めろんぱーかーに愛されてます。【リメイクver.】
私が私として家族からも、誰からも扱われなくなったのは、いつからだろう。
「ご飯よ、春香。」
私の母が、白いお皿に乗せられたミートグラタンをニコニコと笑いながら愉快そうに妹である、春香の目の前にごとりという音を立てながら置いた。
「わぁ〜い!あれ、これ、私の好きなミートグラタンじゃない?」
春香が、不思議そうに嬉しそうに母に問いかける。母は機嫌がいいのか、明るい声で春香の問いに答えた。
「そうよ〜!ママ、ふんぱつしちゃった!」
母は満面の笑みとも言える笑顔で春香を見た。
「ママ大好き〜!」
まるで幼子のように、春香は母に抱きついた。娘が喜んでくれるのが嬉しいのか母の口角がさらに上がる。
「あら〜かわいいわねぇ〜」
デレデレとした態度で母は対応した。この話の輪の中に、本来ならば私が入るはずだろう。ただ、ここは平和でみんなが仲良しな世界でもなく、普通の家庭でもない。ただ、『私』という存在が抹消された世界。ただそれだけだ。
「春香の卒業式はうんとおいしい料理作るからね!」
春香は実に嬉しそうに「えぇ!やったあ♡」と笑いかけた。側から見れば、これはきっとただの幸せそうな親子なのだろう。私も高校3年生でもう卒業するが、きっと母は春香の分だけだ。私の今までの経験がそう、言っている。そう思いながら、目の前に置かれている冷えたミートグラタンを私は食べ進めた。
・・・
今日も今日とて、憂鬱な朝がやってきた。私は学校に行く為に準備を進める。とある事を実行するためにも。学校でも、私はないものとして扱われる。声をかけても無視をされるだけだ。そんな日常から抜け出す為に、私は1日だけ我慢をする事を強制された。
・・・
もう放課後。開かないドアを開けるためにこっそり盗んできた屋上へと通じるドアのカギ。それを使って、ドアを開けると、ぶわ、と風が私に向かって吹いて来た。
「もう…。辛くなっちゃったぁ。」
この世からさよならを告げるために、靴を脱いで、遺書も用意した。今思うと、この靴すらも私が貯めたお金で買ったものだ。遺書も、少ししか書かれていないが私からすれば立派な遺書。靴を綺麗に揃えて、遺書は風で飛ばないように靴で抑える。私はこの忌々しい街を見下ろして、曇り空から真っ逆さまに落ちようとしようとしたその時
__________「なにやってんの。危ないじゃん。」
私を引き止めたのは、たったひとつの声だった。その声はふわふわしていて、癒されるような声色。ふと、後ろを振り向くと、そこには灰色のパーカーを着た灰色の髪をした可愛らしい少年が立っていた。
「え?」
私が混乱していると、少年は私に向かって手を直接差し伸べた。まるで、私を助けるみたいに。私は無意識のうちに、その手をとっていた。
「ん、はい、こっちの世界ね。まだあっちにいっちゃだめだよ。」
私の手をとるという行動に、私自身が混乱しているというおかしな状況に、私はただ少年を眺めることしか出来なかった。
「今から僕の友達に電話するけど、大人しくしててね?」
とぅるるるるるるるる………とぅるるるるるるるる………電話をかける機械音が風が吹き荒ぶ屋上だけに響く。
「そうそう。言ってなかったね。僕は__
「ご飯よ、春香。」
私の母が、白いお皿に乗せられたミートグラタンをニコニコと笑いながら愉快そうに妹である、春香の目の前にごとりという音を立てながら置いた。
「わぁ〜い!あれ、これ、私の好きなミートグラタンじゃない?」
春香が、不思議そうに嬉しそうに母に問いかける。母は機嫌がいいのか、明るい声で春香の問いに答えた。
「そうよ〜!ママ、ふんぱつしちゃった!」
母は満面の笑みとも言える笑顔で春香を見た。
「ママ大好き〜!」
まるで幼子のように、春香は母に抱きついた。娘が喜んでくれるのが嬉しいのか母の口角がさらに上がる。
「あら〜かわいいわねぇ〜」
デレデレとした態度で母は対応した。この話の輪の中に、本来ならば私が入るはずだろう。ただ、ここは平和でみんなが仲良しな世界でもなく、普通の家庭でもない。ただ、『私』という存在が抹消された世界。ただそれだけだ。
「春香の卒業式はうんとおいしい料理作るからね!」
春香は実に嬉しそうに「えぇ!やったあ♡」と笑いかけた。側から見れば、これはきっとただの幸せそうな親子なのだろう。私も高校3年生でもう卒業するが、きっと母は春香の分だけだ。私の今までの経験がそう、言っている。そう思いながら、目の前に置かれている冷えたミートグラタンを私は食べ進めた。
・・・
今日も今日とて、憂鬱な朝がやってきた。私は学校に行く為に準備を進める。とある事を実行するためにも。学校でも、私はないものとして扱われる。声をかけても無視をされるだけだ。そんな日常から抜け出す為に、私は1日だけ我慢をする事を強制された。
・・・
もう放課後。開かないドアを開けるためにこっそり盗んできた屋上へと通じるドアのカギ。それを使って、ドアを開けると、ぶわ、と風が私に向かって吹いて来た。
「もう…。辛くなっちゃったぁ。」
この世からさよならを告げるために、靴を脱いで、遺書も用意した。今思うと、この靴すらも私が貯めたお金で買ったものだ。遺書も、少ししか書かれていないが私からすれば立派な遺書。靴を綺麗に揃えて、遺書は風で飛ばないように靴で抑える。私はこの忌々しい街を見下ろして、曇り空から真っ逆さまに落ちようとしようとしたその時
__________「なにやってんの。危ないじゃん。」
私を引き止めたのは、たったひとつの声だった。その声はふわふわしていて、癒されるような声色。ふと、後ろを振り向くと、そこには灰色のパーカーを着た灰色の髪をした可愛らしい少年が立っていた。
「え?」
私が混乱していると、少年は私に向かって手を直接差し伸べた。まるで、私を助けるみたいに。私は無意識のうちに、その手をとっていた。
「ん、はい、こっちの世界ね。まだあっちにいっちゃだめだよ。」
私の手をとるという行動に、私自身が混乱しているというおかしな状況に、私はただ少年を眺めることしか出来なかった。
「今から僕の友達に電話するけど、大人しくしててね?」
とぅるるるるるるるる………とぅるるるるるるるる………電話をかける機械音が風が吹き荒ぶ屋上だけに響く。
「そうそう。言ってなかったね。僕は__
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