転生したら好きなゲームの主人公になったんだけど?!
「これがそのパズルよ」
見ると、針でできた橋が架かっている。いや流石に危険すぎじゃない…?
「でも…ここは手を繋いで渡りましょう」
フワフワの大きな手が差し伸ばされる。その手を、小さなニンゲンの手がギュッと掴んだ。
(温かい…)
感じたことがなかった誰かのぬくもり。じんわりと目の奥が熱くなる。
橋をわたり終えると、トリエルはニッコリと微笑んだ。
「あなたにパズルはまだ危険すぎるものね」
でも、その後彼女の表情が一瞬曇った。胸がざわつく。やめて。そんな顔見たくない!
「ママ…」
「え?あなた今、私を"ママ"って呼んだ…?」
「[小文字]あ、えっと…///[/小文字]」
思わず言ってしまったが、確かに今まで彼女のことを"ママ"と呼んだことはなかった。恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になる。
「まぁ…あなたは私を"ママ"って呼びたいの?」
「[小文字]あの、その…///[/小文字]」
「あなたがそうしたいなら…全然構わないわ。好きなように呼んでちょうだいね」
「[小文字]うん、ありがとう…///[/小文字]」
一瞬暗くなった彼女の表情が、今はお日さまのようにキラキラとしている。そのことが無性に嬉しかった。
次の部屋に進むと、長い長い一本道が続いていた。どこかトリエルの表情もまた固くなる。ここって確か…
「ここまではとても上手にできたわね。でも…次はすごく辛いお願いをしなければならないの」
もし自分が"UNDERTALE"を未プレイだったら、ここで緊張と不安が入り混じり、つばを飲み込んだだろう。だが既プレイの自分は、あまりの過保護さに少し呆れていた。まぁ、それほど自分を思ってくれていると考えるととても嬉しいのだが。さてさて、内容は…
「…この部屋の向こうの端まで、一人で歩いていくのよ。…どうか悪く思わないでちょうだいね」
そう言ってスタスタと速歩きで行ってしまう。静寂がその場を支配した。
「とりあえず行きますか…」
テクテクと歩いていく。今までトリエルと一緒にいた分、一人でいるときの虚しさが強くなる。
「…」
半分ほど進んだところでバッと振り返る。一瞬黄色い何かが見えた。花のような、シルエットと共に。
(はぁ…後をつけられるのは気分が良いものではないな…)
ようやく端までついた。柱が立っていたところで立ち止まると、その柱の裏からトリエルが出てくる。
「よくできました!安心してちょうだい。置いていったりしないわ。この柱の影に隠れてずっと見ていたのよ」
「…[小文字]ママなら、自分を置いていったりしないって信じてた[/小文字]」
「まぁ…私を信じてくれてありがとう。でもね、この練習にはとても大事な意味があったの。」
「え、どういうこと?」
いかにも子供らしい仕草で、コテッと首をかしげる。トリエルはフフッと笑ってくれた。
「一人でお留守番できるかテストしたのよ」
「お留守番…?」
と、不安そうに言ってはいるがいま胸の中はヒャッホーイ☆状態である。ついについに!一人で!冒険?!まぁボッチは寂しいけど…
「私はちょっと用事があるからお留守番していてね。ここで待っているのよ?」
「はいママ!!」
「ひとりで歩き回ると危ないですからね。こうしましょう!あなたに"ケータイ"を渡しておくわ」
「ありがとう!」
「用があるときはそれで電話するのよ?」
「うん!」
「それじゃお利口さんにしていてね」
そう言ってトリエルが去っていく。ご存じの通り、自分は良い子なんかじゃないので…!
「冒険だー!!!」
続く…
見ると、針でできた橋が架かっている。いや流石に危険すぎじゃない…?
「でも…ここは手を繋いで渡りましょう」
フワフワの大きな手が差し伸ばされる。その手を、小さなニンゲンの手がギュッと掴んだ。
(温かい…)
感じたことがなかった誰かのぬくもり。じんわりと目の奥が熱くなる。
橋をわたり終えると、トリエルはニッコリと微笑んだ。
「あなたにパズルはまだ危険すぎるものね」
でも、その後彼女の表情が一瞬曇った。胸がざわつく。やめて。そんな顔見たくない!
「ママ…」
「え?あなた今、私を"ママ"って呼んだ…?」
「[小文字]あ、えっと…///[/小文字]」
思わず言ってしまったが、確かに今まで彼女のことを"ママ"と呼んだことはなかった。恥ずかしさのあまり顔が真っ赤になる。
「まぁ…あなたは私を"ママ"って呼びたいの?」
「[小文字]あの、その…///[/小文字]」
「あなたがそうしたいなら…全然構わないわ。好きなように呼んでちょうだいね」
「[小文字]うん、ありがとう…///[/小文字]」
一瞬暗くなった彼女の表情が、今はお日さまのようにキラキラとしている。そのことが無性に嬉しかった。
次の部屋に進むと、長い長い一本道が続いていた。どこかトリエルの表情もまた固くなる。ここって確か…
「ここまではとても上手にできたわね。でも…次はすごく辛いお願いをしなければならないの」
もし自分が"UNDERTALE"を未プレイだったら、ここで緊張と不安が入り混じり、つばを飲み込んだだろう。だが既プレイの自分は、あまりの過保護さに少し呆れていた。まぁ、それほど自分を思ってくれていると考えるととても嬉しいのだが。さてさて、内容は…
「…この部屋の向こうの端まで、一人で歩いていくのよ。…どうか悪く思わないでちょうだいね」
そう言ってスタスタと速歩きで行ってしまう。静寂がその場を支配した。
「とりあえず行きますか…」
テクテクと歩いていく。今までトリエルと一緒にいた分、一人でいるときの虚しさが強くなる。
「…」
半分ほど進んだところでバッと振り返る。一瞬黄色い何かが見えた。花のような、シルエットと共に。
(はぁ…後をつけられるのは気分が良いものではないな…)
ようやく端までついた。柱が立っていたところで立ち止まると、その柱の裏からトリエルが出てくる。
「よくできました!安心してちょうだい。置いていったりしないわ。この柱の影に隠れてずっと見ていたのよ」
「…[小文字]ママなら、自分を置いていったりしないって信じてた[/小文字]」
「まぁ…私を信じてくれてありがとう。でもね、この練習にはとても大事な意味があったの。」
「え、どういうこと?」
いかにも子供らしい仕草で、コテッと首をかしげる。トリエルはフフッと笑ってくれた。
「一人でお留守番できるかテストしたのよ」
「お留守番…?」
と、不安そうに言ってはいるがいま胸の中はヒャッホーイ☆状態である。ついについに!一人で!冒険?!まぁボッチは寂しいけど…
「私はちょっと用事があるからお留守番していてね。ここで待っているのよ?」
「はいママ!!」
「ひとりで歩き回ると危ないですからね。こうしましょう!あなたに"ケータイ"を渡しておくわ」
「ありがとう!」
「用があるときはそれで電話するのよ?」
「うん!」
「それじゃお利口さんにしていてね」
そう言ってトリエルが去っていく。ご存じの通り、自分は良い子なんかじゃないので…!
「冒険だー!!!」
続く…
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