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声の届かぬ世界で

#1


2015年5月24日、大阪府堺市北区で事故があった。
被害者は「伊藤希一」(いとうきいち)10歳。
事故の影響で、耳が聞こえなくなってしまった。




春馬「・・・ち、・・・・希一、・・起きろ希一。」
希一「あ、え、あ。」
もう朝だ。
僕は伊藤希一。今は16歳。6年前の事故の影響で、耳が聞こえなくなってしまった。
だから、こうして朝は兄貴の伊藤春馬(いとうはるま)に起こしてもらっている。
ちなみに、起こしてもらうときは、適当に体に刺激を与えてもらってから、手話で会話をする。
春馬「先に下にいるからな。」
希一「分かった。」
家族はみんな手話ができるので、生活面では問題はない。
それに、外での生活でも、問題は少ない。
希一「おはよう。お母さん。」
夏菜子「おはよう。希一。」
この人は僕にの母、伊藤夏菜子(いとうかなこ)。大学の教授なんだ。
夏菜子「今日の朝ごはんは、目玉焼きよ。座って待ってて。」
希一「分かった。」
椅子に座って、考え事をする。
今日の授業は確か、保健体育があったな。確か、時期的にプールか・・いや、事前指導だな。
春馬「なあ、希一。」
兄貴が話しかけてきた。
春馬「学校生活は、もう慣れたか?」
希一「うん。みんな、手話がわかんないから、スマホに声を出して、それを文字化して会話してるよ。」
僕の学校では、手話をできる人は教師以外全くと言っていいほどいない。
だから、授業は別だが、休み時間とかは、スマホを使って、会話をしている。
春馬「そうか、それなら良かった。」
兄の春馬は、僕より五つ上の大学生。大阪革立大学に通ってるって言ってた。
夏菜子「さあ、ご飯ができたわよ。」
希一「ありがとう。いただきます。」
そして、学校の準備を終えて、玄関に行くと、隣のトイレの扉から父が出てきた。
父の名前は伊藤俊亮(いとうしゅんすけ)。耳の聞こえない僕をとても嫌っている。
希一「・・・行ってきます。」
当たり前のように父は無視をしてリビングに向かった。
あの日から毎日、僕は無音の生活を送っている。
脳内では理想の声が滞っているが、現実の音は聞こえない。
いつか、また外の声が聞こえたらいいなと、思っている。
学校に着くと、賑やかな雰囲気が舞っていた。
乖離「おぉ、おはよう希一!」
友達の唐澤乖離(からさわかいり)だ。
希一「おはよう。朝から元気だね。」
乖離「そりゃそうだろ!なんせ今日は・・・あ、ちょっと待ってな。」
気を遣ってくれたのか、スマホを出してくれた。
スマホ[今日は転校生が来るんだ。]
希一「え?まじ?」
僕は驚いた。
入学式からすでに2ヶ月以上経っているのに・・。
希一「楽しみだね!」
乖離「だろ?教室行こうぜ!」
一体、どんな転校生なんだろう・・・。

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作者メッセージ

どうも戸部夏実です!
新しく青春系描き始めました!
続編も楽しみにしてて下さい。
あと、幽霊教室後ちょっとで100!まじで感謝の言葉しかないです!!!

2024/08/03 15:56

戸部夏実 ID:≫.psyZPMB6Zfrw
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