声の届かぬ世界で
伊藤「おいみんな!僕の声聞こえる!?」
クラス中が一瞬静まり返る。
何が起こったのかわからないという顔をしている。
伊藤「僕、聴力戻ったんだ!みんなの声が聞こえるんだ!!」
その中で、1人声を出した。
鶴沢「ほ、、、本当に、、、?」
今にも泣きそうな目をしている。
伊藤「ああ、本当だ。僕は全て聞こえる!!」
その瞬間、クラス中が歓声と感動の声で混ざり合った。
全員が喜び、泣き、抱き合った。
鶴沢「良かった・・・本当に良かった・・・!」
伊藤「ありがとう鶴沢さん。君が居なかったら、諦めてたよ。」
鶴沢「でも、見つかったんだね。」
伊藤「うん。あ、皆んなに言わないと行けない事がある!」
クラス中が伊藤を見る。
伊藤「今日、早退しないとだから、明日一杯話そう!」
鶴沢「なんで?何か予定?」
伊藤「うん、ちょっとね。」
そう言い残し、伊藤は真っ直ぐに家に向かった。
俊亮「・・・ふぅ、送信っと。」
今日もLINEで、[大文字]浮気相手[/大文字]に連絡をする。
バカ息子達は学校、興味の無い妻は仕事、家に1人だ。
浮気を始めてはや3年。ここまで来るとバレない方が面白い。
子供が受精しないよう、対策をしてるがっ・・・・・
ガチャっ
伊藤「たっだいまー!」
俊亮「だっ!?」
何故?帰ってきた・・・?
伊藤「今日も、浮気相手に連絡したの?」
強気で聞かれる。
俊亮「な!?」
伊藤「3年間、気付かないと思った?勝手にスマホ見たよ。」
「パスワードも、捻りもない誕生日・・・w舐めないで?」
俊亮「ぐっ・・・!」
伊藤「ああ、後、浮気だけしか気付いてないと思ってる?」
俊亮「ダニィ!?」
伊藤「過去に、強盗、殺人、誘拐そのためetc・・・はぁ。」
溜息をつく。
伊藤「お父さん、なんで生きてるの?」
俊亮「っ!!」
俊亮が伊藤に飛び掛かる。
俊亮「黙れ黙れ黙れ!!!お前さえ居なきゃなあ!!」
伊藤「かはっ・・・ぐふ・・・」
強く首を絞められる。
俊亮「お前さえ・・・お前さえ・・・・!」
伊藤「父・・・さんっ・・・!」
右手に隠していた包丁を、俊亮の背中に突き刺す。
俊亮「いっ!?」
伊藤「父さん・・・もう父さんはこの世に要らないんだよ!!」
包丁を抜き、更に突き刺す。
俊亮「ぐふ・・・・」
そのまま、俊亮は息絶えた。
伊藤「はぁ・・・はぁ・・・はは、ははは!」
甲高い笑い声が伊藤家に響く。
その後、伊藤の通報により、伊藤俊亮は死亡が確認。
伊藤希一は、家内の防犯カメラにより、正当防衛が立証された。
伊藤希一は無罪、浮気相手から慰謝料の請求に成功した。
俊亮「・・・な、なんだここ!?」
目を開けると、そこは視界が赤黒い無限の空間。
かつて、廻と伊藤が話していた空間だ。
俊亮「どういう事だ・・・俺はさっき刺されて・・・」
廻「希一君のあれはこういう事だったんだね。」
後ろから廻君が歩いて来る。
廻「あなたは、過去に聴力を失った事がある。そうだよね?」
俊亮「なっ・・・誰だお前は!?」
廻「話は通じなさそうだ・・・まあ、いっか。」
そのまま後ろに振り向く。
廻「家族に会えるから、希一君には感謝だね。」
俊亮「おい、ガキ!ここは何処だってんだ!?」
廻「はぁ・・・五月蝿いなぁ。」
俊亮の方に振り返る。
廻「貴方は一生ここから出れない。もう諦めて。」
俊亮「何言ってやがる!?・・・あ、まさか・・・?」
何か思い出したかのような顔をする。
俊亮「廻・・・・君・・・?」
廻「もう遅いよ。僕は家族と共に逝く。」
そう言い残し、廻君は闇の中に消えていった。
俊亮「ここは・・・そうか、そういう事か・・・」
俊亮は、全てを諦め、その場に寝転び、長い眠りに着いた。
それから、20年後・・・・
希一「ただいまー!赤ちゃんの様子は?」
勢いよく扉を開ける。
リビングに入ると、音量が小さいテレビ、音のでかいエアコン、そして・・・
お腹をさする鶴沢華奈が居る。
華奈「おかえりなさい。あなた。」
穏やかな声で返事をする。
華奈「今日、この子2回も蹴ったのよ?元気ねぇ。」
希一「そうだね。楽しみだ。」
そう言って、スマホを取り出す。
華奈「あれ?そのスマホって・・・」
希一「ああ、お父さんのやつだ。」
少し寂しそうな目をする。
希一「実家に寄ったから、ついでに持ってきた。」
華奈「そうなの・・・あれ、パスワード分かるの?」
希一「うん。誕生日だから分かるよ。」
華奈「ああ、お父さんの?」
希一「いや、違うよ。」
希一「僕の誕生日が、パスワードになってるよ。」
次回、「声の届かぬ世界で」Season2
制作決定!(いやアニメか!)
クラス中が一瞬静まり返る。
何が起こったのかわからないという顔をしている。
伊藤「僕、聴力戻ったんだ!みんなの声が聞こえるんだ!!」
その中で、1人声を出した。
鶴沢「ほ、、、本当に、、、?」
今にも泣きそうな目をしている。
伊藤「ああ、本当だ。僕は全て聞こえる!!」
その瞬間、クラス中が歓声と感動の声で混ざり合った。
全員が喜び、泣き、抱き合った。
鶴沢「良かった・・・本当に良かった・・・!」
伊藤「ありがとう鶴沢さん。君が居なかったら、諦めてたよ。」
鶴沢「でも、見つかったんだね。」
伊藤「うん。あ、皆んなに言わないと行けない事がある!」
クラス中が伊藤を見る。
伊藤「今日、早退しないとだから、明日一杯話そう!」
鶴沢「なんで?何か予定?」
伊藤「うん、ちょっとね。」
そう言い残し、伊藤は真っ直ぐに家に向かった。
俊亮「・・・ふぅ、送信っと。」
今日もLINEで、[大文字]浮気相手[/大文字]に連絡をする。
バカ息子達は学校、興味の無い妻は仕事、家に1人だ。
浮気を始めてはや3年。ここまで来るとバレない方が面白い。
子供が受精しないよう、対策をしてるがっ・・・・・
ガチャっ
伊藤「たっだいまー!」
俊亮「だっ!?」
何故?帰ってきた・・・?
伊藤「今日も、浮気相手に連絡したの?」
強気で聞かれる。
俊亮「な!?」
伊藤「3年間、気付かないと思った?勝手にスマホ見たよ。」
「パスワードも、捻りもない誕生日・・・w舐めないで?」
俊亮「ぐっ・・・!」
伊藤「ああ、後、浮気だけしか気付いてないと思ってる?」
俊亮「ダニィ!?」
伊藤「過去に、強盗、殺人、誘拐そのためetc・・・はぁ。」
溜息をつく。
伊藤「お父さん、なんで生きてるの?」
俊亮「っ!!」
俊亮が伊藤に飛び掛かる。
俊亮「黙れ黙れ黙れ!!!お前さえ居なきゃなあ!!」
伊藤「かはっ・・・ぐふ・・・」
強く首を絞められる。
俊亮「お前さえ・・・お前さえ・・・・!」
伊藤「父・・・さんっ・・・!」
右手に隠していた包丁を、俊亮の背中に突き刺す。
俊亮「いっ!?」
伊藤「父さん・・・もう父さんはこの世に要らないんだよ!!」
包丁を抜き、更に突き刺す。
俊亮「ぐふ・・・・」
そのまま、俊亮は息絶えた。
伊藤「はぁ・・・はぁ・・・はは、ははは!」
甲高い笑い声が伊藤家に響く。
その後、伊藤の通報により、伊藤俊亮は死亡が確認。
伊藤希一は、家内の防犯カメラにより、正当防衛が立証された。
伊藤希一は無罪、浮気相手から慰謝料の請求に成功した。
俊亮「・・・な、なんだここ!?」
目を開けると、そこは視界が赤黒い無限の空間。
かつて、廻と伊藤が話していた空間だ。
俊亮「どういう事だ・・・俺はさっき刺されて・・・」
廻「希一君のあれはこういう事だったんだね。」
後ろから廻君が歩いて来る。
廻「あなたは、過去に聴力を失った事がある。そうだよね?」
俊亮「なっ・・・誰だお前は!?」
廻「話は通じなさそうだ・・・まあ、いっか。」
そのまま後ろに振り向く。
廻「家族に会えるから、希一君には感謝だね。」
俊亮「おい、ガキ!ここは何処だってんだ!?」
廻「はぁ・・・五月蝿いなぁ。」
俊亮の方に振り返る。
廻「貴方は一生ここから出れない。もう諦めて。」
俊亮「何言ってやがる!?・・・あ、まさか・・・?」
何か思い出したかのような顔をする。
俊亮「廻・・・・君・・・?」
廻「もう遅いよ。僕は家族と共に逝く。」
そう言い残し、廻君は闇の中に消えていった。
俊亮「ここは・・・そうか、そういう事か・・・」
俊亮は、全てを諦め、その場に寝転び、長い眠りに着いた。
それから、20年後・・・・
希一「ただいまー!赤ちゃんの様子は?」
勢いよく扉を開ける。
リビングに入ると、音量が小さいテレビ、音のでかいエアコン、そして・・・
お腹をさする鶴沢華奈が居る。
華奈「おかえりなさい。あなた。」
穏やかな声で返事をする。
華奈「今日、この子2回も蹴ったのよ?元気ねぇ。」
希一「そうだね。楽しみだ。」
そう言って、スマホを取り出す。
華奈「あれ?そのスマホって・・・」
希一「ああ、お父さんのやつだ。」
少し寂しそうな目をする。
希一「実家に寄ったから、ついでに持ってきた。」
華奈「そうなの・・・あれ、パスワード分かるの?」
希一「うん。誕生日だから分かるよ。」
華奈「ああ、お父さんの?」
希一「いや、違うよ。」
希一「僕の誕生日が、パスワードになってるよ。」
次回、「声の届かぬ世界で」Season2
制作決定!(いやアニメか!)