眠っていていつの間にか体育祭の話し合いが終わっていた。
結真は欠伸をしながら窓の外＿＿＿＿＿校門を見下ろした。結真たち2年生の教室がある棟はちょうど窓から校門が見える位置で、結真は窓側の席だ。
快適に寝れる最高な場所だ。
結真は校門の近くでいくつかの人影を見つける。
『あれって･･････』
人影の内、一つは見覚えがある。確か隣のクラスの[漢字]一ノ瀬楓[/漢字][ふりがな]いちのせかえで[/ふりがな]だった筈。つい最近、宿題を見せてもらった。あとの人影は見覚えがあるっちゃある、気がする。隣町の高校の不良だ。この前結真がボコボコにした奴らな気がする。
何やら話しているようだ。
あんな普通の女子が不良と関わりあるのか。
そう思いながら結真はそれを見つめていた。

＿＿＿＿一方、楓の方では。
楓「あの、困ります･･･私は八神さんとは関わりがありません･･･！」
「嘘つけ！俺んとこの奴がお前とあの女が一緒にいるのを見てんだよ‼」
こうなったのはついさっきの事だ。
急に呼び出されて来てみれば、”八神結真を出せ”と言ってくる。
確かに楓はこの前、頼まれて結真に数学の宿題を見せたがそこから特に接点はない。あんな学校の人気者と話せただけでも奇跡としかいえないのに。
楓「あの、まだ授業があるので早く帰ってくださいっ！」
楓が心を奮わせてそう叫ぶ。すると、不良は怒ったのか楓に向かって拳を振り落とそうとした。恐怖で目を強く閉じる。
だが、想像していた衝撃と痛みは来なかった。恐る恐る目を開く。
楓「･････････八神、さん？」
『危なかったねー楓ちゃん。ごめんねー私のせいで』
結真だ。結真は不良の拳を握りしめていた。
「自分から出てきやがったぜ！この女！」
「今度は数が多いからお前をぶちのめしてやる！」
『････････････学ランにボンタン、リーゼントっていつの時代の不良だよ、今令和だぞ？』
楓「(絶対ツッコミどころ違うから！)」
心底不思議そうに言った結真に心の中でツッコむ楓。
すると、結真に言われたことが見事なまでに刺さったのか、不良たちは結真に殴りかかろうとした。
そんな不良たちを見て結真は不敵な笑みを浮かべながら、
『殴るしか脳がないなんて、ただの単細胞と一緒だね』