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ぼっちケーション

#3


「ようこそ! 新入生! 私はこの魔法部の部長をしている桜川寧々《さくらがわねね》です! 以後お見知りおきを!」 
「うす。 ……あっ、大月知隆、です。ぼっちやってます……」
 しーーーーーーん。
「よろしくね! 大月君!」
 スルーかい。そんな桜川寧々さん。黒髪ロングの溌剌とした印象の美人で、なんつーか目合わせづらい、いい意味で。
 俺が目線を首から下に下げるもんだから、まあ、目に留まるよね。何がって?
 制服越しのたわわな物体が、さ。
 ゾクリ。……ん? なんか悪寒がしたような……気のせいか……?
「真壁聚楽《まかべじゅら》。魔法部部員。趣味はゲーム」
「うす。……あっ、大月知隆、です。小説書いたりしています」
 ピコンピコーン。
 あれ? なんか上がった? 好感度? 
 真壁聚楽さん……は、途轍もなくクールなお人で俺を見つめる目が絶対零度。金髪ショートで華やかな印象である。こちらは単純にちょい怖い。でもカワユス。 
 場所は黒焦げになった部室。あの爆発でなぜ俺達は無事だったのであろうか?
「よろしく……大月君。さっきの爆発、大丈夫だった……?」
「あ、ああ……はい。てゆうか何だったんすかあれ?」
 俺の当然の疑問に部長の桜川先輩がニコーッと満面の笑みを湛えて応えた。
「あれはね……魔法!」
「……へぇ、魔法、ですか」
「あ、信じてない?」
「あっ、いやそんなことはナッシングっすけど」
「そっか。あれはね、ダメージレスエクスプロージョンっていう魔法なんだよ」
「ダメージレスエクスプロージョン?」 
 つまり、と真壁さんが説明をしてくれる。
「人体に極力危害を加えない爆発魔法を開発しているところ」
「それって何の意味があるんすか?」
「魔法に意味を求めてはいけない。というよりも自由を求める形として魔法が存在する」 
「な、なるほどっす……」
 俺は曖昧にコクコクと頷いた。
「じゃあ、とりあえず屋上行こっか!」
 桜川先輩に促され、俺は勢いに押されるまま、部室を後にして、屋上へと向かうのだった。

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作者メッセージ

 ちなみにタイトルは、ぼっち+コミュニケーションでぼっちケーションです。果たしてぼっちケーションは魔法で成立するのであろうか? 楽しんで頂けたら嬉しいです。楽しんで書きます。

2024/09/12 11:16

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