地味でおとなしめのモブキャラの私が、大好きなゲームの悪役令嬢に転生して双子のイケメン王子に愛される
〜朱莉の家〜
威阿やシヴァが家に来てから数分経ったが、威阿はまだ緊張しているようだった。
だが、この世界の建造物にはすでに慣れているようだ。
シヴァ「…さて、どこから話そうかな」
るんるんとしていたシヴァが口を開く。
さっきとは別人のように真剣な顔…
シヴァ「ニコニコ☺️」
なわけないな。
シヴァ「まずは、君のお母さんの話から始めるね!」
朱莉「あ、うん」
シヴァ「君のお母さんの一番最初の人生は、ある世界のリオネという薬屋。
不治の病を治すための薬の実験で死んだみたい。それを憐れんだ僕の兄上が
君のお母さんを転生させた」
朱莉「薬屋…。お母さんは何回転生しているの?」
シヴァ「うーん…五回…かな?」
五回!?五回も!?お母さんどれだけ神に魅入られてるの…。
シヴァ「…で、二回目の人生は、百合って名前の普通の社会人。
頼まれたことを断れない性格だったらしく、仕事のストレスで過労死。
21歳で亡くなったよ。可哀想だね。
そして、また兄上が転生させた。随分気に入ってるんだね、君のお母さんのこと」
威阿「良い人柄だったのだろうな」
シヴァ「…三回目の人生は、ある世界の貴族の娘、シルヴィア。
貴族ながらに国の政治に反対して、王の怒りを買ったみたい。
最期は堂々と処刑されて、22歳で亡くなった」
朱莉「………」
シヴァ「…四回目の人生は、アイドル…ララ。
天性の才能で16という若さでトップアイドルになった。
でも、それを恨んだ実の妹が刺殺。18歳で亡くなった」
どの人生も若くして亡くなっている…。
心のどこかで転生しているって気づいていて、もうこれで終わりって決めたのかしら。
きっと、この人生で普通に生きて、幸せを掴みたいって願ったのね。
シヴァ「それで五回目の人生で、朱莉のお母さんに転生したってわけ。
…転生する前に、少しだけ兄上と話したんだと思う。
もう転生させるのは終わりにしてくださいって。転生する前だけ記憶が戻るからね。
転生したら何もかも忘れるけど。…それで、兄上はその頼みを承諾した」
朱莉「なるほど…ありがとう。よくわかったわ。それで、ガイア様がここにいる理由は?
ガイア様がいるってことは、ルーク様もいるのよね」
シヴァ「もちろん!今はるくって名前だっけね。
あ、威阿たち双子は転生させたわけじゃないんだー!
一時的に…っていうのかな。時期に元の世界に戻れるよ。
この世界の記憶を忘れてね。そして、君たちはこの世界でのただの脇役だ。
ただ、朱莉のお母さんを助けて欲しいってだけ」
威阿「朱莉の母上を…?」
シヴァ「うん。僕、こう見えて慈悲深くてさ。
あの人にはちゃんと最後まで人生を歩んで欲しいんだ!これが兄上の願いでもある!
残念ながら、僕や兄上の力では人の運命を変えることはできなかったし」
威阿「…わかった。引き受けよう」
私は半分諦めていたけど…まだお母さんが助かる道はあるのね。
でも、お母さん自身はどうなのかしら…。
シヴァ「そうだね。確かに、朱莉のお母さんの気持ちはどうなるんだってなるよね。
だけど…本心はそうじゃない。君の未来の姿を見たいと思ってる。
その気持ちを押し隠して、君に無理をさせないようにしているんだよ」
朱莉「そんな…。私のせい…?」
シヴァ「ううん、そうじゃない。元々それが運命だったんだよ。
可哀想なことにね。朱莉のお母さんには、僕から話しておくよ。
だから、朱莉が大人になるまでゲームの世界には行かせない。
あ、あっちでの時間は転生した直後とほとんど変わらないから安心して。
…それで、朱莉…君にもお願いがある」
朱莉「私に…?」
シヴァ「あの乙女ゲーム、もうすぐ追加コンテンツが発売されるんだよね」
つっ…つつつつ、追加コンテンツぅ!?
シヴァ「追加コンテンツって言っても、ほとんど違うゲームだけど…。
“魔法“が追加されるんだ」
朱莉「魔法?乙女ゲームに何の関係が?」
シヴァ「その方が面白みがあるからじゃない?ゲームの作者も、魔法系が好きな人だし」
朱莉「なるほどね…」
というか、せっかくこの世界に戻れたのなら、あのゲームの最後を見たい…。
だけど、知らない方が面白そうね…!((乙女ゲーマー
朱莉「それで?お願いっていうのは?」
シヴァ「二人目のヒロインが現れるんだ。ローズの方は大丈夫そうだけど、
そのヒロイン、かなり手強そうでさ。
君にはゲームの“シナリオ“をぐにゃっぐにゃにして欲しい」
朱莉「…それに何の意味があるのか、聞いてもいい?」
シヴァ「うん、いいよ。必要なことだしね。
…実はあのゲームに、神に無理やり自分を転生させた輩がいてさ。
そいつを見つけ出して、排除して欲しいんだ。
異例にも、“シナリオ“はその“バグ“を敵視していない。
そもそも“シナリオ“に存在すら認知されていないみたいだからね」
転生を無理やり…?神を打ち負かすほどの力の持ち主ということ…?
朱莉「シヴァには無理なの?」
シヴァ「特殊なんだよ。僕じゃあの世界には干渉できない…。
でも、朱莉ならあの世界の“バグ“を排除できると思うんだ!僕、人を見る目はあるからさっ!」
朱莉「…でも、私は“シナリオ“に敵視されている。
は私の脳を直接攻撃してきている。
死んでもまた転生させられるとして、私に攻撃を防げるような力はないわ」
シヴァ「そうだね。でもさ、その世界が“魔法“が使える世界だとしたら…?」
朱莉「…!!」
魔法で脳への攻撃を防ぐことができれば、“シナリオ“の力に拒まれずに行動できる…!
シヴァ「“シナリオ“が順調に進めば、朱莉は悪役令嬢として破滅するでしょ?
ヒロインは朱莉の破滅を導く人物だから…潰しておいた方がいい」
朱莉「なるほど…!それで、私にヒロインを[漢字]舞台[/漢字][ふりがな]ステージ[/ふりがな]から蹴落とせというわけね」
シヴァ「まぁ、そんなところかな」
朱莉「面白くなってきた…!」
これはゲーマーの血が騒ぐわ…!
それに、魔法が使える世界…やりがいがありそうだわ!
シヴァ「いい顔をしているね。やっぱり、朱莉に任せてよかった」
朱莉「当たり前!追加コンテンツも楽しみ!」
シヴァ「…じゃ、僕はもう行くね。威阿、留久にも説明頼んだよ。
…君たちに神の祝福が在らんことを。健闘を祈る」
フッ…。
音も立てず、シヴァは消えた。
なんだか、不思議な時間を過ごした気分。
悲しい時間でもあり、楽しい時間でもあった。
朱莉「…もっと悪役令嬢として成り上がらないといけない」
そのためには、この世界でしっかりとした大人になる必要がある。
乙女ゲーマー朱莉と悪役令嬢マローナの攻略劇…。
我ながら、誇らしい筋書き。
ニッと口角をあげ、拳を天井に突き上げる。
朱莉「絶対にやり遂げて見せますわ!!!」
威阿「今は夜だぞ朱莉!近所迷惑だ!」
朱莉「ハッ…ごめん!!!」
威阿「だから夜!」
私の人生…まだまだ面白くなってきそうですわ…!!
威阿やシヴァが家に来てから数分経ったが、威阿はまだ緊張しているようだった。
だが、この世界の建造物にはすでに慣れているようだ。
シヴァ「…さて、どこから話そうかな」
るんるんとしていたシヴァが口を開く。
さっきとは別人のように真剣な顔…
シヴァ「ニコニコ☺️」
なわけないな。
シヴァ「まずは、君のお母さんの話から始めるね!」
朱莉「あ、うん」
シヴァ「君のお母さんの一番最初の人生は、ある世界のリオネという薬屋。
不治の病を治すための薬の実験で死んだみたい。それを憐れんだ僕の兄上が
君のお母さんを転生させた」
朱莉「薬屋…。お母さんは何回転生しているの?」
シヴァ「うーん…五回…かな?」
五回!?五回も!?お母さんどれだけ神に魅入られてるの…。
シヴァ「…で、二回目の人生は、百合って名前の普通の社会人。
頼まれたことを断れない性格だったらしく、仕事のストレスで過労死。
21歳で亡くなったよ。可哀想だね。
そして、また兄上が転生させた。随分気に入ってるんだね、君のお母さんのこと」
威阿「良い人柄だったのだろうな」
シヴァ「…三回目の人生は、ある世界の貴族の娘、シルヴィア。
貴族ながらに国の政治に反対して、王の怒りを買ったみたい。
最期は堂々と処刑されて、22歳で亡くなった」
朱莉「………」
シヴァ「…四回目の人生は、アイドル…ララ。
天性の才能で16という若さでトップアイドルになった。
でも、それを恨んだ実の妹が刺殺。18歳で亡くなった」
どの人生も若くして亡くなっている…。
心のどこかで転生しているって気づいていて、もうこれで終わりって決めたのかしら。
きっと、この人生で普通に生きて、幸せを掴みたいって願ったのね。
シヴァ「それで五回目の人生で、朱莉のお母さんに転生したってわけ。
…転生する前に、少しだけ兄上と話したんだと思う。
もう転生させるのは終わりにしてくださいって。転生する前だけ記憶が戻るからね。
転生したら何もかも忘れるけど。…それで、兄上はその頼みを承諾した」
朱莉「なるほど…ありがとう。よくわかったわ。それで、ガイア様がここにいる理由は?
ガイア様がいるってことは、ルーク様もいるのよね」
シヴァ「もちろん!今はるくって名前だっけね。
あ、威阿たち双子は転生させたわけじゃないんだー!
一時的に…っていうのかな。時期に元の世界に戻れるよ。
この世界の記憶を忘れてね。そして、君たちはこの世界でのただの脇役だ。
ただ、朱莉のお母さんを助けて欲しいってだけ」
威阿「朱莉の母上を…?」
シヴァ「うん。僕、こう見えて慈悲深くてさ。
あの人にはちゃんと最後まで人生を歩んで欲しいんだ!これが兄上の願いでもある!
残念ながら、僕や兄上の力では人の運命を変えることはできなかったし」
威阿「…わかった。引き受けよう」
私は半分諦めていたけど…まだお母さんが助かる道はあるのね。
でも、お母さん自身はどうなのかしら…。
シヴァ「そうだね。確かに、朱莉のお母さんの気持ちはどうなるんだってなるよね。
だけど…本心はそうじゃない。君の未来の姿を見たいと思ってる。
その気持ちを押し隠して、君に無理をさせないようにしているんだよ」
朱莉「そんな…。私のせい…?」
シヴァ「ううん、そうじゃない。元々それが運命だったんだよ。
可哀想なことにね。朱莉のお母さんには、僕から話しておくよ。
だから、朱莉が大人になるまでゲームの世界には行かせない。
あ、あっちでの時間は転生した直後とほとんど変わらないから安心して。
…それで、朱莉…君にもお願いがある」
朱莉「私に…?」
シヴァ「あの乙女ゲーム、もうすぐ追加コンテンツが発売されるんだよね」
つっ…つつつつ、追加コンテンツぅ!?
シヴァ「追加コンテンツって言っても、ほとんど違うゲームだけど…。
“魔法“が追加されるんだ」
朱莉「魔法?乙女ゲームに何の関係が?」
シヴァ「その方が面白みがあるからじゃない?ゲームの作者も、魔法系が好きな人だし」
朱莉「なるほどね…」
というか、せっかくこの世界に戻れたのなら、あのゲームの最後を見たい…。
だけど、知らない方が面白そうね…!((乙女ゲーマー
朱莉「それで?お願いっていうのは?」
シヴァ「二人目のヒロインが現れるんだ。ローズの方は大丈夫そうだけど、
そのヒロイン、かなり手強そうでさ。
君にはゲームの“シナリオ“をぐにゃっぐにゃにして欲しい」
朱莉「…それに何の意味があるのか、聞いてもいい?」
シヴァ「うん、いいよ。必要なことだしね。
…実はあのゲームに、神に無理やり自分を転生させた輩がいてさ。
そいつを見つけ出して、排除して欲しいんだ。
異例にも、“シナリオ“はその“バグ“を敵視していない。
そもそも“シナリオ“に存在すら認知されていないみたいだからね」
転生を無理やり…?神を打ち負かすほどの力の持ち主ということ…?
朱莉「シヴァには無理なの?」
シヴァ「特殊なんだよ。僕じゃあの世界には干渉できない…。
でも、朱莉ならあの世界の“バグ“を排除できると思うんだ!僕、人を見る目はあるからさっ!」
朱莉「…でも、私は“シナリオ“に敵視されている。
は私の脳を直接攻撃してきている。
死んでもまた転生させられるとして、私に攻撃を防げるような力はないわ」
シヴァ「そうだね。でもさ、その世界が“魔法“が使える世界だとしたら…?」
朱莉「…!!」
魔法で脳への攻撃を防ぐことができれば、“シナリオ“の力に拒まれずに行動できる…!
シヴァ「“シナリオ“が順調に進めば、朱莉は悪役令嬢として破滅するでしょ?
ヒロインは朱莉の破滅を導く人物だから…潰しておいた方がいい」
朱莉「なるほど…!それで、私にヒロインを[漢字]舞台[/漢字][ふりがな]ステージ[/ふりがな]から蹴落とせというわけね」
シヴァ「まぁ、そんなところかな」
朱莉「面白くなってきた…!」
これはゲーマーの血が騒ぐわ…!
それに、魔法が使える世界…やりがいがありそうだわ!
シヴァ「いい顔をしているね。やっぱり、朱莉に任せてよかった」
朱莉「当たり前!追加コンテンツも楽しみ!」
シヴァ「…じゃ、僕はもう行くね。威阿、留久にも説明頼んだよ。
…君たちに神の祝福が在らんことを。健闘を祈る」
フッ…。
音も立てず、シヴァは消えた。
なんだか、不思議な時間を過ごした気分。
悲しい時間でもあり、楽しい時間でもあった。
朱莉「…もっと悪役令嬢として成り上がらないといけない」
そのためには、この世界でしっかりとした大人になる必要がある。
乙女ゲーマー朱莉と悪役令嬢マローナの攻略劇…。
我ながら、誇らしい筋書き。
ニッと口角をあげ、拳を天井に突き上げる。
朱莉「絶対にやり遂げて見せますわ!!!」
威阿「今は夜だぞ朱莉!近所迷惑だ!」
朱莉「ハッ…ごめん!!!」
威阿「だから夜!」
私の人生…まだまだ面白くなってきそうですわ…!!