スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
「強そうでした?呪霊」
「特級に近い1級ってとこだな」
「ふーん…」
1級なら不幸中の幸いだな。特級ってだけで戦意喪失する。
「私さっき祓ったばっかなんですよね、呪霊」
「…別物だといいな」
「ま、そこまでループされたら諦めて死にましょう。孤独死じゃないだけマシですし」
「……お前、良い意味でも悪い意味でも呪術師向いてるよ」
何だそれ。
「…褒め言葉として受け取っときます」
「ところで九条」
「はい」
「ここ、[漢字]いる[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]よな」
「いますね。それも目の前に」
呪力、気配を限界まで薄くした例の呪霊が。
「クソ…やっぱそうだよな」
「まあまあ安心してください、多分これは無傷じゃ帰れません」
「安心って知ってるか?」
「ジョークって知ってます?」
「随分生意気になったな」
「芯が強いと言ってください」
「コロス、コロス…」
呪霊がこちらに寄ってくる。
「雑談は終わりだな」
「頼りにしてます、1級術師」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「全然見つかりませんね」
「まあしょうがないわ、こんだけ広いんだから」
「それはそうですけど」
いくら広いとはいえ気配すら感じられない。
俺が慣れていないのもあるが、流石におかしい。
「こんなもんなんですか?任務とかって」
「場合による。今回みたいな3級、4級程度の呪霊って呪力が薄いから壁をすり抜けられるの。これが厄介なのよね」
え、見つからないの絶対それじゃん。
「先に言ってください…」
「…忘れてたわ。それにしても見つからないわね」
「ですね。そろそろ帰りたくなってきました」
夜蛾さんに、お前はまだ呪力を上手く扱えないからと言って呪力の籠った刀を持たされているのもあり、より探すのが億劫になる。まあ仕方の無いことではあるのだが。
「根性ないわね〜」
「悪かったですね根性無しで」
さっきから同じ場所を何度も探しているせいか、緊張感が微塵もなくなってしまった。
こういう時が一番危険っていうしな…。
「じゃあ私一階見てくるわ」と庵先輩が階段を降りる。
分かりました、と庵先輩の方へ視線を向けた時。
「先輩後ろ!!」
「え、嘘…」
ビュンッ
反射的に持っていた刀を抜き、鞘の方を呪霊に向かってぶん投げる。
真上から投げられた異物に呪霊は気を取られた。
「よっ」一瞬躊躇ったが、階段の手すりを乗り越え、その勢いのまま呪霊の頭部に刀を突き刺す。
ドスッ
ザフ…
げ、やっぱ血出るのか。
呪霊を初めて祓ったときの感想としては随分呑気なものだ。
「これで良いんですか?」
「ええ大丈夫よ。…やっぱ雪待が見込んだだけはあるわね」
「あ…ありがとう、ございます…?」
「特級に近い1級ってとこだな」
「ふーん…」
1級なら不幸中の幸いだな。特級ってだけで戦意喪失する。
「私さっき祓ったばっかなんですよね、呪霊」
「…別物だといいな」
「ま、そこまでループされたら諦めて死にましょう。孤独死じゃないだけマシですし」
「……お前、良い意味でも悪い意味でも呪術師向いてるよ」
何だそれ。
「…褒め言葉として受け取っときます」
「ところで九条」
「はい」
「ここ、[漢字]いる[/漢字][ふりがな]・・[/ふりがな]よな」
「いますね。それも目の前に」
呪力、気配を限界まで薄くした例の呪霊が。
「クソ…やっぱそうだよな」
「まあまあ安心してください、多分これは無傷じゃ帰れません」
「安心って知ってるか?」
「ジョークって知ってます?」
「随分生意気になったな」
「芯が強いと言ってください」
「コロス、コロス…」
呪霊がこちらに寄ってくる。
「雑談は終わりだな」
「頼りにしてます、1級術師」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「全然見つかりませんね」
「まあしょうがないわ、こんだけ広いんだから」
「それはそうですけど」
いくら広いとはいえ気配すら感じられない。
俺が慣れていないのもあるが、流石におかしい。
「こんなもんなんですか?任務とかって」
「場合による。今回みたいな3級、4級程度の呪霊って呪力が薄いから壁をすり抜けられるの。これが厄介なのよね」
え、見つからないの絶対それじゃん。
「先に言ってください…」
「…忘れてたわ。それにしても見つからないわね」
「ですね。そろそろ帰りたくなってきました」
夜蛾さんに、お前はまだ呪力を上手く扱えないからと言って呪力の籠った刀を持たされているのもあり、より探すのが億劫になる。まあ仕方の無いことではあるのだが。
「根性ないわね〜」
「悪かったですね根性無しで」
さっきから同じ場所を何度も探しているせいか、緊張感が微塵もなくなってしまった。
こういう時が一番危険っていうしな…。
「じゃあ私一階見てくるわ」と庵先輩が階段を降りる。
分かりました、と庵先輩の方へ視線を向けた時。
「先輩後ろ!!」
「え、嘘…」
ビュンッ
反射的に持っていた刀を抜き、鞘の方を呪霊に向かってぶん投げる。
真上から投げられた異物に呪霊は気を取られた。
「よっ」一瞬躊躇ったが、階段の手すりを乗り越え、その勢いのまま呪霊の頭部に刀を突き刺す。
ドスッ
ザフ…
げ、やっぱ血出るのか。
呪霊を初めて祓ったときの感想としては随分呑気なものだ。
「これで良いんですか?」
「ええ大丈夫よ。…やっぱ雪待が見込んだだけはあるわね」
「あ…ありがとう、ございます…?」
このボタンは廃止予定です