【参加終了】無くした記憶と宝探しの旅
「肝試しにいこうよ!」
そう言ったのは、白い長髪の男の子だった。
「いいね!どこでやる?」
あたしは、無意識にそう答えていた。
「裏山などいかがでしょうか。」
「裏山…怖い…」
いつも公園にいる黒いメッシュが特徴的な子が答えたかと思うと、橙色の短髪の子が怯えていた。
「大丈夫だよ!─が怖かったら手繋いであげる!」
長い黒髪の女の子がにこりと微笑み、彼の手をそっと繋ぐ。
「──!わたしとも繋いでぇ〜」
最初に発言した子と似た髪の色をした女の子は、黒髪の子の腕に縋り付いた。
「お祭りの日とかいいんじゃない?親には祭りに行く、って言えばいいから!」
少し大人びた黒髪をポニーテールにした子が、念のため浴衣も着て、と言う。
「……よしっ!決まりだなっ!」
一瞬暗い表情をし、その後元気に声を張り上げた男の子は、狐色の長髪だった。
[水平線]
誠「…ん…?」
目が覚めて最初に目に入ったのは、灯火の家の天井でもなく、小麦色のテントの交差点でもなく、細かい装飾が施された石造りの天井だった。
黒鵜「おはようございます。目が覚められましたか。」
黒鵜の声が聞こえて体を起こすと、体の位置はどう見ても先ほど騒ぎ立てた神殿だった。
誠「変に騒いじゃってごめん。ちょっと、どうかしてた。」
冷静になって考えると、急に八つ当たりして怒り出したただの変なやつだ。
黒鵜「いえ、普通のことです。それに、私たちも少し無茶させすぎてしまったようなので、おあいこです。」
相変わらず鉄仮面の黒鵜だが心の底からの安堵が染み出している。
出会った時に比べれば、人間らしくなった。
横を見ると、義人と凪が壁にもたれて眠っている。
黒鵜「彼らも疲れていたのでしょうね。この部屋で圧死する前に起こしましょうか。」
誠「…そうだね……圧死?…圧死!?」
黒鵜「言ってませんでしたっけ、この部屋、昨日からずっと狭くなっているんですよ」
誠「そうなの!?ってか昨日…?」
黒鵜「誠さんは丸一日寝ていらっしゃいましたよ?」
そう言いながら寝ている彼らを揺すり、寝ぼけなまこにデコピンする。
義人「…痛ってェェェ!!!!その起こし方やめろって!」
凪「全力デコピンはおでこ腫れるよ!!!!」
黒鵜「すみません」
そう言った黒鵜の声は、いつもよりロボット味が増していてわざとらしかった。
誠「あ、おはよう。…さっきは騒いじゃってごめん。」
義人「まこちゃん!あ〜よがったぁ…」
凪「本当に…あ、血大丈夫?」
心配そうに聞いてきたおかげで、自分が怪我をしていることに気がつく。
誠「ありゃりゃ…でも痛くはないよ!」
凪「ねぇ、誠くん。自分がどこから来たかわかる?」
先ほどのハイテンションとは打って変わり、低い声でこちらに聞いてくる。
誠「え?天青國じゃないの?」
凪「そのもっと前だよ!」
誠「えっと…灯火の家…」
凪「その前は?」
そう聞かれて、頭の中で黒いものがぐるぐると回転する。
霧のようなものがかかっていて、見ようとすると激しい頭痛に襲われる。
誠「……痛っ…わかんない…」
凪「!…誠くん!誠くんはニホンってとこから来たんだよ!覚えてる!?」
必死に訴える凪はほとんど半泣きだった。
心当たりは、全くない。
誠「ニホン…?それ、どこ?」
部屋の中が、緊張に包まれる。
3人が息を呑むのが、肌で伝わってきた。
そう言ったのは、白い長髪の男の子だった。
「いいね!どこでやる?」
あたしは、無意識にそう答えていた。
「裏山などいかがでしょうか。」
「裏山…怖い…」
いつも公園にいる黒いメッシュが特徴的な子が答えたかと思うと、橙色の短髪の子が怯えていた。
「大丈夫だよ!─が怖かったら手繋いであげる!」
長い黒髪の女の子がにこりと微笑み、彼の手をそっと繋ぐ。
「──!わたしとも繋いでぇ〜」
最初に発言した子と似た髪の色をした女の子は、黒髪の子の腕に縋り付いた。
「お祭りの日とかいいんじゃない?親には祭りに行く、って言えばいいから!」
少し大人びた黒髪をポニーテールにした子が、念のため浴衣も着て、と言う。
「……よしっ!決まりだなっ!」
一瞬暗い表情をし、その後元気に声を張り上げた男の子は、狐色の長髪だった。
[水平線]
誠「…ん…?」
目が覚めて最初に目に入ったのは、灯火の家の天井でもなく、小麦色のテントの交差点でもなく、細かい装飾が施された石造りの天井だった。
黒鵜「おはようございます。目が覚められましたか。」
黒鵜の声が聞こえて体を起こすと、体の位置はどう見ても先ほど騒ぎ立てた神殿だった。
誠「変に騒いじゃってごめん。ちょっと、どうかしてた。」
冷静になって考えると、急に八つ当たりして怒り出したただの変なやつだ。
黒鵜「いえ、普通のことです。それに、私たちも少し無茶させすぎてしまったようなので、おあいこです。」
相変わらず鉄仮面の黒鵜だが心の底からの安堵が染み出している。
出会った時に比べれば、人間らしくなった。
横を見ると、義人と凪が壁にもたれて眠っている。
黒鵜「彼らも疲れていたのでしょうね。この部屋で圧死する前に起こしましょうか。」
誠「…そうだね……圧死?…圧死!?」
黒鵜「言ってませんでしたっけ、この部屋、昨日からずっと狭くなっているんですよ」
誠「そうなの!?ってか昨日…?」
黒鵜「誠さんは丸一日寝ていらっしゃいましたよ?」
そう言いながら寝ている彼らを揺すり、寝ぼけなまこにデコピンする。
義人「…痛ってェェェ!!!!その起こし方やめろって!」
凪「全力デコピンはおでこ腫れるよ!!!!」
黒鵜「すみません」
そう言った黒鵜の声は、いつもよりロボット味が増していてわざとらしかった。
誠「あ、おはよう。…さっきは騒いじゃってごめん。」
義人「まこちゃん!あ〜よがったぁ…」
凪「本当に…あ、血大丈夫?」
心配そうに聞いてきたおかげで、自分が怪我をしていることに気がつく。
誠「ありゃりゃ…でも痛くはないよ!」
凪「ねぇ、誠くん。自分がどこから来たかわかる?」
先ほどのハイテンションとは打って変わり、低い声でこちらに聞いてくる。
誠「え?天青國じゃないの?」
凪「そのもっと前だよ!」
誠「えっと…灯火の家…」
凪「その前は?」
そう聞かれて、頭の中で黒いものがぐるぐると回転する。
霧のようなものがかかっていて、見ようとすると激しい頭痛に襲われる。
誠「……痛っ…わかんない…」
凪「!…誠くん!誠くんはニホンってとこから来たんだよ!覚えてる!?」
必死に訴える凪はほとんど半泣きだった。
心当たりは、全くない。
誠「ニホン…?それ、どこ?」
部屋の中が、緊張に包まれる。
3人が息を呑むのが、肌で伝わってきた。