【参加終了】無くした記憶と宝探しの旅
はられ「…美莉愛!!!!!」
空気が抜けたように気が抜け、地面と背中が衝突する。
背中がジンジン痛むが、この現実感のない状況に圧倒されて動くことができない。
誠「美莉…愛…ちゃん…?」
美莉愛の体に刺さった棘が消えていく。
美莉愛「っ…痛…大丈夫、これくらいならすぐ治る…」
照「…あ…ぼ、僕、回復少しなら使えるから、それで…」
はられ「…月人の体は頑丈です、これくらいじゃ死にません。」
誠「で、でもっ!」
『あ〜、そこの娘、刺さっちゃったんだ♡ごめんね♡』
いつの間にか近くに来ていた敵に、はられが日本刀を抜く。
『怖いなぁ♡殺す気はないよ!』
はられ「…私は殺す気しかないですけどね。」
はられが床を踏み、兎のように高く飛ぶ。
それと同時に敵は爪を長くし、その爪で攻撃を受ける。
敵がはられの日本刀を受けるとともに物陰から黒鵜が飛び出してきた。
機械じみた腕は変形していて、ハンマーのような形になっている。
思いっきり振り被り、一撃を喰らわそうとする。
『フェイベル♡』
敵の背中から棘が出てきた。
美莉愛が先ほどくらった技だ。
すると、黒鵜は器用に体を回転させ、棘を叩き割った。
義人「まこちゃんっ!凪から作戦は聞いた?」
こちらに駆けてきた義人が、聞き覚えのないことを言う。
誠「し、知らない…」
義人「そうか。美莉愛ちゃんの介護は照君に任せて、僕らはあいつの弱点をつくぞ。」
誠「弱点?」
義人「腹のところについているハーバリウムだ。あれをそのフォークで突き刺せばあいつは死ぬはず…みんなが敵の気を散らせているから急ぐぞ!!!」
誠「…わかった。」
義人の有無を言わせぬ表情に本音を飲み込み、了承する。
また、誰かを怪我させてしまう前に、あたしがやらないとダメだ。
はられ「ピーチムーン!!!!!」
はられの声が響いたかと思うと、刀の先が桃色に染まる。
天の羽衣を造るように刀を動かし、敵に少しずつ斬撃を与えていった。
『ウィングブラッド♡』
はられの体が一瞬で吹っ飛び、床に叩きつけられる。
はられ「凪!!!!」
凪「シュヴァルツ!!!!!」
『⁉︎』
凪の手から発された強力なビームをもろにくらい、敵の羽が焼きちぎれる。
『…案外強いわね♡』
彼女の足が誠と同じ地面につく。
それと同時に、あたしは駆け出した。
『ブラックorスペード♡』
足元が発光し始める。
このままここに乗っていると強烈な魔力をもろに喰らう。
凪「ちょっと失礼っ!!!」
ふわりと自分の体が浮いたかと思うと、凪に抱えられていた。
凪「このまま突っ切るよ!」
誠「うぇ⁉︎あ、はい⁉︎」
『⁉︎…ブラン=バリ───』
黒鵜「させませんよ。」
フォークを構え、敵の相手をしている黒鵜の元へ急ぐ。
とんでもない速さで勢いのまま突っ込み、敵のガラスに囲まれた黒いバラを突き刺した。
彼女は鯨の鳴き声のようなとんでもない高音で叫び、そのまま崩れ落ちた。