スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
「そこに座れ」
と教室の中にある、何の変哲もない椅子を指さす。
「あ、はい」
少しの間沈黙が流れる。
先に口を開いたのは向こうだった。
「まずは自己紹介だな。私は夜蛾正道だ。一応アイツの教師をしている」
アイツ。多分九条先輩のことだろう。
「久我、といったな?」
「はい」
「九条には本当に何も言われてないのか?」
「まあ…。この高専が四年制ってのくらいです」
「あと、言われたっていうか、見たんすけど…変なバケモンみたいなの。あれと俺がここにいるのって、関係あります?」
「…大いにあるな」
「…あるんすね」
「まずはそこから説明しよう」
おーなんか始まった感あるな。
「日本国内での怪死者、行方不明者は年平均1万人を超える。その殆どが人の負の感情が具現化した"呪霊"による被害だ」
「俺が見たバケモンも?」
「ああ」
イマイチ胡散臭いんだよなぁ…。でもこれが嘘なら、俺が見たバケモンの説明がつかない。
まあ信じるしかなさそうだ。
「さっきの、二級とかってのは?呪いってどうすれば…」
「あまり焦るな。順を追って、ちゃんと説明する」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「さっき言った"呪霊"には、呪いでしか対抗できない」
「呪い?」
「ああ。人には多かれ少なかれ、"呪力"というものがある。因みにお前はかなり多い方だな」
「はあ…」
良いことなのかこれ…呪いなんだろ。
「九条や私のような"呪術師"は、"呪力"を"術式"に流し込み、発動させた呪術で呪霊を祓う」
「うお…」
情報過多で死ぬって。
「まあそのうち覚えるだろう。今はなんとなくでいい」
「あ、はい」
いいんだ…。
ガラッッ
「夜蛾ちゃん暇‼︎」
「知らん」
「私もここ居よ」
暇?授業とか他のクラスメイトとかはいないのか?
「次に"階級"について説明する」
まあ後でいっか。
「おっキタキタ、階級〜」
「呪霊と呪術師には五つの基本階級がある。4から1、そして別枠で特級がある」
「一応準1、準2もあるよー」
「別枠ってのは?」
「んーなんか特級は強すぎて危険、みたいなちょい外れた位置付け。1級の人の方が常識人だよ」
「特級って変人なんですか」
「そ、変人だから強いの」
「あー…」
「そんで、同等級なら呪霊よりも呪術師のほうが強い。つまり、二級術師は二級呪霊に勝つのが当たり前。二級術師は一級呪霊に近い実力っつーこと」
「じゃあ先輩って案外強いじゃないですか」
「なんだよ案外って」
「………」
ああ、夜蛾さんが蚊帳の外に…。
「…特級呪霊ってやっぱ、病気とか自然災害みたいなメジャーなやつから生まれるんですかね」
「ああ。人間が共通して畏れを感じるものほど強力な呪霊になる。…九条と違って頭が回るなお前」
「それはそうなんだけど本人の前で言うことないだろうが」
「学べってことだ」
「クソ……」
夜蛾さんテキトーだな…。
「あもう一個忘れてた」
「私ら呪術師の敵対勢力ってとこかな、呪詛師ってのがいる。呪術師が人を助けるために呪術を使うのに対し、呪詛師は人に危害を加えるために呪術を使うんだ」
「私らはそういう呪詛師と対峙することもある。命の奪い合いだよ、呪術師になるなら死ぬ事もまあある」
「まあ基本的な説明はこんなとこだ。これらを踏まえた上で聞く」
「久我、お前は呪術師になりたいか?」
「…………」
と教室の中にある、何の変哲もない椅子を指さす。
「あ、はい」
少しの間沈黙が流れる。
先に口を開いたのは向こうだった。
「まずは自己紹介だな。私は夜蛾正道だ。一応アイツの教師をしている」
アイツ。多分九条先輩のことだろう。
「久我、といったな?」
「はい」
「九条には本当に何も言われてないのか?」
「まあ…。この高専が四年制ってのくらいです」
「あと、言われたっていうか、見たんすけど…変なバケモンみたいなの。あれと俺がここにいるのって、関係あります?」
「…大いにあるな」
「…あるんすね」
「まずはそこから説明しよう」
おーなんか始まった感あるな。
「日本国内での怪死者、行方不明者は年平均1万人を超える。その殆どが人の負の感情が具現化した"呪霊"による被害だ」
「俺が見たバケモンも?」
「ああ」
イマイチ胡散臭いんだよなぁ…。でもこれが嘘なら、俺が見たバケモンの説明がつかない。
まあ信じるしかなさそうだ。
「さっきの、二級とかってのは?呪いってどうすれば…」
「あまり焦るな。順を追って、ちゃんと説明する」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「さっき言った"呪霊"には、呪いでしか対抗できない」
「呪い?」
「ああ。人には多かれ少なかれ、"呪力"というものがある。因みにお前はかなり多い方だな」
「はあ…」
良いことなのかこれ…呪いなんだろ。
「九条や私のような"呪術師"は、"呪力"を"術式"に流し込み、発動させた呪術で呪霊を祓う」
「うお…」
情報過多で死ぬって。
「まあそのうち覚えるだろう。今はなんとなくでいい」
「あ、はい」
いいんだ…。
ガラッッ
「夜蛾ちゃん暇‼︎」
「知らん」
「私もここ居よ」
暇?授業とか他のクラスメイトとかはいないのか?
「次に"階級"について説明する」
まあ後でいっか。
「おっキタキタ、階級〜」
「呪霊と呪術師には五つの基本階級がある。4から1、そして別枠で特級がある」
「一応準1、準2もあるよー」
「別枠ってのは?」
「んーなんか特級は強すぎて危険、みたいなちょい外れた位置付け。1級の人の方が常識人だよ」
「特級って変人なんですか」
「そ、変人だから強いの」
「あー…」
「そんで、同等級なら呪霊よりも呪術師のほうが強い。つまり、二級術師は二級呪霊に勝つのが当たり前。二級術師は一級呪霊に近い実力っつーこと」
「じゃあ先輩って案外強いじゃないですか」
「なんだよ案外って」
「………」
ああ、夜蛾さんが蚊帳の外に…。
「…特級呪霊ってやっぱ、病気とか自然災害みたいなメジャーなやつから生まれるんですかね」
「ああ。人間が共通して畏れを感じるものほど強力な呪霊になる。…九条と違って頭が回るなお前」
「それはそうなんだけど本人の前で言うことないだろうが」
「学べってことだ」
「クソ……」
夜蛾さんテキトーだな…。
「あもう一個忘れてた」
「私ら呪術師の敵対勢力ってとこかな、呪詛師ってのがいる。呪術師が人を助けるために呪術を使うのに対し、呪詛師は人に危害を加えるために呪術を使うんだ」
「私らはそういう呪詛師と対峙することもある。命の奪い合いだよ、呪術師になるなら死ぬ事もまあある」
「まあ基本的な説明はこんなとこだ。これらを踏まえた上で聞く」
「久我、お前は呪術師になりたいか?」
「…………」
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