めろんぱーかーに愛されてます。【リメイクver.】
今日も朝がやって来た。母と春香がいるであろうリビングに向かう。
「おはよう、春香!今日の朝はフレンチトーストよ〜」
母は、やはり春香に甘い。今日のフレンチトーストだってこれは、春香のリクエストだ。プレゼントだってなんだって春香には買い与えている。
「やったぁ〜!おいしそうだね、いただきます!」
私も静かに手を合わせて、フレンチトーストを頬張った。じっとりとした甘さが口全体に広がる。ぐじゅぐじゅになった食パンが口の中でほろりと綻ぶように崩れた。
「...ごちそうさま」
私がそう唱えても、母と春香は無視をしたまま。私は春香と比べて、まるでいないように扱われているあたり、私の地位の低さが露呈してしまう。
「春香、美味しい?」
いつも、ふとすると『愛されるというのはどういう感覚なのか』という事を考えてしまっている。別に誰かに聞いたっていいけれど、きっと今も昔も無視されるだけだ。学校でも家でも誰も彼もがそう。まともな友達もいないし、話す事すらしなくなった。けれど
「きみ、名前は?」
今は私の事をしっかり認識してくれる人がいる。案外、この世も悪い事ばかりではないのかもしれない。
・・・
学校で今日も授業を受ける。次は移動教室。何を今更、という話だがもしかしたらあの人たちみたいな優しく接してくれて一緒に行こうと話してくれる人がいるかも、と待っていたがそれらしい人も言動すらも無かった。いつものように、1人ぼっちで教室に向かう。歩いている最中、私はとあることに気づいた。
「...あ、忘れ物。」
ノートを私は教室に忘れていってしまったようだ。幸い休み時間はまだある。走ればきっとまだ間に合うだろう。私はだっ、と走り出した。
「っ、はぁ、はぁ。」
久しぶりにこんな走ったからか、少しだけでも息切れを起こす。ただ、私はまともに前を見ていなかったせいか、どんっ、と何かとぶつかる音がする。
「っ、たぁっ!」
ぶつかったものの正体は、1人の青髪の少年だった。少年は痛みを落ち着かせるためか、自分の胸をさすっている。
「!?す、すみません。大丈夫ですかっ!?」
慌てて私が駆け寄ると、青髪の少年は苦笑いだが口角をあげて軽く笑っていた。
「...、あぁ、平気や。」
誤魔化すように言う少年を見て、私はさらに不安の気持ちが高まる。そして、悪いのは私なのについ縮こまってしまう。
「あの、ほんとすみません。保健室、つきそいます....。」
ぺこりと深く私はお辞儀をする。だが、少年は「いや、ええよ。もう授業始まるやろ?」と笑っていた。確かに、青髪の少年か言うようにもうチャイムが鳴るか鳴らないかのすれすれ。だが、正直私からすればそんなことどうでもよかった。
「いや...」
そう言って連れて行こうとするが、少年は私の後を去るためにかばっと急ぎ足で歩いて行く。
「とにかくええよ。ほな、またな」
少年は颯爽と私の元を去っていった。私の中で、後悔が渦となってぐるぐると廻る。彼は恐らく1つ年上であろうし、例え同級生だったとしても保健室にすら付き添えなかった。とりあえず私は、教室へとノートを取りに向かった。
・・・
もうお昼休みだ。なろ屋さんと、のっきさんとの約束を果たすために屋上に向かう。カギはもう開けてくれたのか、意外にするっと屋上に入れた。
「あ、やっときたぁ〜。」
聞き慣れない声が私の耳に入り込んできた。そこにいたのは、水色の髪をした可愛らしい中性的な人と、黒髪に赤メッシュが入った少年がいた。
「遅かったな、えっと...。」
赤メッシュの少年が少し考え込む。それにフォローを入れるように水髪の人が答える。
「●●さんだよ!」
水髪の人は声が高くて、中性的な顔立ちもしているため、女性のような気がしてしまう。だが、男性用の制服を着用している。それでやっと判断できるぐらいだ。
「あぁ、そうだったな。じゃあ気安く○○と呼ばせてもらう!」
2人は当たり前かのように話していて、私がおかしいかのように錯覚してしまう。昨日会って約束したなろ屋さんとのっきさんがいないのだ。
「は、はぁ...?えっと、あなたたちは?てか、なろ屋さんたちは?」
水髪の人は少しだけ笑いながら「あ、僕らのことはなろ屋さんの代理だと思ってくれていいからね。」と言った。一瞬で、赤メッシュの人の瞳が鋭く尖る。
「で、だ。どっちにするんだ。のっきたんに言われただろう?」
「…あ」
私はてっきり、先ほどの衝撃で忘れかけていた。だが、2人の視線がこちらに向かって刺さるように痛い。1度深呼吸をして、2人に私の意見を告げる。同居するかの答えはもちろん______
「私は、みなさんと、暮らします...!」
もちろん、答えはYESだ。あんなところにいるより、この人たちといた方が暖かく優しい未来が見える。2人は目を丸くして声を揃えた。
「「っ、え?」」
ついつい仲が良いんだな、と感心する。
「本当に、いいんだな。」
「どこの誰かもわからない僕たちと、一緒住むんだよ、ほんとにいいんだね?」
きっとこれは最終確認だ。私を試すための。自意識過剰かもしれないが、私からすれば人生の分かれ道。私は声が出るかもわからないが、声を張った。
「はい...!家族といるよりはましかなと思いましたんで!」
「そうときたら...________!
「おはよう、春香!今日の朝はフレンチトーストよ〜」
母は、やはり春香に甘い。今日のフレンチトーストだってこれは、春香のリクエストだ。プレゼントだってなんだって春香には買い与えている。
「やったぁ〜!おいしそうだね、いただきます!」
私も静かに手を合わせて、フレンチトーストを頬張った。じっとりとした甘さが口全体に広がる。ぐじゅぐじゅになった食パンが口の中でほろりと綻ぶように崩れた。
「...ごちそうさま」
私がそう唱えても、母と春香は無視をしたまま。私は春香と比べて、まるでいないように扱われているあたり、私の地位の低さが露呈してしまう。
「春香、美味しい?」
いつも、ふとすると『愛されるというのはどういう感覚なのか』という事を考えてしまっている。別に誰かに聞いたっていいけれど、きっと今も昔も無視されるだけだ。学校でも家でも誰も彼もがそう。まともな友達もいないし、話す事すらしなくなった。けれど
「きみ、名前は?」
今は私の事をしっかり認識してくれる人がいる。案外、この世も悪い事ばかりではないのかもしれない。
・・・
学校で今日も授業を受ける。次は移動教室。何を今更、という話だがもしかしたらあの人たちみたいな優しく接してくれて一緒に行こうと話してくれる人がいるかも、と待っていたがそれらしい人も言動すらも無かった。いつものように、1人ぼっちで教室に向かう。歩いている最中、私はとあることに気づいた。
「...あ、忘れ物。」
ノートを私は教室に忘れていってしまったようだ。幸い休み時間はまだある。走ればきっとまだ間に合うだろう。私はだっ、と走り出した。
「っ、はぁ、はぁ。」
久しぶりにこんな走ったからか、少しだけでも息切れを起こす。ただ、私はまともに前を見ていなかったせいか、どんっ、と何かとぶつかる音がする。
「っ、たぁっ!」
ぶつかったものの正体は、1人の青髪の少年だった。少年は痛みを落ち着かせるためか、自分の胸をさすっている。
「!?す、すみません。大丈夫ですかっ!?」
慌てて私が駆け寄ると、青髪の少年は苦笑いだが口角をあげて軽く笑っていた。
「...、あぁ、平気や。」
誤魔化すように言う少年を見て、私はさらに不安の気持ちが高まる。そして、悪いのは私なのについ縮こまってしまう。
「あの、ほんとすみません。保健室、つきそいます....。」
ぺこりと深く私はお辞儀をする。だが、少年は「いや、ええよ。もう授業始まるやろ?」と笑っていた。確かに、青髪の少年か言うようにもうチャイムが鳴るか鳴らないかのすれすれ。だが、正直私からすればそんなことどうでもよかった。
「いや...」
そう言って連れて行こうとするが、少年は私の後を去るためにかばっと急ぎ足で歩いて行く。
「とにかくええよ。ほな、またな」
少年は颯爽と私の元を去っていった。私の中で、後悔が渦となってぐるぐると廻る。彼は恐らく1つ年上であろうし、例え同級生だったとしても保健室にすら付き添えなかった。とりあえず私は、教室へとノートを取りに向かった。
・・・
もうお昼休みだ。なろ屋さんと、のっきさんとの約束を果たすために屋上に向かう。カギはもう開けてくれたのか、意外にするっと屋上に入れた。
「あ、やっときたぁ〜。」
聞き慣れない声が私の耳に入り込んできた。そこにいたのは、水色の髪をした可愛らしい中性的な人と、黒髪に赤メッシュが入った少年がいた。
「遅かったな、えっと...。」
赤メッシュの少年が少し考え込む。それにフォローを入れるように水髪の人が答える。
「●●さんだよ!」
水髪の人は声が高くて、中性的な顔立ちもしているため、女性のような気がしてしまう。だが、男性用の制服を着用している。それでやっと判断できるぐらいだ。
「あぁ、そうだったな。じゃあ気安く○○と呼ばせてもらう!」
2人は当たり前かのように話していて、私がおかしいかのように錯覚してしまう。昨日会って約束したなろ屋さんとのっきさんがいないのだ。
「は、はぁ...?えっと、あなたたちは?てか、なろ屋さんたちは?」
水髪の人は少しだけ笑いながら「あ、僕らのことはなろ屋さんの代理だと思ってくれていいからね。」と言った。一瞬で、赤メッシュの人の瞳が鋭く尖る。
「で、だ。どっちにするんだ。のっきたんに言われただろう?」
「…あ」
私はてっきり、先ほどの衝撃で忘れかけていた。だが、2人の視線がこちらに向かって刺さるように痛い。1度深呼吸をして、2人に私の意見を告げる。同居するかの答えはもちろん______
「私は、みなさんと、暮らします...!」
もちろん、答えはYESだ。あんなところにいるより、この人たちといた方が暖かく優しい未来が見える。2人は目を丸くして声を揃えた。
「「っ、え?」」
ついつい仲が良いんだな、と感心する。
「本当に、いいんだな。」
「どこの誰かもわからない僕たちと、一緒住むんだよ、ほんとにいいんだね?」
きっとこれは最終確認だ。私を試すための。自意識過剰かもしれないが、私からすれば人生の分かれ道。私は声が出るかもわからないが、声を張った。
「はい...!家族といるよりはましかなと思いましたんで!」
「そうときたら...________!
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