二次創作
めろんぱーかーは無理難題を背負いながらも、立ち上がりたい。
side KAITO
「KAITOくん.....また来るからね......」
そう言って、去っていった女の人。
確か、療養病棟に居られる最後の晩餐のときに俺の視界に映ったやつ。
未だに、誰なのかは全く検討がつかない。
母親?子供に君付けするだろうか。友達?当時の俺に友達なんていただろうか。
今はもう居ない、俺の「おばーちゃん」?
確か俺が.......療養病棟からこの総合病院に転院したちょうどそのタイミングで、おばーちゃんは全く姿を現さなくなった。
その女の人がおばーちゃんの確率は本当に低くて、まず俺の事を「かいくん」と呼んでいた時点で違うし、あんなに身長は高くなかった。
じゃあ、誰だ?
それに........
なんで俺が療養病棟からめろん総合病院にうつったのかも.......わからない。
俺は、俺が、わからない。
[水平線]
「かいてぃー...入っていいー?」
俺の病室の外から聞こえてきた可愛らしい声。
なろっちだ。
めずらしい、西棟に足を運ぶなんて。
何か用事でもあるのだろう。
俺はいいよと返事をして、ベッドから足をおろした。
「あのさ、そらちゃん覚えてる?」
俺はなろっちをベッドに誘導させ、冷たい麦茶を手渡した。
覚えてる、と返事をし、麦茶を口へと運ぶ。
「それでね。もうすぐのき、誕生日じゃん」
なろっちの口からこぼれた一言は、のっきたんの誕生日のこと。
..........なんだろう。
なろっちのことだから、どうせ絶対たのしいことに決まってる。
俺はわくわくしながらなろっちの言葉に耳を傾けた。
「いっしょに、でかけない?」
思わず口角が緩み、自然と声が出てしまった。
「え行く。行きたい!!」
するとなろっちは、ふはっと吹き出して、経緯を説明してくれた。
「ふは....よかった..いや実はこれね。そらちゃんが提案してくれたんだよね。」
なろっちの言葉に思わず飲んでいたお茶を吹きかける。
.............え、そ、そらくんが...!?
「びっくりでしょ..?どっからかそらちゃんがその情報を仕入れてきてねー...w僕に『なろ屋さん!!のっきさん誕生日なんでしょ出かけましょ!!』ってすんごい勢いで言ってきてね..ww」
.......そらくん、もしかして案外めちゃめちゃ気が利くのかな。ただの毒舌猫だと思ってたけど...
「じゃあOKで大丈夫そう?」
なろっちはそう言い、ベッドから立ち上がった。
「おけおけ........それより、さ....なろっちとのっきたん、俺が療養病棟からこっちうつったってこと、そらくんに言った....?」
俺は自分でもわかるくらいに、顔を歪ませてなろっちにそう尋ねた。
「.......え?..言ってないよ、大丈夫。僕ものきも、人の病気のこと、そんなすぐにしゃべり散らすようなやつじゃないってわかってるでしょ..?」
なろっちは、真剣な眼差しを俺に送る。
そのまま、言葉は続いた。
「まあずーっと隠し事されてんのもそらちゃん嫌だろうから、いつか、言ってやりなね..?」
なろっちは、そのまま俺の頭をふわりとなでた。
........俺は俺が好きじゃない。
好きじゃない俺を知られるのがきらい、怖い。
だから、一部不特定多数の、俺をよく知る人物にだけ..受け止めてくれる人物にだけ、俺の身に起こったことや、過去にあったことを打ち明ける。
そらくんなんて....まさか、話せるわけがない。
いっつもふよふよしてて......
[大文字]俺が心筋症なんて知られたら、幻滅されてしまうかもしれない。[/大文字]
だから言わない。
なにが、あっても。
「あ.....おーい、おふたりさーん。そらちゃんが今からリハビリするけど、一緒に見学でもしにいく?」
病室ががらりとあいて、聞こえてきたラメリィさんの声。
その声に、なろっちはいちはやく反応する。
「えっ行きたい行きたい。リハビリルーム入ったことないんだよね、かいてぃーも、行くよね..!?」
「えっ、俺?あ.......うん、行こ。」
俺はそう返事をし、なろっちと同じくベッドから立ち上がった。
「あそうそう。かもめくん、今ICU抜けててねー。病室居るから、かもめくんも連れておいでよ。のっきさんも誘ってあげなね。」
そう言って、ラメリィさんは俺の病室を抜けた。
「かもめん今居るんだ...!!ちょっと待ってめちゃめちゃ久しぶりじゃん会いたい..!!早く行こ、かいてぃー!」
そう言い、なろっちは俺の手を引いた。
「.......ああ。」
軽く返事をし、俺はなろっちと、隣を並んで歩いた。
[水平線]
side kamome
無機質な部屋に響く、母親と医者の声。
「だんだん...弱ってきています..ALSの根本的な治療法はまだなくて...そろそろ、リハビリのはじめどきかと思われます。」
「っ.......そんなッ......」
無理、もう無理だよ。しんどい。
[大文字]これ以上、俺から"俺"を奪うのか.....?[/大文字]
「KAITOくん.....また来るからね......」
そう言って、去っていった女の人。
確か、療養病棟に居られる最後の晩餐のときに俺の視界に映ったやつ。
未だに、誰なのかは全く検討がつかない。
母親?子供に君付けするだろうか。友達?当時の俺に友達なんていただろうか。
今はもう居ない、俺の「おばーちゃん」?
確か俺が.......療養病棟からこの総合病院に転院したちょうどそのタイミングで、おばーちゃんは全く姿を現さなくなった。
その女の人がおばーちゃんの確率は本当に低くて、まず俺の事を「かいくん」と呼んでいた時点で違うし、あんなに身長は高くなかった。
じゃあ、誰だ?
それに........
なんで俺が療養病棟からめろん総合病院にうつったのかも.......わからない。
俺は、俺が、わからない。
[水平線]
「かいてぃー...入っていいー?」
俺の病室の外から聞こえてきた可愛らしい声。
なろっちだ。
めずらしい、西棟に足を運ぶなんて。
何か用事でもあるのだろう。
俺はいいよと返事をして、ベッドから足をおろした。
「あのさ、そらちゃん覚えてる?」
俺はなろっちをベッドに誘導させ、冷たい麦茶を手渡した。
覚えてる、と返事をし、麦茶を口へと運ぶ。
「それでね。もうすぐのき、誕生日じゃん」
なろっちの口からこぼれた一言は、のっきたんの誕生日のこと。
..........なんだろう。
なろっちのことだから、どうせ絶対たのしいことに決まってる。
俺はわくわくしながらなろっちの言葉に耳を傾けた。
「いっしょに、でかけない?」
思わず口角が緩み、自然と声が出てしまった。
「え行く。行きたい!!」
するとなろっちは、ふはっと吹き出して、経緯を説明してくれた。
「ふは....よかった..いや実はこれね。そらちゃんが提案してくれたんだよね。」
なろっちの言葉に思わず飲んでいたお茶を吹きかける。
.............え、そ、そらくんが...!?
「びっくりでしょ..?どっからかそらちゃんがその情報を仕入れてきてねー...w僕に『なろ屋さん!!のっきさん誕生日なんでしょ出かけましょ!!』ってすんごい勢いで言ってきてね..ww」
.......そらくん、もしかして案外めちゃめちゃ気が利くのかな。ただの毒舌猫だと思ってたけど...
「じゃあOKで大丈夫そう?」
なろっちはそう言い、ベッドから立ち上がった。
「おけおけ........それより、さ....なろっちとのっきたん、俺が療養病棟からこっちうつったってこと、そらくんに言った....?」
俺は自分でもわかるくらいに、顔を歪ませてなろっちにそう尋ねた。
「.......え?..言ってないよ、大丈夫。僕ものきも、人の病気のこと、そんなすぐにしゃべり散らすようなやつじゃないってわかってるでしょ..?」
なろっちは、真剣な眼差しを俺に送る。
そのまま、言葉は続いた。
「まあずーっと隠し事されてんのもそらちゃん嫌だろうから、いつか、言ってやりなね..?」
なろっちは、そのまま俺の頭をふわりとなでた。
........俺は俺が好きじゃない。
好きじゃない俺を知られるのがきらい、怖い。
だから、一部不特定多数の、俺をよく知る人物にだけ..受け止めてくれる人物にだけ、俺の身に起こったことや、過去にあったことを打ち明ける。
そらくんなんて....まさか、話せるわけがない。
いっつもふよふよしてて......
[大文字]俺が心筋症なんて知られたら、幻滅されてしまうかもしれない。[/大文字]
だから言わない。
なにが、あっても。
「あ.....おーい、おふたりさーん。そらちゃんが今からリハビリするけど、一緒に見学でもしにいく?」
病室ががらりとあいて、聞こえてきたラメリィさんの声。
その声に、なろっちはいちはやく反応する。
「えっ行きたい行きたい。リハビリルーム入ったことないんだよね、かいてぃーも、行くよね..!?」
「えっ、俺?あ.......うん、行こ。」
俺はそう返事をし、なろっちと同じくベッドから立ち上がった。
「あそうそう。かもめくん、今ICU抜けててねー。病室居るから、かもめくんも連れておいでよ。のっきさんも誘ってあげなね。」
そう言って、ラメリィさんは俺の病室を抜けた。
「かもめん今居るんだ...!!ちょっと待ってめちゃめちゃ久しぶりじゃん会いたい..!!早く行こ、かいてぃー!」
そう言い、なろっちは俺の手を引いた。
「.......ああ。」
軽く返事をし、俺はなろっちと、隣を並んで歩いた。
[水平線]
side kamome
無機質な部屋に響く、母親と医者の声。
「だんだん...弱ってきています..ALSの根本的な治療法はまだなくて...そろそろ、リハビリのはじめどきかと思われます。」
「っ.......そんなッ......」
無理、もう無理だよ。しんどい。
[大文字]これ以上、俺から"俺"を奪うのか.....?[/大文字]
このボタンは廃止予定です