蛇の妹
「んで、今回はオバサン何日保ちそう?」
『相性は悪そうだったから半年〜1年が堅い』
「じゃぁ僕は大穴狙って1ヶ月に1万!」
「俺は順当に半年に1万4000円」
『毎回思うけど、人の親の結婚回数と離婚するまでの期間で博打しないでよ。私は9ヶ月に1万3000円』
「そう言いつつ参加はするだ」
茶ァシバきつつ、3人分の賭金をメモ用紙に書いていく。この時は消えない油性ペンが有効。
一応音声はとってあるけど、書き換えるなどの不正行為はされたら困るしね。そもそも国内で金品を賭けたギャンブルは禁止って話は聞かないよ。
ここは愉快な友人()が一人、燕 光季の自室だ。性別は非公開なので男装のときは光季くん、女装のときは燕ちゃんと呼んでいる。今日は燕ちゃんの気分らしい。
そしてもう一人は飛龍 綾門。こいつはいつも私の母の離婚を賭けの題材にする輩。ただし、賭けには滅法弱いのでよく金を落としてくれるので、今は貴重な収入源だ。
「それで、澪。オマエが俺らをわざわざ呼んだのは賭けのためじゃないだろ。大方、オマエの“お兄ちゃん”についてか?」
相変わらずハイライトが入らない黒々とした目でこちらを見つめる。いわゆる死んだ魚の目で真っ直ぐ見られると思わずたじろいでしまいそうになるが、付き合いが長いので慣れた。
綾門くんの言葉に燕ちゃんは「えっ、澪っち“お兄ちゃん”出来たの!?」と、驚きの声を上げた。そういや説明してなかったな。
アレ、じゃあなんで綾門くんは知ってるるんだ……?という禁断の質問は飲み込んで褒めておく。
『さっすが綾門くん!賭け以外は頭が切れるねー』
「うるせぇ。それでオマエが俺らに相談するぐらい“お兄ちゃん”は異常なんだろ。俺らは何をしたらいい?」
本当に賭け以外は頭が切れる綾門くんはいつになく真剣な顔で話しかける。
燕ちゃんは「そういえば私、澪っちの“お兄ちゃん”に着いて知らないんだけど」とベットに寝転がった体を起こして言った。
なんで綾門が知ってるかは燕も聞かないらしい。長い付き合いでいつの間にかこの手の話はタブーになっていた。
まぁ、幾ら綾門くんも知らない話もあるだろうし、軽く“お兄ちゃん”である棪堂 哉真斗について、携帯の写真つきで紹介を始める。
『“お兄ちゃん”の名前は棪堂 哉真斗。外見はこの写真の通り。笑顔が気持ち悪い』
「理不尽」
『焚石 矢という人物を神様というぐらい惚れ込んでいる』
「┌(┌^o^)┐ホモォ…」
『お腐れ様は落ち着け。分かってることは少ないけど、棪堂 哉真斗の詳しい史料を捨てメアドで送っとくから』
「りょうかーい」
とっとと、スマホを指の腹で叩いてwebで制作したメールアドレスで二人に送る。二人は軽く確認して幾つか質問をして答えて、というやり取りをした。
「んー、だいたい把握。あと、さっき思い出したけど焚石 矢って言ったけ?」
『うん。“お兄ちゃん”曰く神様の人だね』
「┌(┌^o^)┐ホモォ…じゃなかった。その子、結構ヤバヤバだよ〜」
燕ちゃんが緩い口調で焚石 矢のヤバさについて説明し始める。
曰く、気に入らないことにすぐ手が出るタイプらしい。それだけだったらいいけど、下手な大人よりも断然強いので止めよようとするとボッコボッコになるのはこちら側。そしてとうとう学校側も「焚石 矢と関わって被害にあっても一切責任は取りません」っと、色々ほっぽりだしたらしい。
なんともな話だが、情報通の燕ちゃんが言うなら間違いない。本当に面倒くさい気配がするよ。
「俺のオススメはできる限りの関わりを減らすことだけど、同じ家に住む兄妹になったらそうもいかなくなるよなァ……」
『それに来週からおんなじ小学校だしねぇ……いっそのこと、小細工してお母さんには離婚してもらおっかな〜』
「ゲスい」
「クズ」
「ほんとに小学生4年生の発想かよ」
『残念ながら中身は社会の荒波でサーフィンしてた社会人だよ』
「そうだった」
はっとした顔で2人を顔を見合わせた。いや、君らも同じ転生者だろ。
んん?そういや私含めたこの3人が転生者だって言ってなかったわ。それじゃあ、改めまして。
私の名前は真鶴 澪。今年で小学4年生になる転生者。気狂いと言われたら否定できない主張をしているのは分かってるいるがが、私にとっては事実なのでしかたない。
前世は平日には社会人、休日にはハンドメイド作家の二足の草鞋を履く一般人だったが、コンビニに行く途中にトラックに激突されて呆気なく死んだ。
そして気づいたら真鶴 澪というまだ3歳にも満たない小さな女の子になっていた。その時ばかりは幽霊や前世などのオカルトの類を信じていなかった私もこの時ばかりは冷めた目で見ることは出来なかった。実際に自分が体験しているのだから、疑うこともできないのである。
そんな感じで今まで生きてきたら、少々経緯を省くが、同じく転生者の燕ちゃんと綾門くんと出会った。そのままズルズル縁を引きずり、現在に至る。
『相性は悪そうだったから半年〜1年が堅い』
「じゃぁ僕は大穴狙って1ヶ月に1万!」
「俺は順当に半年に1万4000円」
『毎回思うけど、人の親の結婚回数と離婚するまでの期間で博打しないでよ。私は9ヶ月に1万3000円』
「そう言いつつ参加はするだ」
茶ァシバきつつ、3人分の賭金をメモ用紙に書いていく。この時は消えない油性ペンが有効。
一応音声はとってあるけど、書き換えるなどの不正行為はされたら困るしね。そもそも国内で金品を賭けたギャンブルは禁止って話は聞かないよ。
ここは愉快な友人()が一人、燕 光季の自室だ。性別は非公開なので男装のときは光季くん、女装のときは燕ちゃんと呼んでいる。今日は燕ちゃんの気分らしい。
そしてもう一人は飛龍 綾門。こいつはいつも私の母の離婚を賭けの題材にする輩。ただし、賭けには滅法弱いのでよく金を落としてくれるので、今は貴重な収入源だ。
「それで、澪。オマエが俺らをわざわざ呼んだのは賭けのためじゃないだろ。大方、オマエの“お兄ちゃん”についてか?」
相変わらずハイライトが入らない黒々とした目でこちらを見つめる。いわゆる死んだ魚の目で真っ直ぐ見られると思わずたじろいでしまいそうになるが、付き合いが長いので慣れた。
綾門くんの言葉に燕ちゃんは「えっ、澪っち“お兄ちゃん”出来たの!?」と、驚きの声を上げた。そういや説明してなかったな。
アレ、じゃあなんで綾門くんは知ってるるんだ……?という禁断の質問は飲み込んで褒めておく。
『さっすが綾門くん!賭け以外は頭が切れるねー』
「うるせぇ。それでオマエが俺らに相談するぐらい“お兄ちゃん”は異常なんだろ。俺らは何をしたらいい?」
本当に賭け以外は頭が切れる綾門くんはいつになく真剣な顔で話しかける。
燕ちゃんは「そういえば私、澪っちの“お兄ちゃん”に着いて知らないんだけど」とベットに寝転がった体を起こして言った。
なんで綾門が知ってるかは燕も聞かないらしい。長い付き合いでいつの間にかこの手の話はタブーになっていた。
まぁ、幾ら綾門くんも知らない話もあるだろうし、軽く“お兄ちゃん”である棪堂 哉真斗について、携帯の写真つきで紹介を始める。
『“お兄ちゃん”の名前は棪堂 哉真斗。外見はこの写真の通り。笑顔が気持ち悪い』
「理不尽」
『焚石 矢という人物を神様というぐらい惚れ込んでいる』
「┌(┌^o^)┐ホモォ…」
『お腐れ様は落ち着け。分かってることは少ないけど、棪堂 哉真斗の詳しい史料を捨てメアドで送っとくから』
「りょうかーい」
とっとと、スマホを指の腹で叩いてwebで制作したメールアドレスで二人に送る。二人は軽く確認して幾つか質問をして答えて、というやり取りをした。
「んー、だいたい把握。あと、さっき思い出したけど焚石 矢って言ったけ?」
『うん。“お兄ちゃん”曰く神様の人だね』
「┌(┌^o^)┐ホモォ…じゃなかった。その子、結構ヤバヤバだよ〜」
燕ちゃんが緩い口調で焚石 矢のヤバさについて説明し始める。
曰く、気に入らないことにすぐ手が出るタイプらしい。それだけだったらいいけど、下手な大人よりも断然強いので止めよようとするとボッコボッコになるのはこちら側。そしてとうとう学校側も「焚石 矢と関わって被害にあっても一切責任は取りません」っと、色々ほっぽりだしたらしい。
なんともな話だが、情報通の燕ちゃんが言うなら間違いない。本当に面倒くさい気配がするよ。
「俺のオススメはできる限りの関わりを減らすことだけど、同じ家に住む兄妹になったらそうもいかなくなるよなァ……」
『それに来週からおんなじ小学校だしねぇ……いっそのこと、小細工してお母さんには離婚してもらおっかな〜』
「ゲスい」
「クズ」
「ほんとに小学生4年生の発想かよ」
『残念ながら中身は社会の荒波でサーフィンしてた社会人だよ』
「そうだった」
はっとした顔で2人を顔を見合わせた。いや、君らも同じ転生者だろ。
んん?そういや私含めたこの3人が転生者だって言ってなかったわ。それじゃあ、改めまして。
私の名前は真鶴 澪。今年で小学4年生になる転生者。気狂いと言われたら否定できない主張をしているのは分かってるいるがが、私にとっては事実なのでしかたない。
前世は平日には社会人、休日にはハンドメイド作家の二足の草鞋を履く一般人だったが、コンビニに行く途中にトラックに激突されて呆気なく死んだ。
そして気づいたら真鶴 澪というまだ3歳にも満たない小さな女の子になっていた。その時ばかりは幽霊や前世などのオカルトの類を信じていなかった私もこの時ばかりは冷めた目で見ることは出来なかった。実際に自分が体験しているのだから、疑うこともできないのである。
そんな感じで今まで生きてきたら、少々経緯を省くが、同じく転生者の燕ちゃんと綾門くんと出会った。そのままズルズル縁を引きずり、現在に至る。
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