入れ替わりサイト
翌朝、目を開けると知らない部屋にいた。
(あ、この部屋は……)
その部屋はアニメで観たことがあった。
私の推し、令くんの部屋だった。
手持ち鏡を見ると、そこには令くんの顔が映っていた。
「あー。あー。」
試しに声を出してみた。
私の声では無く、令くんの声だった。
「ええーっ⁈」
本当に叶うなんて……
「令ー?」
遠くで令くんの母親の声がする。
「何?」
「ご飯ー。」
「あ、はーい」
ご飯を食べた。
「おかわりは?」
おかわり……?
令くんはおかわりするのだろうか。
だけど私はお腹がいっぱいだった。
「いや、大丈夫。」
私は普通に断った。
だけど母親は不思議そうにこちらを見る。
「え?どうかした?」私は訊いたが、母親は「うんん。何でもない。」と答えた。
「いってきます。」
私は元気よく扉を開けた。
「令くんおはよ!」
沢山の女子からあいさつされる。
「おはよう。」
何回“おはよう”と言ったのだろうか。私は挨拶だけで疲れてしまった。
休み時間──
「あー眠。」
私は腕を伸ばしながら呟いた。
すると、丁度通りかかった女子が話しかけてきた。
「珍しいね」
「そう?」
「だって言ったこと無いじゃん。」
「そうだっけ?」
私は苦笑いをした。
「いつも何時ぐらいに寝るの?」
「んー。“私”は10時ぐらいかな。」
「え、私⁈」
あ、癖で言ってしまった。
これじゃ入れ替わったのがバレてしまう。
「えっと、その、最近、作文書いてるからつい、言っちゃって……」
「あーね」
取り敢えず共感してくれたからいいとしよう。
いつかバレる日が来るのだろうか。
いつか戻れる日が来るのだろうか。
そう思いながら私はスマホを取り出した。
入れ替わりサイト
私はクリックした。
名前を入力した。
私は決定ボタンを押した。
私はまた決定ボタンを押した。
私は“はい”を押した。
私は決定ボタンを押した。
エラーが発生しました。もう一度お試しください。
エラー表示された。
何回もやってもエラー表示のままだった。
どうしよう。
私は焦った。
(あ、この部屋は……)
その部屋はアニメで観たことがあった。
私の推し、令くんの部屋だった。
手持ち鏡を見ると、そこには令くんの顔が映っていた。
「あー。あー。」
試しに声を出してみた。
私の声では無く、令くんの声だった。
「ええーっ⁈」
本当に叶うなんて……
「令ー?」
遠くで令くんの母親の声がする。
「何?」
「ご飯ー。」
「あ、はーい」
ご飯を食べた。
「おかわりは?」
おかわり……?
令くんはおかわりするのだろうか。
だけど私はお腹がいっぱいだった。
「いや、大丈夫。」
私は普通に断った。
だけど母親は不思議そうにこちらを見る。
「え?どうかした?」私は訊いたが、母親は「うんん。何でもない。」と答えた。
「いってきます。」
私は元気よく扉を開けた。
「令くんおはよ!」
沢山の女子からあいさつされる。
「おはよう。」
何回“おはよう”と言ったのだろうか。私は挨拶だけで疲れてしまった。
休み時間──
「あー眠。」
私は腕を伸ばしながら呟いた。
すると、丁度通りかかった女子が話しかけてきた。
「珍しいね」
「そう?」
「だって言ったこと無いじゃん。」
「そうだっけ?」
私は苦笑いをした。
「いつも何時ぐらいに寝るの?」
「んー。“私”は10時ぐらいかな。」
「え、私⁈」
あ、癖で言ってしまった。
これじゃ入れ替わったのがバレてしまう。
「えっと、その、最近、作文書いてるからつい、言っちゃって……」
「あーね」
取り敢えず共感してくれたからいいとしよう。
いつかバレる日が来るのだろうか。
いつか戻れる日が来るのだろうか。
そう思いながら私はスマホを取り出した。
入れ替わりサイト
入れ替わりサイト
入れ替わりたい人はいますか?人間、動物、そしてアニメキャラクター。何でも入れ替われます。
やってみる
私はクリックした。
あなたのお名前 露崎令
入れ替わりたい人のお名前 平あい
名前を入力した。
決定
私は決定ボタンを押した。
この人で大丈夫ですか?
露崎令
学校名とクラス 春友高校2-3
所属部活 サッカー部
その他 「僕らの日常は青く染まる」の主人公
平あい
学校名とクラス 七森高校2-B
所属部活 バドミントン部
住所 ○○県××市△△町ーーー
決定
私はまた決定ボタンを押した。
注意
登録すると翌日に入れ替わります。
元に戻れません。
それでも大丈夫なら下のボタンをクリックして下さい。
はい
私は“はい”を押した。
この下のボタンをクリックすると入れ替わりが決定します。
決定
戻る
私は決定ボタンを押した。
エラーが発生しました。もう一度お試しください。
エラー表示された。
何回もやってもエラー表示のままだった。
どうしよう。
私は焦った。