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【参加終了】転生水

#39


桐生「愛菜。」
焼死体となった柏木を最後まで見届け、
1階にいる愛菜に話しかける。
愛菜「なんですか?」
机の掃除をしていた愛菜が振り返る。
桐生「全部終わったら・・・」
恥ずかしそうに、視線を逸らす。
桐生「け、結婚しないか・・・?」
愛菜「・・・へ?」
手に持っていた雑巾を落とす。
桐生「だ、駄目か・・・?」
愛菜「だって、夏蓮さんは・・・?」
桐生「直接話したけど・・・」
今度は、わざと視線を下に逸らす。
桐生「俺の事を、余り覚えていなかった。」
愛菜「そう・・・ですか・・・」
桐生「愛菜は、こんなクズを、まだ好きか?」
目を合わせる。顔が赤くなっている。
愛菜「・・・何言ってるんですか。」
桐生に近付く。
愛菜「ずっと、その言葉が聞きたかった・・・!」
桐生の胸に、頭を寄り添う。
桐生「愛菜・・・すまなかった・・・!」
2人が抱き合う。恋愛映画の様に。
桐生(これで、良いんだ・・・)
その後、2人は昼食の準備を始めた。








義人「ふぅ・・・」
一撃に、集中する。
今から、地面を、割る。
雷を、落とすんだ。一点集中。
集中・・・集中・・・!
義人「落雷っ!!」
その瞬間、赤く光った雷が、
地面に落ちた。
糸井「うお!?」
理沙「成功っ!!」
真霊「やっぱ凄いわね・・・」
斎「どんな感じだった?」
義人「はぁ・・・死ぬほど疲れる。」
淡白な感想に、皆が唖然とする。
茜「もっと、コツ的なものは・・・?」
義人「本に書いてあった通りだよ。」
本を手に持つ。
義人「集中する事、意識する事、大事になってくる。」
斎「その分、体力が犠牲になるのかな。」
義人「多分、そんな感じ。」
真霊「じゃ、体力つけなきゃね。」
茜「えぇ、苦手なんですよね・・・」
糸井「大丈夫だろ、俺がいるし。」
茜「糸井君・・・」
義人「ダメだ、むしゃくしゃしてきた。」
理沙「ウチも同じ気分っす。」
斎「とにかく!全員渾身の一撃出すまで寝ないように!」
まだまだ、彼らの特訓は続く。






特訓を続けて、3時間が経った。
昼食休憩も入れず、水とパンで食い繋いでいる。
義人は、朱色の雷が、発動状態。
真霊は、青色の光が、発動状態。
理沙は、赤紫色の音符が、発動状態。
糸井は、赤と黄色の攻撃が、発動状態。
茜は、基本的に金色や光沢がつく。
斎「ただ、僕はまだ使えないね。」
義人「ちょっとでもいけるんじゃ?」
斎「変化に気づけないぐらい、少量なの。」
糸井「不便だね、その条件。」
斎「夜になったら火力が上がるからね?」
真霊「ま、斎は夜でいいじゃない。」
茜「じゃ、やっと休憩?」
義人「1時間休憩して、体力付けるぞ!」
糸井「よっ!待ってました!」
理沙「泣いちゃう。」
茜「同じくです。」
斎「文句言わないの!」
理沙「斎は疲れて無いでしょ!?」
斎「その分みんなの倍走るから。」
義人「そうするか。」
糸井「よし!休憩ー!」
そうして、一時的な休憩が入った。






桐生は考えていた。
渾身の一撃。記憶の中を見ても、
やはり実践あるのみとしか思えない。
桐生「愛菜。暇か?」
掃除をしている愛菜に声をかける。
愛菜「まあ、掃除も3周目ですし・・・」
桐生「特訓だ。」
愛菜「特訓?」
不思議そうな顔で桐生を見る。
桐生「柏木の記憶を見たが、気になる事があった。」
愛菜「なんでしょう?」
桐生「渾身の一撃と呼ばれる物だ。」
愛菜「そういう技でしょうか。」
桐生「ああ。詳しい事は、やりながら話そう。」
椅子から立ち上がる。
桐生「森近くに行くぞ。特訓だ。」
愛菜「楽しそうですね。」
ほうきを直し、桐生について行く。
桐生「そう言えば、腕は大丈夫か?」
愛菜の左手を見る。
愛菜「完全に、血液も復活しました。」
氷の回復方法は、数時間で完全に治るものだ。
だが、常にエネルギーをその部位に使わなければならない。
高等テクニックの1つと言える。
桐生「それは良かった。無理したんだろ?」
愛菜「まあ、作戦の一環というか・・・」
桐生「だとしても、これからは無理をするなよ?」
愛菜「分かりました。」
歩き続ける。
草原の先には、森が見えてくる。
愛菜が質問をする。
愛菜「桐生さん、質問が。」
桐生「ん?なんだ?」
愛菜「自分が見た記憶ないの能力も使えるんですよね?」
桐生「ああ。記憶操作の応用だな。」
愛菜「でも、余り戦闘経験が無いんじゃ?」
桐生「どういう事だ?」
愛菜「私と会ってから、戦った所を見た事がありません。」
桐生「まあ、確かに。そんなに能力者には会ってない。」
愛菜「じゃあ、炎はどうやって使ったのですか?」
桐生「・・・ふふ、面白いぞ?」
愛菜「はい?」
不気味な笑顔を作る。
桐生「記憶操作の能力は、前任者の記憶も使えるんだ。」
愛菜「前任者の記憶も!?」
桐生「つまり、柏木の記憶も覗けるんだ。」
桐生は空を見上げる。
桐生「実質、最強という事さ。
  「柏木は運良く色んな能力者と戦ってる。」
愛菜「凄いですね・・・」
桐生「どうだ?勝てる未来が見えたか?」
冗談まじりに質問してみる。
愛菜「まー、99%勝てませんね。」
桐生「ほう、1%勝てると?」
愛菜「作戦を立てるのは、私の方が得意ですよ。」
桐生「あー、確かに・・・」
深く考え込む。
もし、次義人達と戦うとなると、
やはり愛菜の頭脳は必須になってくる。
本当に、味方でよかった。
桐生「今日中に、渾身の一撃覚えるぞ。」
愛菜「承知いたしました。」
そのまま、2人は森に足を進め続けた。

2025/12/09 23:19

戸部夏実 ID:≫ 6s/EWVZi48e6M
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