めろんぱーかーに愛されてます。【リメイクver.】
side サムライ翔
のっきたんが俺たちに告げたことは、のっきたんにもこの場にいる全員にも少なからず関わりのある話になった。
「今の●●さんには、みなさんの記憶がありません。」
○○の記憶がない、と聞いて俺は頭がスッキリと考え込んでいた事が全て吹っ飛ぶ。俺のそんな反応を鑑みず淡白な声で話した。
「...とか最初に言うのもあれなんで、1から話しますね。」
「.......話してくれ。」
今にも号泣してしまいそうでぐらぐらと揺らぐ声を抑えて、厨二病が喋る。のっきたんはその言葉を聞いて、赤子に言い聞かせるように優しくゆっくりと俺たちに語りかけた。
「●●さんの容態が悪くなったのは、私の魔法薬の可能性が高いんです。」
魔法薬、なんてあるとは思えないがのっきたんの素振りから否定する事なんて出来ない。俺たちは黙々とのっきたんの話を聞くしかできなかった。
「まぁいろいろありまして、誰かにそれを奪われてしまったんです。」
事実を隠しつつ、淡々と話すのっきたんがいきなり『大事な魔法薬を盗まれた。』と言い出したので、焦りの汗が俺の額に浮かぶ。
「その薬は普通に闇サイトとかでも売れるらしくて、誰から誰へと回っていったはずなんです。」
ダークウェブ、のようなものだろう。それにしてもそんな大事な魔法薬をそんな簡単に盗まれるなんて、管理が杜撰なのだろうか。そんな呑気な事を考える間もなく、のっきたんは話を進める。
「あぁ...薬の説明ですが、相手を死に至らせる薬です...。趣味悪いなんて思わないでくださいね。」
そんな、ここまで聴いてしまったならその気持ちを回避する事は出来ない。心の中でそうツッコミを入れた。まだのっきたんの話は淡々と進められていく。
「奪われたその魔法薬で誰かが●●さんにその薬を飲ませたんでしょうか。」
「え...?でも○○は目を覚ましていなかったんじゃ...。」
そらちゃんが疑問をのっきたんに問いかけた。のっきたんは余裕そうに「...今現代ですよ?眠っていても薬を注射で打つことは可能なんです。」と淡白にあっさりと話を終わらせた。
「あっそっか。ごめん、続けて。」
その言葉を聞いたのっきたんは、また先ほどの話を進める。
「私の薬に効くのは私の魔法なんです。なので私は●●さんに魔法をかけて治そうと思いました。ですが...。」
「.....早く言え。」
そういう重要な事を早く言って欲しかったのか、ドスの効いた声で言葉を発し、かもめんはのっきたんを睨んだ。
「ですが、リスクがありました。[太字]それは、●●さんのいちばん大切な記憶を失うこと。[/太字]」
かもめんの話を無視して、またのっきたんは話を進める。あまりにも淡白すぎて、こちらが心配になってくるほどだ。だが、その感情は別の感情、悲しみと絶望に塗り変わり満たされてしまった。
「まぁ皆さんわかってますよね。単刀直入に言うと、●●さんの1番大切な記憶が私達だったから忘れてしまった、ということです。....まぁ、もちろん考えました。皆さんが自分たちの記憶を●●さんが失って生きるか、●●さんが死ぬかだったら_____」
「自分たちの記憶を忘れるだけで○○が生きてくれるなら記憶の選択をするってのっきたんは先に悟っとったんやな。」
振り絞って声を出す。そらちゃんはひゅっ、と音を鳴らして息を飲んだ。
「あっ......そういうことなんだ...。」
やっと全てを理解したのか、そらちゃんは絶望に押し込まれ瞳孔を開かせている。
「にょきを....俺、後悔はないぞ。」
かもめんがそう言う。
「あぁ。俺も後悔はない。だって_____」
「俺らがもう1回思い出させるもんな!」
無理矢理にっこりと歪ませた笑顔を厨二病は見せる。そのもう1回思い出させるという意見に、反対する奴は誰ひとりとしていなかった。
夕立のように降り注ぐ桜たちが、俺を取り囲む。
のっきたんが俺たちに告げたことは、のっきたんにもこの場にいる全員にも少なからず関わりのある話になった。
「今の●●さんには、みなさんの記憶がありません。」
○○の記憶がない、と聞いて俺は頭がスッキリと考え込んでいた事が全て吹っ飛ぶ。俺のそんな反応を鑑みず淡白な声で話した。
「...とか最初に言うのもあれなんで、1から話しますね。」
「.......話してくれ。」
今にも号泣してしまいそうでぐらぐらと揺らぐ声を抑えて、厨二病が喋る。のっきたんはその言葉を聞いて、赤子に言い聞かせるように優しくゆっくりと俺たちに語りかけた。
「●●さんの容態が悪くなったのは、私の魔法薬の可能性が高いんです。」
魔法薬、なんてあるとは思えないがのっきたんの素振りから否定する事なんて出来ない。俺たちは黙々とのっきたんの話を聞くしかできなかった。
「まぁいろいろありまして、誰かにそれを奪われてしまったんです。」
事実を隠しつつ、淡々と話すのっきたんがいきなり『大事な魔法薬を盗まれた。』と言い出したので、焦りの汗が俺の額に浮かぶ。
「その薬は普通に闇サイトとかでも売れるらしくて、誰から誰へと回っていったはずなんです。」
ダークウェブ、のようなものだろう。それにしてもそんな大事な魔法薬をそんな簡単に盗まれるなんて、管理が杜撰なのだろうか。そんな呑気な事を考える間もなく、のっきたんは話を進める。
「あぁ...薬の説明ですが、相手を死に至らせる薬です...。趣味悪いなんて思わないでくださいね。」
そんな、ここまで聴いてしまったならその気持ちを回避する事は出来ない。心の中でそうツッコミを入れた。まだのっきたんの話は淡々と進められていく。
「奪われたその魔法薬で誰かが●●さんにその薬を飲ませたんでしょうか。」
「え...?でも○○は目を覚ましていなかったんじゃ...。」
そらちゃんが疑問をのっきたんに問いかけた。のっきたんは余裕そうに「...今現代ですよ?眠っていても薬を注射で打つことは可能なんです。」と淡白にあっさりと話を終わらせた。
「あっそっか。ごめん、続けて。」
その言葉を聞いたのっきたんは、また先ほどの話を進める。
「私の薬に効くのは私の魔法なんです。なので私は●●さんに魔法をかけて治そうと思いました。ですが...。」
「.....早く言え。」
そういう重要な事を早く言って欲しかったのか、ドスの効いた声で言葉を発し、かもめんはのっきたんを睨んだ。
「ですが、リスクがありました。[太字]それは、●●さんのいちばん大切な記憶を失うこと。[/太字]」
かもめんの話を無視して、またのっきたんは話を進める。あまりにも淡白すぎて、こちらが心配になってくるほどだ。だが、その感情は別の感情、悲しみと絶望に塗り変わり満たされてしまった。
「まぁ皆さんわかってますよね。単刀直入に言うと、●●さんの1番大切な記憶が私達だったから忘れてしまった、ということです。....まぁ、もちろん考えました。皆さんが自分たちの記憶を●●さんが失って生きるか、●●さんが死ぬかだったら_____」
「自分たちの記憶を忘れるだけで○○が生きてくれるなら記憶の選択をするってのっきたんは先に悟っとったんやな。」
振り絞って声を出す。そらちゃんはひゅっ、と音を鳴らして息を飲んだ。
「あっ......そういうことなんだ...。」
やっと全てを理解したのか、そらちゃんは絶望に押し込まれ瞳孔を開かせている。
「にょきを....俺、後悔はないぞ。」
かもめんがそう言う。
「あぁ。俺も後悔はない。だって_____」
「俺らがもう1回思い出させるもんな!」
無理矢理にっこりと歪ませた笑顔を厨二病は見せる。そのもう1回思い出させるという意見に、反対する奴は誰ひとりとしていなかった。
夕立のように降り注ぐ桜たちが、俺を取り囲む。
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