僕らは神様を知らない。
佐藤side
「はぁ、結局今日も収穫なかったなぁ.........」
帰り道。跡地を閉じ込める檻のせいで薄暗い路地。
紙筒を抱えて、下を向いて帰る。
佐藤「あの警備のお姉さん、何か知ってそうなんだよな〜............」
ふと1つの、低く横幅もないガードレールに雑につけられた張り紙が目につく。
『[太字][斜体]10年前、ここで消えた男のことを覚えている人。下記住所まで。
丸杉区中央通り1 − 2 − 3 クロキビルB1F ゲームヘル[/斜体][/太字]』
「............!!」
衝動的に紙筒を地べたに広げて、確かめるようにぶつぶつと、呪文のように独り言を呟く。
「[小文字]事件当日、現場には奇怪な人物が1人いた[/小文字]」
「[小文字]しかし不思議なことに事件に関わった誰一人として、[/小文字]」
「[太字][小文字]詳細を記憶している者はいない_________[/小文字][/太字]」
やはり見当たらない。
驚かずにはいられなかった。
自由研究の全てが書かれた紙筒。
「[太字]誰も、『男の人』なんて言わなかったのに.........!![/太字]」
[太字]その"神様"と呼ばれる人物が「男」だなんて、広げた紙筒のどこにも書いていなかった。
[/太字]
___________________________
[斜体]ギギギ.........[/斜体]
扉が開き、光が差し込む。
「[小文字]............はぁ、何で来ちゃったんだろう............[/小文字]」
「[小文字]でも、もしかしたら何かお話してもらえるかもしれないし............[/小文字]」
「.........[小文字]ッこ、[/小文字]こんにちは〜............」
ボロボロのソファと、テレビと、昔懐かしい雰囲気のあるゲーム機が置かれている空間。
返事は返ってこない。
「あ、あの、張り紙のことで......ちょっとお話を......」
[斜体]ドゴォン............[/斜体]
「ッ!?」
何かの音が反響し、耳に通る。
でもその音以外には、何もなかった。
ふぅ......と、安堵したように息を整えて、彼は続ける。
「だ、誰k」
[斜体]パシッ[/斜体]
「[太字]!?[/太字]」
何かに捕まっている感じだった。
何か喋っているようだったが、手で口を塞がれていたから、何を喋っているかは何も分からなかった。
やがて力なく、糸の切れた人形のようにぐったりと、意識を失っていった。
そのまま、彼はどこかへ連れ去られていく。
???「[太字]............チッ[/太字]」
_________
「[小文字]ン、......ンウゥ......アァ......?[/小文字]」
白い天井。
ドアもあって、洗面所とか、全然生活できそうな空間。
病院.........?
死んだ!?と思って、流石に飛び起きた。
「......え?[太字]え!?なに、ここどこ!?[/太字]」
_________。
「......そ、そうだ、私、誰かに襲われて............」
「......て、てことはこれ.........」
「[太字]誘拐!?[/太字]」
______
[斜体]『最近この辺で[太字]不審者がうろついてる[/太字]らしいよ〜?w』[/斜体]
________
[漢字]警備のお姉さん[/漢字][ふりがな]レモンさん[/ふりがな]が行っていたことが脳裏に浮かぶ。
半ば衝動的に、スライドする扉の取っ手を掴んで全力で引っ張るが、開く気はしない。
鍵でもかかってるんだろうか。
でも「誘拐」という2文字の認識だけで、頭は混乱して扉を開こうとすることをやめようとしない。
「嘘でしょ、開かないッ......」
「ちょっと、開けてください!開けて〜!!」
「うぅ〜ん......」
[斜体]ガチャリ[/斜体]
「うわぁっ!?」
[斜体]ドサッ[/斜体]
「ア"ッ」
目を開いて、光が差し込む方を見ると、人がいる。
サングラス姿の、ガタイのいい人が何人かいて、
その中に、サングラスなんてかけてない人がいて。
その人の目は、[太字]「あめじすと」[/太字]っていう最近知った名前の宝石みたいに、キレイで。
あじさいみたいな、でもどこか暗闇みたいな、キレイな紫色の目をしている人だった。
「......えっと.........ごめんなさい。」
「心配していたんだけど、随分元気そうみたいだね。」
「ッな、何なんですかあなたたち、ていうか[太字]"心配してた"[/太字]って、...人のこと誘拐しといてよくそんな呑気なことを......」
「......誘拐って.........あぁ、まぁ...そういうことになるのかもね。」
そういうと、後ろから紙筒を取り出す。
「......これ、あなたのよね?」
「[太字]......!ッそ、それ.........![/太字]」
紛れもなく、それは抱えていた紙筒だった。
「夢幻覚事件において中心になったであろう人物は、セミフェニックスたちの間で[太字]『神様』[/太字]としてオカルト的信仰を集めている。」
「中でも[太字][下線]"[漢字]興神会[/漢字][ふりがな]ごぜかい[/ふりがな]"[/下線][/太字]と名乗る団体は、狂信的とも言える活動を.........」
「へぇ......よく調べてあるね。」
「どうせだったら見学でもしていく?」
「見学って......」
「......ちょ、ちょっと待ってください、」
「まさか、ここって、」
「.........そう。ここは[太字]私たち"[漢字]興神会[/漢字][ふりがな]ごぜかい[/ふりがな]"の総本山。[/太字]」
「私は会長の『[太字][漢字]豹馬[/漢字][ふりがな]ひょうま[/ふりがな] [漢字]留渡[/漢字][ふりがな]るど[/ふりがな][/太字]』。よろしくね。」
[水平線]
名前 [漢字]豹馬[/漢字][ふりがな]ひょうま[/ふりがな] [漢字]留渡[/漢字][ふりがな]るど[/ふりがな]
年齢 21
性別 男
"[漢字]興神会[/漢字][ふりがな]ごぜかい[/ふりがな]"という組織の会長をやっているという男。
「はぁ、結局今日も収穫なかったなぁ.........」
帰り道。跡地を閉じ込める檻のせいで薄暗い路地。
紙筒を抱えて、下を向いて帰る。
佐藤「あの警備のお姉さん、何か知ってそうなんだよな〜............」
ふと1つの、低く横幅もないガードレールに雑につけられた張り紙が目につく。
『[太字][斜体]10年前、ここで消えた男のことを覚えている人。下記住所まで。
丸杉区中央通り1 − 2 − 3 クロキビルB1F ゲームヘル[/斜体][/太字]』
「............!!」
衝動的に紙筒を地べたに広げて、確かめるようにぶつぶつと、呪文のように独り言を呟く。
「[小文字]事件当日、現場には奇怪な人物が1人いた[/小文字]」
「[小文字]しかし不思議なことに事件に関わった誰一人として、[/小文字]」
「[太字][小文字]詳細を記憶している者はいない_________[/小文字][/太字]」
やはり見当たらない。
驚かずにはいられなかった。
自由研究の全てが書かれた紙筒。
「[太字]誰も、『男の人』なんて言わなかったのに.........!![/太字]」
[太字]その"神様"と呼ばれる人物が「男」だなんて、広げた紙筒のどこにも書いていなかった。
[/太字]
___________________________
[斜体]ギギギ.........[/斜体]
扉が開き、光が差し込む。
「[小文字]............はぁ、何で来ちゃったんだろう............[/小文字]」
「[小文字]でも、もしかしたら何かお話してもらえるかもしれないし............[/小文字]」
「.........[小文字]ッこ、[/小文字]こんにちは〜............」
ボロボロのソファと、テレビと、昔懐かしい雰囲気のあるゲーム機が置かれている空間。
返事は返ってこない。
「あ、あの、張り紙のことで......ちょっとお話を......」
[斜体]ドゴォン............[/斜体]
「ッ!?」
何かの音が反響し、耳に通る。
でもその音以外には、何もなかった。
ふぅ......と、安堵したように息を整えて、彼は続ける。
「だ、誰k」
[斜体]パシッ[/斜体]
「[太字]!?[/太字]」
何かに捕まっている感じだった。
何か喋っているようだったが、手で口を塞がれていたから、何を喋っているかは何も分からなかった。
やがて力なく、糸の切れた人形のようにぐったりと、意識を失っていった。
そのまま、彼はどこかへ連れ去られていく。
???「[太字]............チッ[/太字]」
_________
「[小文字]ン、......ンウゥ......アァ......?[/小文字]」
白い天井。
ドアもあって、洗面所とか、全然生活できそうな空間。
病院.........?
死んだ!?と思って、流石に飛び起きた。
「......え?[太字]え!?なに、ここどこ!?[/太字]」
_________。
「......そ、そうだ、私、誰かに襲われて............」
「......て、てことはこれ.........」
「[太字]誘拐!?[/太字]」
______
[斜体]『最近この辺で[太字]不審者がうろついてる[/太字]らしいよ〜?w』[/斜体]
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[漢字]警備のお姉さん[/漢字][ふりがな]レモンさん[/ふりがな]が行っていたことが脳裏に浮かぶ。
半ば衝動的に、スライドする扉の取っ手を掴んで全力で引っ張るが、開く気はしない。
鍵でもかかってるんだろうか。
でも「誘拐」という2文字の認識だけで、頭は混乱して扉を開こうとすることをやめようとしない。
「嘘でしょ、開かないッ......」
「ちょっと、開けてください!開けて〜!!」
「うぅ〜ん......」
[斜体]ガチャリ[/斜体]
「うわぁっ!?」
[斜体]ドサッ[/斜体]
「ア"ッ」
目を開いて、光が差し込む方を見ると、人がいる。
サングラス姿の、ガタイのいい人が何人かいて、
その中に、サングラスなんてかけてない人がいて。
その人の目は、[太字]「あめじすと」[/太字]っていう最近知った名前の宝石みたいに、キレイで。
あじさいみたいな、でもどこか暗闇みたいな、キレイな紫色の目をしている人だった。
「......えっと.........ごめんなさい。」
「心配していたんだけど、随分元気そうみたいだね。」
「ッな、何なんですかあなたたち、ていうか[太字]"心配してた"[/太字]って、...人のこと誘拐しといてよくそんな呑気なことを......」
「......誘拐って.........あぁ、まぁ...そういうことになるのかもね。」
そういうと、後ろから紙筒を取り出す。
「......これ、あなたのよね?」
「[太字]......!ッそ、それ.........![/太字]」
紛れもなく、それは抱えていた紙筒だった。
「夢幻覚事件において中心になったであろう人物は、セミフェニックスたちの間で[太字]『神様』[/太字]としてオカルト的信仰を集めている。」
「中でも[太字][下線]"[漢字]興神会[/漢字][ふりがな]ごぜかい[/ふりがな]"[/下線][/太字]と名乗る団体は、狂信的とも言える活動を.........」
「へぇ......よく調べてあるね。」
「どうせだったら見学でもしていく?」
「見学って......」
「......ちょ、ちょっと待ってください、」
「まさか、ここって、」
「.........そう。ここは[太字]私たち"[漢字]興神会[/漢字][ふりがな]ごぜかい[/ふりがな]"の総本山。[/太字]」
「私は会長の『[太字][漢字]豹馬[/漢字][ふりがな]ひょうま[/ふりがな] [漢字]留渡[/漢字][ふりがな]るど[/ふりがな][/太字]』。よろしくね。」
[水平線]
名前 [漢字]豹馬[/漢字][ふりがな]ひょうま[/ふりがな] [漢字]留渡[/漢字][ふりがな]るど[/ふりがな]
年齢 21
性別 男
"[漢字]興神会[/漢字][ふりがな]ごぜかい[/ふりがな]"という組織の会長をやっているという男。
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