対抗戦での勝利を経て、美咲と優斗はインターハイに向けての新たな決意を抱き、さらなる高みを目指すことを心に誓った。道場に戻った二人は、仲間たちと共に厳しい練習に励む日々を続けた。これまでの練習では強豪チームの選手たちと戦ったことで、自らの弱点も明確に見つけ出すことができ、改善点に取り組む大切さを実感していた。

ある日の練習後、青木コーチがチーム全員を道場に集めた。コーチはチーム一人ひとりを見渡しながら、「皆、今、私たちに必要なのはリーダーシップと団結だ。一人ひとりが自分の役割を果たし、強い絆で結ばれたチームを作り上げていこう。インターハイでは、これまで以上に一丸となって戦いる必要がある」と熱く語った。

その言葉を受けて、美咲は仲間たちを鼓舞するために一歩前に出て、「私たち、一緒に成長していこう！インターハイでは全力で戦おう！今までの努力が報われる瞬間を迎えられるよう、みんなで頑張ろう！」と呼び掛けた。彼女の言葉に、仲間たちは一斉に頷き、練習のモチベーションが一気に高まった。

厳しい特訓の日々が続く中、チームの連携も着実に向上していった。特に試合形式の練習を取り入れたことで、実戦感覚が養われる場面が増え、お互いのプレースタイルを理解し合う機会となった。コーチの導きのもと、戦術も練り直し、各選手がそれぞれの強みを活かす方法を模索していった。

大会の前日、選手たちは宿泊先に集まり、緊張感が漂っていた。美咲は夕食後、チームメンバーを囲むと、「明日からのインターハイ、私たちの力を信じて全力で頑張ろう。皆がいるから、心強いよ！」と力強く言った。仲間たちは、彼女の言葉によってやる気を引き出され、さらに団結を深めることができた。

それぞれが自分の部屋に戻る頃、優斗は美咲の元にやってきた。「美咲、明日の試合で不安なことはない？」と尋ねると、美咲は少し考えた後、「もちろん緊張するけど、これまで努力してきたことを信じているから大丈夫だよ。」と微笑んだ。その表情を見て、優斗も自分を奮い立たせ、「そうだね。俺たちには仲間がいるし、何があってもバックアップがある。全力で楽しもう！」と返した。

試合の日、会場には多くの観客が集まり、緊張と興奮が入り混じった雰囲気が漂っていた。美咲はシングルスの試合の準備をしながら、自分の心を落ち着ける努力をしていた。優斗もまた、彼女の姿を見て自ずと自分を奮い立たせていた。彼にとっても、この瞬間が大切だと感じていた。

予選が進む中で、チーム全体が一丸となり、それぞれの力を発揮していた。美咲は緊張する中でも攻撃的なプレースタイルで試合を進め、見事に連勝を重ねた。優斗もシングルスの試合において力強いショットを繰り出し、次々と相手を打ち破っていった。その活躍は、試合の流れを大きく変える原動力となっていた。

しかし、準決勝の試合では強烈なライバルに直面することになった。相手の選手は巧みな技術を持ち、なかなかポイントを取ることができなかった。美咲は何度も必死にボールを追い、自ら攻撃を試みたが、相手が巧みに次の動きを読んできて思うようにいかなかった。それでも彼女は諦めず、持てる力を思い切り出し切り、新たな戦術を考えながらプレーを続けた。「何があっても、私は負けない！」と心の中で叫び、自らを奮い立たせる。

ついに、最後の一ポイントが訪れた。美咲は相手の一瞬の隙をつき、力強いショットを決めた。「やった！」と雄叫びを上げ、試合終了のホイッスルが響き渡り、見事な勝利を掴んだ。

美咲と優斗は、互いに笑顔で駆け寄り、喜びの声を交わした。「私たち、勝ったね！」と美咲が言うと、「これが私たちの努力の証だ！」と優斗が答えた。二人は仲間たちと共に、次のステージに向けての希望を抱きながら強く手を握り合い、信頼し合う仲間と共に、インターハイの道を一歩一歩進んで行った。これからの試合に向けて、心を一つにした彼らの絆は、ますます強まっていくのだった。