昔話をしよう。
___こんにちは。
あ、初めて会ったかな、はじめまして。
ここではとある人の昔の話をしているんだ。
名前は伝えられないけど、悪いことばかりが起こって壊れた男性の話、とだけ言っておこうか。
容姿?もしかして、話を聞いた後本人を探す、とでも言うか?
面白いことを言うね、あくまで今から話すのは昔の話、その人はがらりと姿が変わっているかもしれないし、もうこの世にいない可能性だってある。
私はその男性の知り合いでも友達でもない。だから、今連絡を取ったり場所を聞いたりすることは不可能に等しいんだ。分かる?
話を聞いて去れ、お代はいらないし、ちょこっと時間が削り取られるだけさ。
いい話、悪い話、どっちか教えてくれ?それを聞いてしまったらつまらなくなるだろう。
…おっと、茶番が長くなったな、申し訳ない。
__話そうか。
彼は普通の家庭に、普通の人間として生まれた。
頭は悪いが運動神経はいい子に育ち、
彼が小学校に入るころから、彼の母は寝る前にずっと言うんだ。
「[太字]頼られて尊敬される、努力できる人になってね[/太字]」
「[太字]勉強や運動なんかより、周りの視線とか心を大事にしようね[/太字]」…と。
彼は親が大好きでね、自分の親の頼みには内容関係なく従う利口な子だった。
勉強よりも、運動よりも。
彼は周りから親しまれるように努力した。
誰でもほかの人に合わせるように、困っていたらとりあえず寄り添ってあげるように。
だがとある年の…3~5月らへんだったかな。
彼の友達が先生の、大事にしていた花瓶を割ったんだ。
綺麗な白い百合が飾ってあった、白い白い花瓶。
もちろんその先生は大激怒。誰がやったのか問い詰めながら発狂するほどの元気だったかな。
…まぁ問い詰められてもはぐらかすのが人間だよね。
はぐらかすとは少し…大分違うか。正しくは、罪を着せる、だね。
文字通り、彼の友達は彼に罪を着せた。
「…はい、僕がやりました。」
彼は否定することもなく、その嘘を受け入れた。
彼はそこまでして、母との約束を守って見せた。
大激怒した先生は発狂だけでは止まらなかった。
彼をクラス、学年全体で嫌うよう指示した。
殴られ蹴られ教科書を破られ…
花瓶を割った子はそれに積極的に取り組んでいた。
親に話すことや周りに頼ることは何もせず、これが自分の受けることだと言わんばかりに笑顔でそれを耐えていった。
「僕、無理なんかしてないよ。大丈夫、大丈夫だよ。」
全身が痣だらけになって帰ってきた時、そう言ってはぐらかした。
「これ…?うれし泣き…。…へへ…うまく笑えないなぁ……」
泣いて帰って来た時、そう言ってはぐらかした。
「…どうしよ~…あはは…まぁ、僕図工好きだし!これくらい大丈夫大丈夫!」
教科書がバラバラにされた時、そう言って自分を落ち着かせた。
それで納得する親もどうかと思うが。
中学校に上がると。
…上がった途端に転校した。
「…はは、ば~っか。」
それだけ言いたかったみたいだったね。
……あ、もう0時か。
申し訳ないが、この店は0時で閉店でね。
話の続きなら明日してあげるさ。それまで待っていてくれ。
明日は会える。あぁ、会えるさ。
ほら帰った帰った。
…ぁ、一つだけヒントを。
[太字]白は黒に変わるんだよ。[/太字]
あ、これ以外はもう話さないから、ほら帰った帰った~。
あ、初めて会ったかな、はじめまして。
ここではとある人の昔の話をしているんだ。
名前は伝えられないけど、悪いことばかりが起こって壊れた男性の話、とだけ言っておこうか。
容姿?もしかして、話を聞いた後本人を探す、とでも言うか?
面白いことを言うね、あくまで今から話すのは昔の話、その人はがらりと姿が変わっているかもしれないし、もうこの世にいない可能性だってある。
私はその男性の知り合いでも友達でもない。だから、今連絡を取ったり場所を聞いたりすることは不可能に等しいんだ。分かる?
話を聞いて去れ、お代はいらないし、ちょこっと時間が削り取られるだけさ。
いい話、悪い話、どっちか教えてくれ?それを聞いてしまったらつまらなくなるだろう。
…おっと、茶番が長くなったな、申し訳ない。
__話そうか。
彼は普通の家庭に、普通の人間として生まれた。
頭は悪いが運動神経はいい子に育ち、
彼が小学校に入るころから、彼の母は寝る前にずっと言うんだ。
「[太字]頼られて尊敬される、努力できる人になってね[/太字]」
「[太字]勉強や運動なんかより、周りの視線とか心を大事にしようね[/太字]」…と。
彼は親が大好きでね、自分の親の頼みには内容関係なく従う利口な子だった。
勉強よりも、運動よりも。
彼は周りから親しまれるように努力した。
誰でもほかの人に合わせるように、困っていたらとりあえず寄り添ってあげるように。
だがとある年の…3~5月らへんだったかな。
彼の友達が先生の、大事にしていた花瓶を割ったんだ。
綺麗な白い百合が飾ってあった、白い白い花瓶。
もちろんその先生は大激怒。誰がやったのか問い詰めながら発狂するほどの元気だったかな。
…まぁ問い詰められてもはぐらかすのが人間だよね。
はぐらかすとは少し…大分違うか。正しくは、罪を着せる、だね。
文字通り、彼の友達は彼に罪を着せた。
「…はい、僕がやりました。」
彼は否定することもなく、その嘘を受け入れた。
彼はそこまでして、母との約束を守って見せた。
大激怒した先生は発狂だけでは止まらなかった。
彼をクラス、学年全体で嫌うよう指示した。
殴られ蹴られ教科書を破られ…
花瓶を割った子はそれに積極的に取り組んでいた。
親に話すことや周りに頼ることは何もせず、これが自分の受けることだと言わんばかりに笑顔でそれを耐えていった。
「僕、無理なんかしてないよ。大丈夫、大丈夫だよ。」
全身が痣だらけになって帰ってきた時、そう言ってはぐらかした。
「これ…?うれし泣き…。…へへ…うまく笑えないなぁ……」
泣いて帰って来た時、そう言ってはぐらかした。
「…どうしよ~…あはは…まぁ、僕図工好きだし!これくらい大丈夫大丈夫!」
教科書がバラバラにされた時、そう言って自分を落ち着かせた。
それで納得する親もどうかと思うが。
中学校に上がると。
…上がった途端に転校した。
「…はは、ば~っか。」
それだけ言いたかったみたいだったね。
……あ、もう0時か。
申し訳ないが、この店は0時で閉店でね。
話の続きなら明日してあげるさ。それまで待っていてくれ。
明日は会える。あぁ、会えるさ。
ほら帰った帰った。
…ぁ、一つだけヒントを。
[太字]白は黒に変わるんだよ。[/太字]
あ、これ以外はもう話さないから、ほら帰った帰った~。
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