が壁にもたれて眠っている。
黒鵜「彼らも疲れていたのでしょうね。この部屋で圧死する前に起こしましょうか。」
誠「…そうだね……圧死?…圧死!?」
黒鵜「言ってませんでしたっけ、この部屋、昨日からずっと狭くなっているんですよ」
誠「そうなの!?ってか昨日…?」
黒鵜「誠さんは丸一日寝ていらっしゃいましたよ?」
そう言いながら寝ている彼らを揺すり、寝ぼけなまこにデコピンする。

義人「…痛ってェェェ!!!!その起こし方やめろって!」
凪「全力デコピンはおでこ腫れるよ!!!!」
黒鵜「すみません」
そう言った黒鵜の声は、いつもよりロボット味が増していてわざとらしかった。

誠「あ、おはよう。…さっきは騒いじゃってごめん。」
義人「まこちゃん!あ〜よがったぁ…」
凪「本当に…あ、血大丈夫?」
心配そうに聞いてきたおかげで、自分が怪我をしていることに気がつく。

誠「ありゃりゃ…でも痛くはないよ!」
凪「ねぇ、誠くん。自分がどこから来たかわかる?」
先ほどのハイテンションとは打って変わり、低い声でこちらに聞いてくる。

誠「え?天青國じゃないの?」
凪「そのもっと前だよ!」
誠「えっと…灯火の家…」
凪「その前は?」

そう聞かれて、頭の中で黒いものがぐるぐると回転する。
霧のようなものがかかっていて、見ようとすると激しい頭痛に襲われる。

誠「……痛っ…わかんない…」
凪「!…誠くん!誠くんはニホンってとこから来たんだよ!覚えてる!?」
必死に訴える凪はほとんど半泣きだった。
心当たりは、全くない。

誠「ニホン…?それ、どこ?」

部屋の中が、緊張に包まれる。
3人が息を呑むのが、肌で伝わってきた。

作者メッセージ

祖国を忘れてしまったようです。

2025/03/02 06:25

すい ID:≫ 9.fgiyzpqT5B6
続きを執筆
小説を編集

パスワードをおぼえている場合はご自分で小説を削除してください。(削除方法
自分で削除するのは面倒くさい、忍びない、自分の責任にしたくない、などの理由で削除を依頼するのは絶対におやめください。

→本当に小説のパスワードを忘れてしまった
▼小説の削除を依頼する

小説削除依頼フォーム

お名前 ※必須
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
削除の理由 ※必須

なぜこの小説の削除を依頼したいですか

ご自分で投稿した小説ですか? ※必須

この小説は、あなたが投稿した小説で間違いありませんか?

削除後に復旧はできません※必須

削除したあとに復旧はできません。クレームも受け付けません。

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL
/ 42

コメント
[61]

小説通報フォーム

お名前
(任意)
Mailアドレス
(任意)

※入力した場合は確認メールが自動返信されます
違反の種類 ※必須 ※ご自分の小説の削除依頼はできません。
違反内容、削除を依頼したい理由など※必須

盗作されたと思われる作品のタイトル

※できるだけ具体的に記入してください。
特に盗作投稿については、どういった部分が元作品と類似しているかを具体的にお伝え下さい。

《記入例》
・3ページ目の『~~』という箇所に、禁止されているグロ描写が含まれていました
・「〇〇」という作品の盗作と思われます。登場人物の名前を変えているだけで●●というストーリーや××という設定が同じ
…等

備考欄
※伝言などありましたらこちらへ記入
メールフォーム規約」に同意して送信しますか?※必須
小説のタイトル
小説のURL