インターハイの参加申し込み日が迫る中、美咲と優斗は練習にさらなる熱意を注いでいた。青木コーチの指導の下で、不安を乗り越え、自信を育てていく彼ら。だが、心の奥には「本当にインターハイに行けるのか」という不安が影を落とすこともしばしばだった。

ある日の練習後、二人はスポットライトが当たるように明るい道場の中で話し込んでいた。美咲は真剣な顔で言った。「優斗、私たち本当に大丈夫かな？正直に言うと、インターハイに行けるか自信がないんだ。」

優斗は少し考え込んだが、すぐに美咲の目を見つめた。「美咲、私たちはすごく成長してきたと思うよ。練習を重ねて、基礎も戦術も磨いてきた。たしかに大変な道だけど、二人で一緒に挑むんだから、何があっても乗り越えられるさ。」その言葉に美咲は頷き、心の中で響く何かを感じ取った。

日が経つにつれて意気込みは高まっていったが、同時にライバルたちがどう成長しているのか気にかけるようになった。練習を重ねる中で、新聞やSNSではインターハイの参加者たちの話題で賑わっていた。「あの選手が今年は特に強い」とか、「去年の優勝チームが戻ってきた」など、不安を煽るような情報が多かった。

そんなある日、練習後に優斗は仲間たちと一緒に競技会の映像を見ることにした。「これを参考にしようと思う。相手の動きや戦術を真似て、どう対処するか考えてみない？」と提案すると、みんなが賛同してくれた。

映像を見ていると、特に印象に残る選手がいた。彼はリズミカルなフットワークで相手を翻弄し、時には大胆に攻撃を仕掛けていた。「この選手、すごく私たちが目指しているスタイルに似てるね」と美咲が目を輝かせて言った。「彼のように自由な発想を持つことが大切なんだろうな。」

この映像を通じて彼らは新たな刺激を受けただけでなく、自分たちのスタイルを改めて考える機会を得た。優斗は「自由な発想と確固たる基礎が、大きな成功を生むんだろうな」と呟いた。その夜、二人は互いに意見を交換しながら、インターハイに向けた練習計画を練り直した。

数日後、申し込みの日がやってきた。朝、美咲は緊張した表情で家を出る。優斗も同様だったが、二人は互いに励まし合いながら会場へ向かう。しかし、その道中、美咲はふと立ち止まった。「この瞬間を逃すのはもったいない。夢に向かう第一歩、行こう！」と声を掛けて走り出した。

会場に到着すると、もう多くの参加者が名簿に名前を書き込んでいた。緊張が高まる中、美咲と優斗は自分たちの名を書き入れた。美咲の手は震えていたが、優斗の強い視線に安心感を覚えた。「一緒にここまで来たんだ。私たちの努力を信じよう！」と心で強く思った。

申し込みを終えた二人は、胸が高鳴るのを感じていた。インターハイへの道を歩む決意を新たにした彼らの青い羽は、未来への挑戦のために力強く広がっていた。自分たちが思い描く未来に向かって、次の一歩を踏み出す瞬間が迫っていた。