二次創作
めろんぱーかーは無理難題を背負いながらも、立ち上がりたい。
side 海斗
「え、また新しい子くるの!?」
それは、週に1回の検査帰りに、なろっちの病室に寄っていた時の出来事だった。
突然ラメリィさんがなろっちの部屋に訪ねてきて、何事かと思えばまた新しい患者が増えるとの報告だった。
「うん。それも、また君たちと年が近い子だよ。確かかもめくんと同い年だったような気がするなあ。」
兄弟と同い年.....って事は、俺らよりも1つ上って事か。
.........かもめん以外の年上と、仲良くなれる気がしないんだが.....
するとまた、ラメリィさんは口を開いた。
「その子、結構大人びてる子だからすっごく驚くと思う。」
一度ラメリィさんの中学1年生の写真を拝見した事があるが、とてもじゃないが中学生には見えなかった。そんなラメリィさんの言う「大人びてる子」だ。相当なんだろうなあと、自分の中で勝手に想像を膨らませた。
「いつ頃この病院に来るとかは決まってるの?」
興味津々ななろっちが、そう訊いた。
「ああ、今『北棟』に居るよ。」
........北棟?聞いた事がないな。
「北棟...ってなーに?」
なろっちも聞いた事がなかったのか、ラメリィさんにそう言った。
「あれ、知らなかったかな。北棟は、入院開始から一週間だけ居座れる病棟だよ、かなりレア。」
確かに、聞いた事がないは語弊があったかもしれない。
正確には、目にしたことも誰かが北棟について話していることを聞いた事がないという事だ。
.........じゃあ、そらくんも一週間は北棟に居たのか?
ラメリィさんはエスパーなのか、俺の心の中での疑問にそそくさと答えた。
「あ、氷空ちゃんは別ね。体の中での病気..海斗くんの心筋症や、なろくんの白血病みたいな病気の場合は北棟での療養が可能だけど、体の外...まあ氷空ちゃんがわかりやすいかな。下半身不随状態とかっていう、いわゆる体の外での病気を患っている患者さんは、北棟での一時入院はできない仕組みになっているんだ。あ、のっきさんみたいな精神病は北棟と同じく、入院開始から一週間だけ『南棟』ってとこでの療養が可能だよ。」
ああ、なるほどな。
つまり、俺らも一度は北棟には居たんだな......全く覚えてないけど。
全く耳にしなかったみみより情報を手に入れられて、俺は少し誇らしげになっていた。いつかかもめんやそらちゃんに話してやろう。
「んー....よくわかんないけど、とりあえずその子は今その北棟ってとこにいるんだよね!?」
........ラメリィさん、だいぶわかりやすく話してくれたと思うけど....
なろっち、1回院内学級の国語科の授業受けるべきだと思う、うん。
「うん。行きたかったら氷空ちゃんも誘いなね。」
そのラメリィさんの言葉に、俺は違和感を覚えてた。
あれ、かもめんは......?
嫌な予感しかせず、俺は思い切って聞いてみた。
「あの、かもめんは......?」
すると俺の予感は的中したのか、ラメリィさんは少し視線を下げて俺らにこう言った。
「......かもめくん、病室に戻った後、疲れちゃったのかわかんないんだけど..発熱しちゃったんだよね。今は多分落ち着いてるけど...またしばらくは、会えないかも。」
.........はあ、嘘だろ。
「ぼ、僕が、かもめんを無理やり.......」
「っ、それは違うだろ...!」
なろっちが急に自分を攻め始めて、俺は突発的にそんな事を自然と口にしていた。
「かもめんだって、久しぶりに外で騒げて楽しかったと思うけどな.....実際俺もなろっちもそらくんも、合致できて楽しかっただろ。」
俺はそう言って、なろっちの背中を軽くさすった。
「.......どうする?かもめくんが復活するまでやめとく?」
ラメリィさんは、少し遠慮気味にそう言った。
......今日は、やめておいた方がいいかもな。なろっちもこんなんだし、何よりかもめんが居ないし....
そらくんはわからないけど、今頃必死にリハビリをしている最中だから邪魔するのも少し気分は良くない。のっきたんは言わずもがな、どこかの個室で精神を落ち着かせているのだろうから、それこそもっと邪魔しがたい。
今日はやめとく、そう言おうとしたとき__
「ラメリィ先生、翔くんがお呼びです。」
病室の外から、そんな声がした。
聞き覚えのある、そらくんのリハビリに付き添っていた看護師の声だった。
..........翔...誰だろうか。
____そして突然、背中に虫唾が走った。
ま、さか.........
そしてその"翔"と呼ばれたやつは、ラメリィさんによって開かれたドアにより姿があらわになった。
.........こいつか?"新しい子"って...
あのラメリィさん絶賛のやつだ。
それ相応の見た目をしているのだろうと、俺となろっちは静かに期待を寄せていた。
_____だがしかし、彼はその予想を遥かに超える容姿を持っていた。
「お、こりゃ丁度いいな.....翔くんに君たち2人紹介してもいいかな?」
ラメリィさんはそう言った。
俺は一瞬答えに戸惑ったが、なろっちはすぐにうんと頷いた。そして俺も、顔の横でグッドサインを作る。
ラメリィさんはにこりと笑い、翔と呼ばれたやつを俺らの目の前まで連れてきた。
「翔くん初対面だね。こちらは、翔くんと年の近いなろくんと海斗くん。」
そして俺となろっちは、呆然としてしまった。
........こ、高校生じゃないのかこいつ.....!?
スラリと高い身長に、整った容姿。おまけにスタイル抜群で、非の打ち所がない。
「.........よ、よろしくね....!!」
なろっちもさすがに初対面でここまで大人なやつとの面識がなかったから、少し引き気味にそう言った。
そして俺はなろっちを盾にして、軽く会釈をした。
「うん、よろしくね。」
そいつも俺と同じく軽く会釈をし、ふわっと微笑んだ。
なんだこいつ、王子様笑顔すぎるだろ。
そしてその後も、嵐は吹き続けた。
「え、また新しい子くるの!?」
それは、週に1回の検査帰りに、なろっちの病室に寄っていた時の出来事だった。
突然ラメリィさんがなろっちの部屋に訪ねてきて、何事かと思えばまた新しい患者が増えるとの報告だった。
「うん。それも、また君たちと年が近い子だよ。確かかもめくんと同い年だったような気がするなあ。」
兄弟と同い年.....って事は、俺らよりも1つ上って事か。
.........かもめん以外の年上と、仲良くなれる気がしないんだが.....
するとまた、ラメリィさんは口を開いた。
「その子、結構大人びてる子だからすっごく驚くと思う。」
一度ラメリィさんの中学1年生の写真を拝見した事があるが、とてもじゃないが中学生には見えなかった。そんなラメリィさんの言う「大人びてる子」だ。相当なんだろうなあと、自分の中で勝手に想像を膨らませた。
「いつ頃この病院に来るとかは決まってるの?」
興味津々ななろっちが、そう訊いた。
「ああ、今『北棟』に居るよ。」
........北棟?聞いた事がないな。
「北棟...ってなーに?」
なろっちも聞いた事がなかったのか、ラメリィさんにそう言った。
「あれ、知らなかったかな。北棟は、入院開始から一週間だけ居座れる病棟だよ、かなりレア。」
確かに、聞いた事がないは語弊があったかもしれない。
正確には、目にしたことも誰かが北棟について話していることを聞いた事がないという事だ。
.........じゃあ、そらくんも一週間は北棟に居たのか?
ラメリィさんはエスパーなのか、俺の心の中での疑問にそそくさと答えた。
「あ、氷空ちゃんは別ね。体の中での病気..海斗くんの心筋症や、なろくんの白血病みたいな病気の場合は北棟での療養が可能だけど、体の外...まあ氷空ちゃんがわかりやすいかな。下半身不随状態とかっていう、いわゆる体の外での病気を患っている患者さんは、北棟での一時入院はできない仕組みになっているんだ。あ、のっきさんみたいな精神病は北棟と同じく、入院開始から一週間だけ『南棟』ってとこでの療養が可能だよ。」
ああ、なるほどな。
つまり、俺らも一度は北棟には居たんだな......全く覚えてないけど。
全く耳にしなかったみみより情報を手に入れられて、俺は少し誇らしげになっていた。いつかかもめんやそらちゃんに話してやろう。
「んー....よくわかんないけど、とりあえずその子は今その北棟ってとこにいるんだよね!?」
........ラメリィさん、だいぶわかりやすく話してくれたと思うけど....
なろっち、1回院内学級の国語科の授業受けるべきだと思う、うん。
「うん。行きたかったら氷空ちゃんも誘いなね。」
そのラメリィさんの言葉に、俺は違和感を覚えてた。
あれ、かもめんは......?
嫌な予感しかせず、俺は思い切って聞いてみた。
「あの、かもめんは......?」
すると俺の予感は的中したのか、ラメリィさんは少し視線を下げて俺らにこう言った。
「......かもめくん、病室に戻った後、疲れちゃったのかわかんないんだけど..発熱しちゃったんだよね。今は多分落ち着いてるけど...またしばらくは、会えないかも。」
.........はあ、嘘だろ。
「ぼ、僕が、かもめんを無理やり.......」
「っ、それは違うだろ...!」
なろっちが急に自分を攻め始めて、俺は突発的にそんな事を自然と口にしていた。
「かもめんだって、久しぶりに外で騒げて楽しかったと思うけどな.....実際俺もなろっちもそらくんも、合致できて楽しかっただろ。」
俺はそう言って、なろっちの背中を軽くさすった。
「.......どうする?かもめくんが復活するまでやめとく?」
ラメリィさんは、少し遠慮気味にそう言った。
......今日は、やめておいた方がいいかもな。なろっちもこんなんだし、何よりかもめんが居ないし....
そらくんはわからないけど、今頃必死にリハビリをしている最中だから邪魔するのも少し気分は良くない。のっきたんは言わずもがな、どこかの個室で精神を落ち着かせているのだろうから、それこそもっと邪魔しがたい。
今日はやめとく、そう言おうとしたとき__
「ラメリィ先生、翔くんがお呼びです。」
病室の外から、そんな声がした。
聞き覚えのある、そらくんのリハビリに付き添っていた看護師の声だった。
..........翔...誰だろうか。
____そして突然、背中に虫唾が走った。
ま、さか.........
そしてその"翔"と呼ばれたやつは、ラメリィさんによって開かれたドアにより姿があらわになった。
.........こいつか?"新しい子"って...
あのラメリィさん絶賛のやつだ。
それ相応の見た目をしているのだろうと、俺となろっちは静かに期待を寄せていた。
_____だがしかし、彼はその予想を遥かに超える容姿を持っていた。
「お、こりゃ丁度いいな.....翔くんに君たち2人紹介してもいいかな?」
ラメリィさんはそう言った。
俺は一瞬答えに戸惑ったが、なろっちはすぐにうんと頷いた。そして俺も、顔の横でグッドサインを作る。
ラメリィさんはにこりと笑い、翔と呼ばれたやつを俺らの目の前まで連れてきた。
「翔くん初対面だね。こちらは、翔くんと年の近いなろくんと海斗くん。」
そして俺となろっちは、呆然としてしまった。
........こ、高校生じゃないのかこいつ.....!?
スラリと高い身長に、整った容姿。おまけにスタイル抜群で、非の打ち所がない。
「.........よ、よろしくね....!!」
なろっちもさすがに初対面でここまで大人なやつとの面識がなかったから、少し引き気味にそう言った。
そして俺はなろっちを盾にして、軽く会釈をした。
「うん、よろしくね。」
そいつも俺と同じく軽く会釈をし、ふわっと微笑んだ。
なんだこいつ、王子様笑顔すぎるだろ。
そしてその後も、嵐は吹き続けた。