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【参加終了】転生水

#33


桐生「・・・なぁ」
ぎこちなく、切り出してみる。
??「なんでしょう?」
桐生「俺、今日死にかけたんだ。」
??「!!」
桐生「今まで会った中で一番強い奴だ。」
??「なら・・・走馬灯・・・?」
桐生「いや、そこまでは行かなかったな。」
淡々と喋り続ける。
桐生「俺は死に対してあまり恐怖心を抱いてない。」
??「なるほど・・・」
桐生「で、お前は死にかけて帰ってきたら・・・」
??「走馬灯は見てないんですよね?」
桐生「あ?ああ・・・」
??「ならまだ言わないです。」
桐生「はぁ!?」
??「あなたはこの世界に来て前の世界の記憶を失っている。」
桐生「前の世界だと・・・?現実世界か。」
??「あら、多少は覚えてるのですか?」
桐生「いや、むしろ忘れてることの方が無いというか・・・」
??「なら何故私を覚えてないのですか?」
桐生「!?」
どういうことだ・・・?
俺の記憶は、夏蓮がいて、俺がいて・・・
あと1人、誰かが居た。
3人はいつも一緒だった。はずだ。
小学生に上がって、夏蓮は居なくて、あいつは居て・・・
あいつ?誰だ?そして、小学生の記憶が・・・
桐生「無い・・・」
??「何が無いんですか?」
桐生「小学生の時の記憶が諸共無いんだ。」
中学生以降はあるんだ。なんでだ、なんでなんだ・・・
??「私はあなたが小学生時代の時の知り合いです。」
桐生「だから覚えていないのか・・・」
??「名前を言えば、思い出すかも知れませんね。」
桐生「じゃあ、教えてくれるか・・・?」
??「・・・」
一つ呼吸を置いて、名前を言う。
結木「私の名前は[大文字][漢字]結木愛菜[/漢字][ふりがな]むすびきまな[/ふりがな][/大文字]です。」
桐生「・・・!!」
その瞬間、懐かしい時代の記憶が少し蘇った。












結木「桐生君!!」
桐生「ん?どうした?」
結木「私、桐生君の為に千羽鶴折ってきたの!」
ここは病院。この幼い時点で癌が発見した。
だが、発見したのがかなり早かった。
手術をしたら後遺症も残らないらしい。成功すればの話だが。
桐生「おお、1人で・・・?」
結木「うん。これが私の応援の証だよ!」
桐生「証・・・あ、合唱!」
結木「そうだよ、間に合うんだよね?」
桐生「ああ、大丈夫。小学生最後だもんな。」
結木「そうだよ。手術、頑張ってね!」
そう言い残し、少女は病室から出ていった。
桐生「愛菜・・・夏蓮・・・」
俺はまだ夏蓮が好きなままだ。でも、
愛菜・・・くっそ、決めれない。最低だ。
??「おい、大丈夫か?」
桐生「え、お前ぇ!」
??「なにビックリしてんだよ。」
桐生「いや、??が来ると思ってなかったんだ。」
そんな他愛無い雑談が続く。
??「あ、さっき愛菜とすれ違ったぞ。」
桐生「ああ、千羽鶴持ってきてくれたんだ。」
??「えぇ!めっちゃ好きじゃん!」
桐生「やめろ恥ずかしい!」
??「早く付き合えよぉ。」
桐生「いや、それは・・・」
??「・・・夏蓮か?」
桐生「!?」
バレていた。まあ、幼馴染だしな。
桐生「・・・俺には決められない。」
??「はぁ、モテ男は辛いね。」
桐生「は?」
??「お前のクラスにお前が好きな奴4人いるからな?」
桐生「ガチかよ・・・」
??「俺だって夏蓮を忘れてない。」
桐生「そりゃそうだ。」
??「だが俺が、無理にでも忘れようとしてる。」
桐生「え?」
??「もう二度と会えない人だからな。」
桐生「・・・」
??「お前、愛菜に告られたらOKするつもりだろ。」
桐生「うっ・・・」
??「そんな奴は、誰からも愛されないぞ。」
桐生「お前小6か?」
??「俺は精神年齢30だからな。」
桐生「ははっ・・・」
沈黙が続いた。
桐生「・・・ありがとう、[大文字][太字]義人[/太字][/大文字]。」
義人「いいよ、合唱コン頑張ろうぜ。」










桐生「・・・思い出した。」
結木「やっとですか・・・」
桐生「全部じゃないけど、はっきりと。」
結木「良かったです・・・」
桐生「愛菜・・・」
結木「その感じ、卒業式は思い出してないですね?」
桐生「卒業式・・・?」
結木「早く、そこを思い出して欲しいところですね。」
桐生「・・・すまんな。」
そうして、桐生が立ち上がる。
結木「どこへ?」
桐生「夏蓮を見て来る。」
結木「じゃあ、私は風呂の準備を・・・」
そうして、桐生は三階へ向かった。

作者メッセージ

どうも、久々ですね。すいません。
テストが立て込んでたもんで、更新が遅くなりました。
長めに書いたので、楽しんでください。

2025/11/10 19:51

戸部夏実 ID:≫ 6s/EWVZi48e6M
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