めろんぱーかーは無理難題を背負いながらも、立ち上がりたい。
side 無呂
「かーいてぃっ!」
僕とのきは、かいてぃーの病室の扉を、勢いよく開いた。
すると扉の先に居たかいてぃーは、笑顔で僕らを出迎えてくれた。
「なろっちにのっきたん..!......なろっちは昨日ぶりだけど、のっきたんは久しぶりだな..!」
かいてぃーは、僕とのきへ代わる代わる視線を送ると、再び温かい笑みをこぼした。
「......で、どうしたんだ?こっちの西棟まで..」
のきがかいてぃーと会うのが久しぶりっていうのは、病棟が違うから。
基本的には、大抵の患者さんは『東棟』に入院している。
でも、少し症状が悪かったり、難病だったりの場合は、ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)にできるだけ近い病室のある『西棟』に入院することになっている。
東棟と西棟の間には、『院内学級』てのがあって、そこを挟んだところでようやく西棟に着けるから、ちょーっと距離があるんだよね。
ちなみに、僕とのきは東棟で、かもめんとかいてぃーは西棟。
僕らの夢は、全員東棟にうつること。
それが実現するのは、ほんといつになるかわかんないんだけど....
「今日から、わたしたちと同じくらいの年齢の子が入院するんですって!!それで、今日挨拶しにいこうって話になって...」
するとかいてぃーは、ふわりと笑っていいよと軽く返事をした。
それと同時に、のきは周りに花が咲いたかのようにぶわわっと笑顔をもたらした。
「ほんとですかー!!えじゃあさっそく行きましょ!!」
僕とかいてぃーは、のきに手をひっぱられるがままにささっと病室をあとにしていた。
[水平線]
「お、3人共来たね。」
ラメリィさんが、その子がいるであろう病室の前で待っていた。
.........実際僕も、どんな子なんだろうと気になる節は全然ある。
......僕らと近い年齢なんて....きっと、想像を絶するくらい今は辛いだろう。
僕はもう慣れてるけど、一般の人はそうといかないんだよな。
「じゃ来てもらおっか。おーい、[大文字]氷空[/大文字]ちゃーん」
...........氷空.....?
「............はー.....い...」
すると、病室の奥の方から小さな声が聞こえてきた。
...............女の子かな?
すると、病室から顔を出したその子は、水色髪の子だった。
...........そして、車椅子に乗っていた。
「自己紹介できる?」
ラメリィさんは、そっと首をかしげ、そう尋ねた。
氷空.....さんは、こくりとうなずいた。
「......ぁ、えっと..[漢字]水原[/漢字][ふりがな]みずはら[/ふりがな][漢字]氷空[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな]です....」
.........声、すごく高い。
すると、のきも同じことを思ったのか、ド直球にこう言った。
「.......声、すごく高いですね...!女の子のお友達始めてでとっても嬉しいです🎶」
............え大丈夫そ?これ
氷空さんは、「ああまたか」と言わんばかりにぷいっと下を向いてしまった。
.........まるで、僕の発作が当たり前だと思ったときの反応と同じように...
「.....あー、乃喜くん違うよ。この子、立派な男の子!」
ラメリィさんは、ははっと笑ってそう言った。
本当に悪気がなかったのきは、ひどく取り乱した様子で彼にこう言った。
「...ええええ!?ほんとですか!?ごごごごめんなさい!!とっても魅力的な声ですね素敵です!!!」
あわあわと落ち着かないような態度でのきはそう訂正した。
この.....氷空くんがどんな反応するか、この子の性格出るな。
ちょっと興味あるかも。
すると、反応は思ったよりも意外だった。
「......ふはっ.....!....いいよ、慣れてるから..!....それより..嫌じゃなかったら、君たちの名前教えてくれない..?」
......僕、なんかこの子毒舌なイメージに見えたんだけど、気の所為だったんだろうな。
僕は、彼に向かってこう言った。
「僕も勘違いしてた.....ごめんね..僕は、灰野無呂っていいます..」
それに続いて、かいてぃーも彼に向かって口を開いた。
「....俺は、[漢字]赤美[/漢字][ふりがな]あかみ[/ふりがな][漢字]海斗[/漢字][ふりがな]かいと[/ふりがな]だ..」
「最後ですね...わたしは紫部乃喜といいます..!....なんて呼べばいいとか、あったりしますか?」
のきは、彼にそう尋ねた。
「......うーん..氷空くんとって呼んでもらえるのがいちばんうれしいけど、基本みんな僕のことそらちゃんって呼ぶよ。だから、好きに呼んで」
そらちゃん...........か。
「わかった!そらちゃんだな!」
かいてぃーは、どんと胸を張るようにそう言った。
「ええ、僕は氷空くんの方が嬉しいんだけどなあ..?」
彼は、少し広角をあげそう言った。
....僕の予想はあたったとも言わんばかりに、彼の毒舌さがでた。
............僕のカン、結構当たるくない..?
「えーじゃあそらくんか?」
「.......かいと、さんだよね!かいとさんは、"くん"呼びの方が性にあってる」
それほんとか?なんて思いながら、僕とのきは2人顔を見合わせて笑った。
「これからよろしくね、なろ屋さん、のっきさん、かいとさん。」
...............いや僕、無呂なんだけど。"なろ屋"ってなに..!?w
車椅子のタイヤをぐるりと回転させながら、またね、と僕らにそう告げて彼は病室へと姿を消した。
[水平線]
side ??
ピッ......ピッ.....ピッ........
「.................俺の、この体も......ほんと........いつまで、持つんだろッ.......」
「かーいてぃっ!」
僕とのきは、かいてぃーの病室の扉を、勢いよく開いた。
すると扉の先に居たかいてぃーは、笑顔で僕らを出迎えてくれた。
「なろっちにのっきたん..!......なろっちは昨日ぶりだけど、のっきたんは久しぶりだな..!」
かいてぃーは、僕とのきへ代わる代わる視線を送ると、再び温かい笑みをこぼした。
「......で、どうしたんだ?こっちの西棟まで..」
のきがかいてぃーと会うのが久しぶりっていうのは、病棟が違うから。
基本的には、大抵の患者さんは『東棟』に入院している。
でも、少し症状が悪かったり、難病だったりの場合は、ICU(集中治療室)やHCU(高度治療室)にできるだけ近い病室のある『西棟』に入院することになっている。
東棟と西棟の間には、『院内学級』てのがあって、そこを挟んだところでようやく西棟に着けるから、ちょーっと距離があるんだよね。
ちなみに、僕とのきは東棟で、かもめんとかいてぃーは西棟。
僕らの夢は、全員東棟にうつること。
それが実現するのは、ほんといつになるかわかんないんだけど....
「今日から、わたしたちと同じくらいの年齢の子が入院するんですって!!それで、今日挨拶しにいこうって話になって...」
するとかいてぃーは、ふわりと笑っていいよと軽く返事をした。
それと同時に、のきは周りに花が咲いたかのようにぶわわっと笑顔をもたらした。
「ほんとですかー!!えじゃあさっそく行きましょ!!」
僕とかいてぃーは、のきに手をひっぱられるがままにささっと病室をあとにしていた。
[水平線]
「お、3人共来たね。」
ラメリィさんが、その子がいるであろう病室の前で待っていた。
.........実際僕も、どんな子なんだろうと気になる節は全然ある。
......僕らと近い年齢なんて....きっと、想像を絶するくらい今は辛いだろう。
僕はもう慣れてるけど、一般の人はそうといかないんだよな。
「じゃ来てもらおっか。おーい、[大文字]氷空[/大文字]ちゃーん」
...........氷空.....?
「............はー.....い...」
すると、病室の奥の方から小さな声が聞こえてきた。
...............女の子かな?
すると、病室から顔を出したその子は、水色髪の子だった。
...........そして、車椅子に乗っていた。
「自己紹介できる?」
ラメリィさんは、そっと首をかしげ、そう尋ねた。
氷空.....さんは、こくりとうなずいた。
「......ぁ、えっと..[漢字]水原[/漢字][ふりがな]みずはら[/ふりがな][漢字]氷空[/漢字][ふりがな]そら[/ふりがな]です....」
.........声、すごく高い。
すると、のきも同じことを思ったのか、ド直球にこう言った。
「.......声、すごく高いですね...!女の子のお友達始めてでとっても嬉しいです🎶」
............え大丈夫そ?これ
氷空さんは、「ああまたか」と言わんばかりにぷいっと下を向いてしまった。
.........まるで、僕の発作が当たり前だと思ったときの反応と同じように...
「.....あー、乃喜くん違うよ。この子、立派な男の子!」
ラメリィさんは、ははっと笑ってそう言った。
本当に悪気がなかったのきは、ひどく取り乱した様子で彼にこう言った。
「...ええええ!?ほんとですか!?ごごごごめんなさい!!とっても魅力的な声ですね素敵です!!!」
あわあわと落ち着かないような態度でのきはそう訂正した。
この.....氷空くんがどんな反応するか、この子の性格出るな。
ちょっと興味あるかも。
すると、反応は思ったよりも意外だった。
「......ふはっ.....!....いいよ、慣れてるから..!....それより..嫌じゃなかったら、君たちの名前教えてくれない..?」
......僕、なんかこの子毒舌なイメージに見えたんだけど、気の所為だったんだろうな。
僕は、彼に向かってこう言った。
「僕も勘違いしてた.....ごめんね..僕は、灰野無呂っていいます..」
それに続いて、かいてぃーも彼に向かって口を開いた。
「....俺は、[漢字]赤美[/漢字][ふりがな]あかみ[/ふりがな][漢字]海斗[/漢字][ふりがな]かいと[/ふりがな]だ..」
「最後ですね...わたしは紫部乃喜といいます..!....なんて呼べばいいとか、あったりしますか?」
のきは、彼にそう尋ねた。
「......うーん..氷空くんとって呼んでもらえるのがいちばんうれしいけど、基本みんな僕のことそらちゃんって呼ぶよ。だから、好きに呼んで」
そらちゃん...........か。
「わかった!そらちゃんだな!」
かいてぃーは、どんと胸を張るようにそう言った。
「ええ、僕は氷空くんの方が嬉しいんだけどなあ..?」
彼は、少し広角をあげそう言った。
....僕の予想はあたったとも言わんばかりに、彼の毒舌さがでた。
............僕のカン、結構当たるくない..?
「えーじゃあそらくんか?」
「.......かいと、さんだよね!かいとさんは、"くん"呼びの方が性にあってる」
それほんとか?なんて思いながら、僕とのきは2人顔を見合わせて笑った。
「これからよろしくね、なろ屋さん、のっきさん、かいとさん。」
...............いや僕、無呂なんだけど。"なろ屋"ってなに..!?w
車椅子のタイヤをぐるりと回転させながら、またね、と僕らにそう告げて彼は病室へと姿を消した。
[水平線]
side ??
ピッ......ピッ.....ピッ........
「.................俺の、この体も......ほんと........いつまで、持つんだろッ.......」
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