合宿を終えた美咲と優斗は、強い意志を胸にチームへ戻った。二人は自分たちの成長を実感すると同時に、さらなる高みを目指すための練習を始めた。インターハイが近づく中、仲間たちもその熱意に影響され、一層の練習に励むこととなった。

ある日、道場での練習が終わり、青木コーチが二人を呼び寄せた。「君たちの成長は目に見える形で結果を出している。でも、これからは新たな挑戦が必要だ。」コーチの言葉に美咲と優斗は期待し、話を聞いた。

「今度の試合は、地元の強豪チームとの対抗戦だ。君たちはシングルスで代表として出てもらう。いい機会だから、自分の力を試すことができるだろう。」

優斗は興奮し、「ぜひ挑戦させてください！」と声を上げた。それを聞いた美咲も目を輝かせ、「私も全力で頑張ります！」と意気込んだ。

試合の日が近づくにつれ、二人はシングルスに向けた特訓に励んだ。コーチからのアドバイスを受けながら、互いのプレースタイルを理解し、戦術を練る時間が続けられた。

「ねえ、優斗。シングルスの試合、どう戦っていこうか？」練習中に美咲が問いかけると、優斗はちょっと考え込んだ。「相手のクセを観察するのが重要だね。最初は様子見をしつつ、相手の弱点を見つける。そして、そこを攻める。」

「いい考え！私も相手をよく観察して、チャンスを狙うわ。」美咲は優斗の言葉に頷き、前向きな気持ちで練習を続けた。

試合当日、会場は熱気に包まれていた。多くの観客が詰めかけ、緊張感が漂う中で二人はそれぞれの試合に挑むことになった。優斗は先に試合に出ることになり、心を落ち着けるために深呼吸を繰り返した。

「絶対に勝とう！」と自分に言い聞かせ、コートに入る優斗。相手は予想以上に速く、柔軟な動きで優斗を圧倒してきた。優斗は一瞬動揺したが、美咲の言葉を思い出し、相手の動きを見極めることに集中した。

試合が進むにつれ、優斗は徐々に自分のペースを取り戻し、相手のミスを逃さず得点を重ねていった。最終的に接戦の末、勝利を掴むことができた。優斗はその瞬間、喜びと安堵に包まれた。

美咲の番が来ると、彼女もまた強い意志を持ってコートへ向かった。相手は少々手強いが、美咲は合宿での経験と練習の成果を信じ、冷静にプレイした。自分自身を信じ、技術を駆使しながら得点を重ねていく。

試合が進むにつれて、美咲の集中力は高まり、観客の応援を背に受けながら最後のポイントを取ることができた。「やった！勝った！」と喜びを爆発させ、仲間たちのもとに駆け寄った。

試合後、二人はお互いを称え合った。「優斗、すごかった！あのプレイ、見ていて感動したよ！」美咲は目を輝かせて言った。優斗も満面の笑みで、「君も最高だった！これからのインターハイに向けて、もっと鍛えよう！」と意気込みを口にした。

試合を終えた二人は、確かな手応えと共に新たな目標を見据えていた。「次はインターハイで上位を狙おう！」その思いは、まさに青い羽のように自由に、そして力強く羽ばたいていくのだった。