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この小説に登場する人物・団体・事件等は、全て架空のものです。

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スノードロップ、そしてマリーゴールドへ

#7


「お久しぶりです、日下部さん」

「…変わったな、九条」
廃墟と化した日本家屋へ向かいながら、他愛もない話をする。
「例えば?」
「そういうところだよ、前は4級呪霊にすらビビり散らかしてただろ」 
「うーわ、それ千寿に言わないでくださいよ?」
「千寿…ああ、あの新入りか」
「そ、私が拾ってきたんですよ」
「犬じゃねえんだから…」
そんな緊張感もクソも無い中、急に日下部さんが足を止める。
怖いからやめてよ。
「どうしたんですか?」
「ここから先はお前1人で行け。余程のイレギュラーが無い限り、相手は1級呪霊だ。俺はこの辺ブラブラしてる」
「はあ?こんないかにもヤバそうな廃墟にJKを1人で行かせる気なんですか?」
「いかにもヤバそうだから俺は行きたくない」
「ぶち殺しますよ」
「つべこべ言わずにさっさと行け」と軽く足を蹴られる。
一応私の背中には袋に入れた薙刀という心強い[漢字]武器[/漢字][ふりがな]味方[/ふりがな]がある。
「中のもの壊しても大丈夫ですかね」
「まあ良いだろ」
テキトーだな。
「じゃあ行ってきまーす…」
「おう頑張れ」

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

クソ、昇格任務なんて絶対1人で行くもんじゃない。
増してや廃墟の日本家屋なんてものに。
「しかも暗…」
こんな時は歌でも歌って気を紛らわせよう。
「そうだーうれしいんーだいーきるよーろこび、たとえーどんなてきーがあーいてでもー、あーあーアンパ…」
ガタンッ
「うわお」
咄嗟に音のした方を振り向く。
棚の上の日本人形が落ちている。
脅かし方下手くそか。
サッ
影のようなものが二階へ向かう。
向こうから出てきてくれるとは。
「っしゃあ祓ってやるー‼︎」
全速力で行くぜ!今なら世界新いけちゃう!
「ハッハッハ‼︎待ってろ大根役者…」
階段を風の如く登り大根を追いかける、が。
「…ちょーっと部屋多くないすかねー?」
こうなったらしらみつぶしに探すしか無い。

スパンッ「いない!」
スパンッ「おらん!」
スパンッ「nothing‼︎」
スパンッ「どこ行った⁉︎」
スパンッ「チッ」
これで、最後…。
スパーンッ!「…何故いない…?」
ギシィ…
「後ろ…」
トスッ
私の腹に刃物がブッ刺さった。
目の前の呪霊が笑う。
血のナイフ…いや、ナイフから血が滴っているだけかもしれないが。
「この程度か、1級」
「?」
私は、呪霊が困惑したときの一瞬の隙を逃さず、背中の薙刀で腕を切り落とした。
すぐに呪霊から離れ、ナイフを引き抜いてその辺に放る。
しかし腐っても1級。反転術式で瞬時に腕を回復させている。
「私が怪我をしているのは可笑しい」
たちまち腹の傷が治る。
独善呪術。私が正しいと思ったようになる術式だ。

もう一度呪霊がナイフを振りかざす。
やっぱアレ呪術で創ってたのか。さっき放ったナイフが消えてる。
同時に複数のものを創んのはできないってことね。
「よっ」
窓を蹴って割り、その勢いのまま外に出る。
「ん?」
入り口の方じゃ無い…庭に出たな。
呪霊も私の後を追って飛び出てくる。
その間に私は呪力を完全に消し、走ってまた家屋の中へ入る。
「???」
アイツバカじゃん。1級の中でも下の下の下。
ダンッ
物陰に隠れ足音でおびき寄せる。
案の定、こちらに向かって走ってきた。
そこを、
ドスッ
突く。
狙いがずれ、胸あたりに刺さったがそんなのは関係ない。そのまま上に引き裂く。
「ギャァァァアア!!!」
ザフッ…
「…これで良いのか?」
取り敢えず日下部さんとこ戻ろう。居るかどうかは置いといて。

歩いて玄関へ向かう。
扉を開ける。


「………は?」
目の前に広がったのは、今通ってきたはずの廊下だった。

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作者メッセージ

いやぁ明日塾のテスト⭐︎
勉強したくなーい‼︎

2024/08/08 17:13

Ariadne ID:≫2pLjWPKGuUVuA
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