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声の届かぬ世界で

#2


朝のホームルームが始まった。
伊藤(転校生・・・スマホ持ってるかなぁ?)
先生「えぇ、今日は転校生が来ておりますっ!」
ざわざわしてきている感じが肌で取れる。
先生「入ってー。」
教室に入ってきたのは、髪の長い女子。
顔も綺麗で、スタイルも完璧。
鶴沢「どうも、鶴沢華奈(つるさわはな)です。よろしくお願いします。」
黒板に名前が書かれた。鶴沢・・・華奈?珍しい苗字だな。
先生「後で色々自己紹介してもらうから、一旦、席に座ろう。場所は・・・」
先生が指を指した場所は、僕の隣だった。
先生「よし、伊藤の隣な。あ、ちょっと待って。」
先生が鶴沢さんに何か話してる。ああ、僕の事か。
鶴沢「耳が聞こえない・・?」
先生「ああ。だから、スマホか手話で会話してもらうけど、いい?」
鶴沢「私、手話できるので、大丈夫ですよ。」
その後、鶴沢さんが隣に座った。
鶴沢さんは、手話をして僕に話しかけてきた。
鶴沢「私、鶴沢華奈よろしくね。」
伊藤「僕は伊藤希一。手話で話してくれてありがとう。どこで覚えたの?」
鶴沢「実は、私も昔は聴覚障害者だったんだ。」
伊藤「え?どういう事?」
普通、体の五感の障害の治療などは、移植手術などでしか出来ないが、本当に手術したのか?
鶴沢「これはみんなには内緒なんだけど、私、不思議な体験をしたの・・・。」
伊藤「不思議な体験?」
鶴沢「そうなの。」
とても気になる話だ。絶対に聞き出して見せる。
鶴沢「夢の中に、小さな子供が出てきて、その子の願いを叶えてあげると、聴力が戻ったの。」
伊藤「夢?子供?かなえる?何それ。」
鶴沢「私もあまりよく分からないけど、一年ぐらいかかったんだよね。」
伊藤「本当かなぁ?でも、本当に戻ってるしなぁ・・・」
僕は話の内容を半信半疑の状態で聞いてた。
鶴沢「まあ、また何か見たら聞かせて。これからよろしく!」
伊藤「そうだね。よろしくね、鶴沢さん!」
その日は鶴沢さんの話でもちきり、時間が経つのが早く感じた。
授業が終わり、家に帰ると、珍しくお父さんがリビングでテレビを見ていた。
いつもは自分の部屋でいるのに、なんでだろう・・。
伊藤「ただいま。」
僕は声に出して言った。
俊亮「黙れ。TV聞こえねえだろ。ったくガキが・・。」
何を言っているのか分からないが、悪口だと感じた。
僕は腹がたった。
自分の息子のただいまを、こうも全面否定する父親がこの世界に居ていいのか?
とりあえず、手を洗い、自分の部屋に向かう。
ベットに横たわり、窓の外を見る。
やけに雲が少ない。快晴に近いかもな。
その後、いろいろと用事を終えて、ベットに入った。
伊藤「夢・・子供・・・か。」
少しだけ思い出し、すぐに眠った。

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作者メッセージ

どうも戸部夏実です!
幽霊教室110超え!
眠り姫もそろそろ行きそうです!
嬉しいです!ありがとうございます!
これからも頑張ります!

2024/08/07 22:33

戸部夏実 ID:≫.psyZPMB6Zfrw
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