この世界だと、人にはそれぞれ得意な魔法属性というものがあるらしい。
オレの場合は”炎”だった。
本来、魔法を会得するにはまずは自分が生まれた街に必ずいる”[漢字]魔視[/漢字][ふりがな]まし[/ふりがな]”という人物に自分の魔法属性を教えてもらう。
ただ、いわゆる天才型の人間は教えてもらう前に自分で分かるらしい。
オレも自分で分かった。
魔法が分かってからはあとは訓練の毎日だ。オレの家は貴族だったから、親が家庭教師を呼ぼうとしたけど前世で家庭教師に嫌な思い出が会ったから断っておいた。
『【フレイムヘイズ】”[漢字]地獄の業火[/漢字][ふりがな]ヘル・フレイム[/ふりがな]”！』
オレが一番最初に習得した魔法だ。紫色の炎が相手の骨まで焼き尽くす、けっこう怖めの魔法。
コレはあんま使いたくないな、なんか怖い。
魔法学校の入試はけっこうムズいって聞いてたからなァ。今よりも高度な魔法を使えるようにならなきゃいけない。
『入試まであと、五年……！』
オレは今、七歳だ。魔法学校の入試は十二歳で受ける。
『モタモタしてたらあっという間だな…』