二次創作
めろんぱーかーは無理難題を背負いながらも、立ち上がりたい。
side 乃希
夢じゃない、確実に聞こえた。
あの時たまたま、受付に顔を出したときだった。
『乃希を、返していただきたいんです。』
あんな事しておいて......今更返せって?
自分勝手にも程がある。
私は小さい頃から、両親からの虐待に耐える日々を送っていた。
[水平線]
『あんたはほんと....なんもできないんだから!!』
『.......ごっ、ごめんなさいっ......次からは、ちゃんとしますっ...!』
『ったく...こいつは無能なんだし何発殴っても問題ねぇだろ』
『........や、やめてください.....!』
『あんたに拒否権なんてないっつってんの!!』
ひどいアルコール中毒だった父親に、深く依存する母親。そして私。
アル中なんてまともなやつがいないこともわかっていたし、そんなやつに依存してしまう母親もまともではないことなんてわかりきっていた。
_______人は生まれた瞬間から人生は決まる。
どこかの成金の貴族なんかの家庭に生まれたとすれば、それはもう人生ほぼ勝ち組。ちょっと勉強して、ちょっと周りに愛想を振りまけばお金が入る。なんて幸せなんだろう。
でも、アル中と.....それに依存するようなやつらの間に、私は生まれてしまったんだ。
変えようがない。
だから、自分を壊さないように...自分が壊れないように、その考えを必死に保ち暴力に耐えることで私の幼少期は埋め尽くされた。
いつも通り、殴られ蹴られの夜を送ったとある日。
わたしはまるで物置部屋のような小さな自室へと戻り、傷の手当をしていた。
いつもより、消毒液が傷ににじんで痛い。
同時に、この生活からどうすれば開放されるだろう。そんな事が頭に浮かんだ。
...........いや、無理だ。開放なんて概念は存在しない。
『君、すごい傷だよ?』
あれは確か、この地域で初めての雪が降った日。その日の夜に、"彼ら"はあらわれた。
窓の外に映ったのは、車椅子に乗った男の子2人と、それを押す2人の看護師のような人。
『大丈夫?どうしたの?』
そう優しく声をかけてくれたのは、今のなろきゅんだ。
『何かあったの?』
普通、よくもわからない人間に話しかけられると多少警戒もするし怯えもする。
でも、私に普通はわからない。今までの環境下すべてが普通ではなかったから、普通というのがわからない。
_______最後に泣いたのは、いつだっただろうか。
両親に暴力を振るわれた時?傷のせいでクラスメイトから嫌われた時?
そんなのもう、覚えていない。
どんな暴力や罵倒、冷たい視線にも心を閉ざせば何も感じなくなるし、自分を保てるように、周りの事なんて考えたことがなかった。
泣いたところで何かが手に入るわけでも、暴力が止むわけでもない。
夢を見ることも、泣くこともすべてを諦めた。
だから私には心がない。
すべてを諦める選択というカードしか、私には存在しない。
泣く意味がわからない。
なのにどうして。
[大文字]どうして私は、泣いているのだろう。[/大文字]
『え!?ちょ、ちょっとどうしたの!!?』
なろきゅんは急に泣き出したわたしに驚いているようだった。
私も驚いた。泣いた事に。
てっきりもう私に心なんてものはとうの昔に消え去っていると思っていたのに.....
そして私は後日、なろきゅんに連れられめろん総合病院へと入院する事になった。
検査の結果はPTSD。まあ別に驚かなかった。
心的外傷後ストレス障害とでも言うのだろうな。わたしの秒針を狂わせたのは、すべて両親。
未だに悪夢として夢に出るし、当時あんなゴミみたいな奴らの下に居られた自分に称賛を与えたいくらいだ。
_______その狂った秒針をもとに戻したのが、なろきゅんとかもめくん。
感謝してもしきれない。心の底から本気で感謝している。
でもだからこそ、失うことが怖い。
2人とも重度の病気を患っていて、白血病にALS....いつ居なくなってもおかしくはない。
.........怖い。
そして今。
私を重度の精神病へと陥らせた張本人。
私の心を奪った張本人。
私の人生を狂わせた張本人。
私を、返せって?
どうせ、呑んだくれた父親が私が居なくなったことで母親に暴力を振るうようになったからだろう。
それに耐えかねた母親が、私を家に引き返そうとしている。
嫌だ、嫌だ、嫌だ......
みんなと一緒にいるって、決めたから.....
離れないって、決めたから......
限界だ。
私は、精神状態をさらに悪化させてしまった。
夢じゃない、確実に聞こえた。
あの時たまたま、受付に顔を出したときだった。
『乃希を、返していただきたいんです。』
あんな事しておいて......今更返せって?
自分勝手にも程がある。
私は小さい頃から、両親からの虐待に耐える日々を送っていた。
[水平線]
『あんたはほんと....なんもできないんだから!!』
『.......ごっ、ごめんなさいっ......次からは、ちゃんとしますっ...!』
『ったく...こいつは無能なんだし何発殴っても問題ねぇだろ』
『........や、やめてください.....!』
『あんたに拒否権なんてないっつってんの!!』
ひどいアルコール中毒だった父親に、深く依存する母親。そして私。
アル中なんてまともなやつがいないこともわかっていたし、そんなやつに依存してしまう母親もまともではないことなんてわかりきっていた。
_______人は生まれた瞬間から人生は決まる。
どこかの成金の貴族なんかの家庭に生まれたとすれば、それはもう人生ほぼ勝ち組。ちょっと勉強して、ちょっと周りに愛想を振りまけばお金が入る。なんて幸せなんだろう。
でも、アル中と.....それに依存するようなやつらの間に、私は生まれてしまったんだ。
変えようがない。
だから、自分を壊さないように...自分が壊れないように、その考えを必死に保ち暴力に耐えることで私の幼少期は埋め尽くされた。
いつも通り、殴られ蹴られの夜を送ったとある日。
わたしはまるで物置部屋のような小さな自室へと戻り、傷の手当をしていた。
いつもより、消毒液が傷ににじんで痛い。
同時に、この生活からどうすれば開放されるだろう。そんな事が頭に浮かんだ。
...........いや、無理だ。開放なんて概念は存在しない。
『君、すごい傷だよ?』
あれは確か、この地域で初めての雪が降った日。その日の夜に、"彼ら"はあらわれた。
窓の外に映ったのは、車椅子に乗った男の子2人と、それを押す2人の看護師のような人。
『大丈夫?どうしたの?』
そう優しく声をかけてくれたのは、今のなろきゅんだ。
『何かあったの?』
普通、よくもわからない人間に話しかけられると多少警戒もするし怯えもする。
でも、私に普通はわからない。今までの環境下すべてが普通ではなかったから、普通というのがわからない。
_______最後に泣いたのは、いつだっただろうか。
両親に暴力を振るわれた時?傷のせいでクラスメイトから嫌われた時?
そんなのもう、覚えていない。
どんな暴力や罵倒、冷たい視線にも心を閉ざせば何も感じなくなるし、自分を保てるように、周りの事なんて考えたことがなかった。
泣いたところで何かが手に入るわけでも、暴力が止むわけでもない。
夢を見ることも、泣くこともすべてを諦めた。
だから私には心がない。
すべてを諦める選択というカードしか、私には存在しない。
泣く意味がわからない。
なのにどうして。
[大文字]どうして私は、泣いているのだろう。[/大文字]
『え!?ちょ、ちょっとどうしたの!!?』
なろきゅんは急に泣き出したわたしに驚いているようだった。
私も驚いた。泣いた事に。
てっきりもう私に心なんてものはとうの昔に消え去っていると思っていたのに.....
そして私は後日、なろきゅんに連れられめろん総合病院へと入院する事になった。
検査の結果はPTSD。まあ別に驚かなかった。
心的外傷後ストレス障害とでも言うのだろうな。わたしの秒針を狂わせたのは、すべて両親。
未だに悪夢として夢に出るし、当時あんなゴミみたいな奴らの下に居られた自分に称賛を与えたいくらいだ。
_______その狂った秒針をもとに戻したのが、なろきゅんとかもめくん。
感謝してもしきれない。心の底から本気で感謝している。
でもだからこそ、失うことが怖い。
2人とも重度の病気を患っていて、白血病にALS....いつ居なくなってもおかしくはない。
.........怖い。
そして今。
私を重度の精神病へと陥らせた張本人。
私の心を奪った張本人。
私の人生を狂わせた張本人。
私を、返せって?
どうせ、呑んだくれた父親が私が居なくなったことで母親に暴力を振るうようになったからだろう。
それに耐えかねた母親が、私を家に引き返そうとしている。
嫌だ、嫌だ、嫌だ......
みんなと一緒にいるって、決めたから.....
離れないって、決めたから......
限界だ。
私は、精神状態をさらに悪化させてしまった。
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