眠り姫殺人事件
事件発生から、3日が経った。
上野康介は、とある人物の元へ向かう。
手には、今は亡き津田日向のガウンがある。
イヤホンでnovelrightの新曲「桜の音」を片耳に、小鳥の[漢字]囀[/漢字][ふりがな]さえず[/ふりがな]りをもう片方の耳で受け止める。
上野(1ヶ月ぶりか・・・あの[大文字]小説家[/大文字]の元へ向かうのは・・・)
上野の家は堺市にある閑静な住宅街のうちの一つ。
そこから歩きで30分ほどの位置に、とある小説家の家がある。
周りには木がたくさんあり、堺市の中でも多めの量の木が生い茂っている。
周りは家だらけなのに、何故あそこだけ自然豊かなのか・・・
そして、その家の前についた。
時刻は午前10時30分。寒さに震える手でインターホンを押す。
音が鳴って5秒後、扉からその小説家がでてきた。
その男の名は、[大文字]戸部夏実(偽名)[/大文字]。上野康介の幼馴染であり、駆け出しの小説家だ。
戸部「久しぶりだな。1週間ぶりか。」
上野「そうだね。あの夜食以来だね。」
戸部の家は一階が吹き抜けになっているにも関わらず、家の中が暖かい。
戸部「それで、例の件は?」
上野「ああ、清水さんと見たよ。そして、僕なりに考えてきた。」
戸部「よし、それじゃあ、教えてくれ。」
上野は、手紙に書いてあった通りに言葉を放った。
[今事の計画、ここに記す。今回のターゲットは、ドラマ撮影のメンバー。]
[万が一のため、ガウンには包丁を忍ばす。計画がばれた場合、]
[ばれた時点の残りのメンバーは刺殺に変更。ただし、]
[残りのメンバーに上野康介が含まれていた場合、自ら命を断つ。]
[1、タリウム入りのお菓子を入り口のお菓子コーナーの所に設置。]
[前日にみんなが好きなものを調査し、そのお菓子を選び、買う。]
[2、3階の男女トイレの手洗い場の蛇口に、タリウム入りクリームを塗る。]
[水に触れた場合、水に溶け込むように設計。]
[3、スタジオのコップにタリウムを溶かした液体をつける。なお、]
[コップの色は銀色のコップ。]
[4、事前に変声機で録音した美奈川の声を使って台詞を録音。]
[3階の階段の扉の内側の持ち手のところにミニスピーカーを設置。]
[なお、編成機とは別に、スマホ操作用の機械を設置。]
[ボタンを押せば、鍵が閉まる仕様になっている。]
[途中、エレベーターのボタンに薄いガラスを貼り付ける。]
[状況的に焦っているはずなので、ボタンを押しても反応しないと思い込む(はず)。]
[5、ビルの回線を全切断。2階から3階に移動する時、回線コードを切る。]
[この計画を実行するか、まだ迷っている。でも、数時間後に何が起きてるかは、]
[今の自分にはまだ分からない。]
[幸せな今を優先するか、憎たらしい過去を優先するか・・・]
上野「これが、手紙に書いてあった内容だ。」
戸部「ふぅん・・・。」
戸部はコップを机に置き、天井に目を向けた。
戸部「お前が残ってたら自殺するって、どういう事だ?」
上野「多分、僕を直接殺すことは、津田には出来なかったんだろう。」
「たまたまハズレを選んだっていう方が、津田にとっては楽な道だったんじゃないかって・・。」
戸部「なるほど・・・」
上野「あと、あの場所を選んだ理由なんだが・・・」
「あそこにビルが立つ前、元々[大文字]児童養護施設[/大文字]があったらしい。」
戸部「児童養護施設?」
上野「ああ。そこの名前は【[漢字]堺織際養護施設[/漢字][ふりがな]さかいおりきわようごしせつ[/ふりがな]】って言って、元々津田がいた場所なんだ。」
戸部「それ、なんか聞いたことあるな。確か、去年に無くなったんだろう?」
上野「そう。施設長が亡くなって、潰れたらしい。そして、今のビルがある。」
戸部「だからそこで犯行に及んだのか・・・・」
戸部は少し考え、こう言い放った。
戸部「まあ、多くの死者が出た胸糞悪い事件だが、いいネタになりそうだ。」
上野「お前ストック何個かあるだろ?」
戸部「全部書いても無くなっちゃうだろ〜?溜めとくんだよ。」
そう言って、手元にあるタバコの箱を開ける。
上野「お前まだ吸ってたのか。」
戸部「去年ずっと禁煙してたけど、耐えれんかったわ。」
そう言って、タバコに火をつけ、口に咥える。
戸部「そうだ、刑事来たんなら、あいつに会ったか?」
上野「いや、いなかったよ。」
戸部「ったく・・・何してんだよあいつ・・・」
上野「まあまあ、終わった事なんだし・・・・」
家の中には、タバコの煙の匂いと、戸部家特有の線香の匂いがした。
この匂いも、いつまで嗅げるのか・・・・上野は一瞬、そう思った。
上野康介は、とある人物の元へ向かう。
手には、今は亡き津田日向のガウンがある。
イヤホンでnovelrightの新曲「桜の音」を片耳に、小鳥の[漢字]囀[/漢字][ふりがな]さえず[/ふりがな]りをもう片方の耳で受け止める。
上野(1ヶ月ぶりか・・・あの[大文字]小説家[/大文字]の元へ向かうのは・・・)
上野の家は堺市にある閑静な住宅街のうちの一つ。
そこから歩きで30分ほどの位置に、とある小説家の家がある。
周りには木がたくさんあり、堺市の中でも多めの量の木が生い茂っている。
周りは家だらけなのに、何故あそこだけ自然豊かなのか・・・
そして、その家の前についた。
時刻は午前10時30分。寒さに震える手でインターホンを押す。
音が鳴って5秒後、扉からその小説家がでてきた。
その男の名は、[大文字]戸部夏実(偽名)[/大文字]。上野康介の幼馴染であり、駆け出しの小説家だ。
戸部「久しぶりだな。1週間ぶりか。」
上野「そうだね。あの夜食以来だね。」
戸部の家は一階が吹き抜けになっているにも関わらず、家の中が暖かい。
戸部「それで、例の件は?」
上野「ああ、清水さんと見たよ。そして、僕なりに考えてきた。」
戸部「よし、それじゃあ、教えてくれ。」
上野は、手紙に書いてあった通りに言葉を放った。
[今事の計画、ここに記す。今回のターゲットは、ドラマ撮影のメンバー。]
[万が一のため、ガウンには包丁を忍ばす。計画がばれた場合、]
[ばれた時点の残りのメンバーは刺殺に変更。ただし、]
[残りのメンバーに上野康介が含まれていた場合、自ら命を断つ。]
[1、タリウム入りのお菓子を入り口のお菓子コーナーの所に設置。]
[前日にみんなが好きなものを調査し、そのお菓子を選び、買う。]
[2、3階の男女トイレの手洗い場の蛇口に、タリウム入りクリームを塗る。]
[水に触れた場合、水に溶け込むように設計。]
[3、スタジオのコップにタリウムを溶かした液体をつける。なお、]
[コップの色は銀色のコップ。]
[4、事前に変声機で録音した美奈川の声を使って台詞を録音。]
[3階の階段の扉の内側の持ち手のところにミニスピーカーを設置。]
[なお、編成機とは別に、スマホ操作用の機械を設置。]
[ボタンを押せば、鍵が閉まる仕様になっている。]
[途中、エレベーターのボタンに薄いガラスを貼り付ける。]
[状況的に焦っているはずなので、ボタンを押しても反応しないと思い込む(はず)。]
[5、ビルの回線を全切断。2階から3階に移動する時、回線コードを切る。]
[この計画を実行するか、まだ迷っている。でも、数時間後に何が起きてるかは、]
[今の自分にはまだ分からない。]
[幸せな今を優先するか、憎たらしい過去を優先するか・・・]
上野「これが、手紙に書いてあった内容だ。」
戸部「ふぅん・・・。」
戸部はコップを机に置き、天井に目を向けた。
戸部「お前が残ってたら自殺するって、どういう事だ?」
上野「多分、僕を直接殺すことは、津田には出来なかったんだろう。」
「たまたまハズレを選んだっていう方が、津田にとっては楽な道だったんじゃないかって・・。」
戸部「なるほど・・・」
上野「あと、あの場所を選んだ理由なんだが・・・」
「あそこにビルが立つ前、元々[大文字]児童養護施設[/大文字]があったらしい。」
戸部「児童養護施設?」
上野「ああ。そこの名前は【[漢字]堺織際養護施設[/漢字][ふりがな]さかいおりきわようごしせつ[/ふりがな]】って言って、元々津田がいた場所なんだ。」
戸部「それ、なんか聞いたことあるな。確か、去年に無くなったんだろう?」
上野「そう。施設長が亡くなって、潰れたらしい。そして、今のビルがある。」
戸部「だからそこで犯行に及んだのか・・・・」
戸部は少し考え、こう言い放った。
戸部「まあ、多くの死者が出た胸糞悪い事件だが、いいネタになりそうだ。」
上野「お前ストック何個かあるだろ?」
戸部「全部書いても無くなっちゃうだろ〜?溜めとくんだよ。」
そう言って、手元にあるタバコの箱を開ける。
上野「お前まだ吸ってたのか。」
戸部「去年ずっと禁煙してたけど、耐えれんかったわ。」
そう言って、タバコに火をつけ、口に咥える。
戸部「そうだ、刑事来たんなら、あいつに会ったか?」
上野「いや、いなかったよ。」
戸部「ったく・・・何してんだよあいつ・・・」
上野「まあまあ、終わった事なんだし・・・・」
家の中には、タバコの煙の匂いと、戸部家特有の線香の匂いがした。
この匂いも、いつまで嗅げるのか・・・・上野は一瞬、そう思った。
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