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オムライス

#1

思い出したかったもの

3歳の頃、父を事故で亡くし、6歳の頃、母を病気でなくし、
12歳まで祖母が育ててくれて、その祖母も寿命で亡くなった。
小さい頃の記憶はほとんどない。
母の記憶も、あまりない。
母の手料理、父の子守唄、
祖母の笑顔・・・
家族で暮らした記憶なんて、俺には皆無・・・・。
そんな中、部屋の中を整理していると、メモ用紙を見つけた。
オリジナルオムライス・・?の作り方が書いてある。
この文字、どこかで・・・
一旦、メモの通りオムライスを作ってみることにした。
隠し味や、調味料の量、とても細かく書いてある。
そして、完成した。
恐る恐るスプーンで口に運ぶ。
一口噛む。
・・・思い出した。この味、
母の味だ。
一口、また一口噛むたびに涙が溢れてくる。
ずっと思い出したかった、母の味。
懐かしい、この卵。
自分で、口に、運んでる。
母のオムライスを。
自分で作って。
たどり着いた。



これは、暗い12歳を、少し明るい未来に変えた、

飯盛龍鬼の話。

このボタンは廃止予定です

作者メッセージ

どうも、戸部夏実です!
ちょっと暗めの、ちょっと感動する話が書きたかったんです。
読んでくれたら嬉しいです!
これからも、よろしくお願いします!

2024/07/15 20:58

戸部夏実 ID:≫.psyZPMB6Zfrw
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