[明朝体]いつも通り。
そう、いつも通りに収録を終え、いつも通りお昼寝して。
いつも通りご飯を食べて。
つくねによしよーしってして。
一緒に寝て。
起きたら不思議な場所にいた。
すっごく静かな場所。
人一人のかすかな声すらもない。
「え、これってもしかして転生ってやつ…？」
そうとしか、考えられなかった。
遠くに見える人たちは炎を操ったり、水を操ったり。
まるで、魔法のような…
「…………あなた、どうしたの？」
「え？」
振り向けば綺麗で可愛らしい女の子がいた。
今まで、誰も来なかったものだからつい、驚いてしまう。
──…なんだか、久しぶりに人と喋る気がする。
『その子の名前は●●○○じゃ』
いきなり知らないおじさんの声が頭に響く。
どうでもいいや。
[小文字]「綺麗…」[/小文字]
小声で言ったつもりだったのだろうけど俺の耳にははっきりと聞こえた。
なんせ、リスナーさんの声をいーっぱい聞くために耳が四つあるんだもんね！
「うぇ、そう？ありがとう！」
少しだけ、照れ臭かった。
「──…嬉しそう」
「！！？、あ、いや、その…」
結構、図星だ。
だって、綺麗―って言われて嫌な人いる？
──…まぁ、いると思うけど。
俺にはプラスのイメージで言われた気がするからすっごく嬉しい！
『彼女に衣食住を上手い事与えてもらうのじゃ。それが神からのお告げよ』
あ～もうっ。
なんなの？この声。
「お名前、訊いてもいいですか？」
あ、そっか。言ってなかった。
「──…！、莉犬です」
良い名前だねって顔してくれてる…。
良い人なんだろうなぁ。
「莉犬さん…。よろしくお願いします。私の名前は」
「●●○○。ですよね？」

あ、やば。

「──…どうして知ってるんですか？場合によっては──殺しますよ？」
なんでこの子、武器持ってるの！？
どっから出てきたの！！？
「わぁぁぁっ、ごめんなさい！違くて、その、えっと、神様に言われてぇぇ」
あ、これ言っちゃいけない奴じゃ…。
「莉犬さんって、そういう…？」
「スピリチュアルじゃないから！！！！！！！！！！！！！！」
絶対、弁明できてない…！[/明朝体]