私がホッとひと息をつき、別荘へ帰ろうとした時……。

マローナ「ぐっ！？」

急に頭に激痛が走り、私はそこに倒れた。

マローナ「ん…？」

私は朦朧としながら、ハッと意識を戻した。

見覚えのある景色。ガイア様のベットの上だ。

マローナ「ここは、別荘！？」

どうやってここに来たのかわからず、びっくりして体を起こした。

ズキズキズキッ

マローナ「い"っ…！」

ガイア「マローナ？目を覚ましたのか！」

涙ぐみながら、私の手を握るガイア。

私は引き気味で苦笑いした。

少しガイアの性格？が変わっているように思えたからだ。

前まではクール系だったのに
やけになんか…感情を表に出してるっていうか？

勘違いかな、と思いつつ、

マローナ「ガイア様が私をここに運んできてくださったのですか？」

ガイア「……いや」

ガイアが急に落ち着いた顔で言った。

さっきとキャラ変わりすぎだろ！！！

とツッコミたかったが、今はそれどころじゃない。

私は、あの時急に痛みに襲われて…意識を失った。　

理由はまぁ勘づいてはいる。

私が、本来のストーリーを捻じ曲げようとしたからだろう。

私という存在が邪魔だと思った何かが私をマローナごと消そうとしたのだろう。

ならば邪魔な私をまた狙う可能性が高い。

周囲の人を巻き込まないようにしたいけれど……。

私、もう一度死にたくないわ…。

マローナだって死なせたくない。

私は無力だけど…、王子達からなら何か情報を得られるかもしれない。

でも、うまく伝えられる自信がない。

素直に言って見える未来は……。

ルーク「何を言っているんだいマローナ？」

ガイア「……？」

しか見えてこない。

ああもう、どうすればいいの！？

マローナ「ぐっぅぅ、」

またあの頭痛が倍になって襲ってきた。

私は「あぁァァァっ！」と叫びながら、戻った意識をまた失った。

ガイア「マローナ！！」

私を揺さぶりながら叫ぶガイアを、横目に見ながら…。

朱莉「う、ん…」

私はまたもや目を覚ました。

さっきまでの頭痛を忘れたかのように顔を洗いに洗面所へ行き、鏡を見ると…。

え！？ぜ、前世の時の、[漢字]私[/漢字][ふりがな]朱莉[/ふりがな]！？

私は驚愕した。

な、なんで！？私は、私は、あそこに…！！別荘にいたのにっ！

すると、聞き馴染みのある声が聞こえた。

母「朱莉〜！ご飯よ〜！」

いかにも母が言いそうなセリフ。

だが、私が転生した時にはもう母は交通事故で亡くなっている。

過去に戻ったのかと私は一瞬思ったが、それはないだろう。

そう思い、私は返事をしてリビングに向かった。