拾ったなろくんがなんかすごい溺愛してくる。
side ●●
もぐもぐと聞きあたりの良い咀嚼音をかもし出す彼は、再び熱かったのか、口を抑えながら『水、水』と唱えた。
とてもおいしそうに食べる彼を見て、ほんとにコンビニ弁当じゃなくて自炊してよかったなと思う。
それと同時に、このまま彼をここに置いてていいのか、彼の家に帰らせるべきかという選択肢にぐるぐると私は悩んでいた。
「...あ......あ、の.....」
スプーンをテーブルにかちゃりと置き、彼はどこか改まったような体制で私へ問いかけた。
.......あまりに小さい声で、すぐに押しつぶされてしまいそうだ。
「な、名前.......聞いてもいいかな..?」
彼は少しうつむき、もじもじとした態度で私にそう言った。
「...........わたしは●●っていうよ...」
すると彼は嬉しかったのか、ぱっと目を上げ、すぐに口を開いた。
「●●ちゃん...!!」
彼は笑顔でそう言う。
..........
「..あ、の..カレー..ありがとう...!」
彼は続けて言葉を口にした。
..............どこか、むずむずする。
感じたことを、わたしはそのまま彼に告げた。
「............ね、きみ...『ちゃん』とかいらないよ」
すると彼は驚いたように目を丸くさせる。
「......ええ...じゃあどうすればいいの..?●●さまとか..?」
「...はあ?いやいやもっとアウト......呼び捨てで、いいよ...」
「......ほ、ほんとに..?..........じゃあ、●●....?」
そうそう、と私は言い、彼の安堵したような表情を見て重大なことを思い出す。
「........あ、ちょ、きみの名前は!?」
いや危ない、危ない。いちばんだいじなところを忘れていた。
ほんとこの記憶力どうにかしてほしい。
「..........僕は.....なろ屋、だよ..」
そう言い彼は再びスプーンを手に取り、カレーを口へと運んだ。
どこか悲しそうな顔をしていたのは、気の所為だろうか。
そんなことに私は目もやらず、淡々と会話を進める。
「............んー..なんて呼べばいい?」
「......えー.....なんでもいいよ..」
それがいちばん困るんだよ、とでも言ってやろうかと思ったけど、『変な人』と変に印象付けられるのはそれはそれでどうかという節があったため、適当に思いついたものをそのまま口に出した。
「......なろくん、とか?」
そう言うと、彼は満面の笑みを浮かべ元気よく、うん!と答えた。
........やめた。
「いや、やっぱりやめ。」
彼はキョトンとした瞳で私を見つめる。
「えっ?」
「............きみ」
「んぇ?」
「うん、きみだ。いちばんこれがしっくりくる。」
「ええー!!」
私と彼はお互いふっと吹き出した。
「えー....きみ、これからどうしたいとかあるの?」
私はそう言って、近くにあったソファへと腰掛けた。
「..........あ」
頭の片隅にもなかったのか。
食べる手を止め、彼はうーんと再び考え出した。
「えー、どうしよう」
........はあ仕方ないなあ
「............いいよ、しばらくの間だけ、ここに居させたげる。」
すると彼はまたもや目を輝かせ私にこう言った。
「.........えっ、い、いいの....!?」
「いいよ別に。...........でも、区切りは自分でつけることね?」
わたしはそう言い、時計の針へと目を向ける。
「ほれほれ、お風呂湧いてるよ。さっさと入ってきな」
「......お風呂.....!!..............あ」
「......あ」
[大文字]「「着替えがない!!!」」[/大文字]
もぐもぐと聞きあたりの良い咀嚼音をかもし出す彼は、再び熱かったのか、口を抑えながら『水、水』と唱えた。
とてもおいしそうに食べる彼を見て、ほんとにコンビニ弁当じゃなくて自炊してよかったなと思う。
それと同時に、このまま彼をここに置いてていいのか、彼の家に帰らせるべきかという選択肢にぐるぐると私は悩んでいた。
「...あ......あ、の.....」
スプーンをテーブルにかちゃりと置き、彼はどこか改まったような体制で私へ問いかけた。
.......あまりに小さい声で、すぐに押しつぶされてしまいそうだ。
「な、名前.......聞いてもいいかな..?」
彼は少しうつむき、もじもじとした態度で私にそう言った。
「...........わたしは●●っていうよ...」
すると彼は嬉しかったのか、ぱっと目を上げ、すぐに口を開いた。
「●●ちゃん...!!」
彼は笑顔でそう言う。
..........
「..あ、の..カレー..ありがとう...!」
彼は続けて言葉を口にした。
..............どこか、むずむずする。
感じたことを、わたしはそのまま彼に告げた。
「............ね、きみ...『ちゃん』とかいらないよ」
すると彼は驚いたように目を丸くさせる。
「......ええ...じゃあどうすればいいの..?●●さまとか..?」
「...はあ?いやいやもっとアウト......呼び捨てで、いいよ...」
「......ほ、ほんとに..?..........じゃあ、●●....?」
そうそう、と私は言い、彼の安堵したような表情を見て重大なことを思い出す。
「........あ、ちょ、きみの名前は!?」
いや危ない、危ない。いちばんだいじなところを忘れていた。
ほんとこの記憶力どうにかしてほしい。
「..........僕は.....なろ屋、だよ..」
そう言い彼は再びスプーンを手に取り、カレーを口へと運んだ。
どこか悲しそうな顔をしていたのは、気の所為だろうか。
そんなことに私は目もやらず、淡々と会話を進める。
「............んー..なんて呼べばいい?」
「......えー.....なんでもいいよ..」
それがいちばん困るんだよ、とでも言ってやろうかと思ったけど、『変な人』と変に印象付けられるのはそれはそれでどうかという節があったため、適当に思いついたものをそのまま口に出した。
「......なろくん、とか?」
そう言うと、彼は満面の笑みを浮かべ元気よく、うん!と答えた。
........やめた。
「いや、やっぱりやめ。」
彼はキョトンとした瞳で私を見つめる。
「えっ?」
「............きみ」
「んぇ?」
「うん、きみだ。いちばんこれがしっくりくる。」
「ええー!!」
私と彼はお互いふっと吹き出した。
「えー....きみ、これからどうしたいとかあるの?」
私はそう言って、近くにあったソファへと腰掛けた。
「..........あ」
頭の片隅にもなかったのか。
食べる手を止め、彼はうーんと再び考え出した。
「えー、どうしよう」
........はあ仕方ないなあ
「............いいよ、しばらくの間だけ、ここに居させたげる。」
すると彼はまたもや目を輝かせ私にこう言った。
「.........えっ、い、いいの....!?」
「いいよ別に。...........でも、区切りは自分でつけることね?」
わたしはそう言い、時計の針へと目を向ける。
「ほれほれ、お風呂湧いてるよ。さっさと入ってきな」
「......お風呂.....!!..............あ」
「......あ」
[大文字]「「着替えがない!!!」」[/大文字]
このボタンは廃止予定です