●●side
ここは…なに？
かごの中に乱雑に入れられている。
周りの人は…人間じゃない、みんな時間だ。
ﾊﾞﾝ
扉を乱暴に開け、二人の男が入ってきた。
普通に人間だ。なぜこんなに偉そうなのか？
???「おい時間ども！さっさと出てこい！」
体が勝手に動く。ということは今、私は時間なのか…
私はボロ布を着て手錠をかけられていた。ひどい扱いだ。
???「まぁそう急ぐなよ、[漢字]木川[/漢字][ふりがな]きがわ[/ふりがな]。時間はたっぷりあるしな。」
一人目の男は木川というらしい。
木川「そうか。[漢字]結苑[/漢字][ふりがな]ゆいぞの[/ふりがな]が言うんなら問題ないな。時間ども、ついてこい。」
どこにだよ…
[水平線]〜オークション〜
なんかステージの上につれてこられた。
これってもしやオークション⁉もしかして時間を売っているの!?
司会「13番！上質な時間です！」
ゑ、これもしや私？
客1「10万！」
客2「28万！」
客3「35万！いや…50万！」
どんどん値段がせり上がっていく。ど、どうしよう…
最終的に1358万で落札された私は、落札人の家に連れて行かれた。
シンプルに怖い。これから何されるのかな…
[水平線]〜落札人の家〜
●●side
え〜と…ここは…ギャンブル会場ですか!?!?
え、私一位って書いてあるところに縛り付けてあるんだけど!?
…もしかしなくても…私…景品？
落札人「私と…[漢字]麻雀[/漢字][ふりがな]マージャン[/ふりがな]で勝ったらこの時間、あげるわ」
???「おぉ！今日は豪華ですねぇ〜」
???「腕がなるぜ！」
落札人「私に勝てるかな〜？」
…どうしよ…マジで泣きそう
[水平線]〜3時間後〜
落札人「私の全勝…ね…」
???「強すぎだろ…」
???「死ぬる…」
落札人「じゃあこれは私がもらうわねぇ〜」
●●「いてｯ！」
ガムテープを乱暴に剥ぎ取られ、思わず声が出る。
落札人「あら…喋る時間はいらないわね…コイツも廃棄…か…」
廃棄!?なんで!?何も悪いことしてないんだけど私！
落札人「じゃあね、時間」
私を嘲るように微笑み、ゴミ箱へ捨てた。
その瞬間、涙が出た。そうか、これが人間なんだ…
このゴミ箱は時間廃棄用に出来ているようで時間がどんどん潰されていく。
私の番だ。時間がこんなに乱雑に扱われているなら、サージュ達がこうなる運命なら。

[中央寄せ][太字][大文字]人間は、いらないのかもしれない。[/大文字][/太字][/中央寄せ]
潰される瞬間に人知れず呟いたこの言葉は、自分の本心だと思う。
[水平線]