二次創作
スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
「まさか覚えてるなんてね」
「なめんな」
老人じゃねえんだから。
「…とっくに記憶の彼方だと思ってたよ」
「日向と葵は?」
「無事無事、生きてるよ。そのうち消されるかもしんないけどね」とセンパイは超サラッと怖いことを言う。
「九条家こっわ」
「怖さならお前ん家も似たようなもんじゃない?」
「ベクトルは違うけどな。皆俺の事甘やかすし、媚び売るし、気持ちわりいんだよ」
「悟に媚び売ってもなんも得無くないか?」
「それ貶してんの?」
「冗談だって。ジャパニーズジョーク」
彼女はどこぞの海外映画みたいな言い方をする。
「あっそ」
この人ジョーク好きなんだよな…昔から。しかもブラックなやつ。
でも、
「…なんか九条センパイ、性格変わったよね」
「そう?」
「落ち着いたっていうか、丸くなったっつーか。口調もさ」
「ははっ。ま、あるかもね。高専入ってストレス減ったからかなぁ」
「うーわ嘘っぽい」
「嘘じゃない、割と本当だよ」
「さ、本題だけど」
「…あの頃のこと、どこまで覚えてる?」
表情も声色もそのまんまなのに、言葉の裏の重みが変わった。
「九条センパイがいたとき…俺が5歳から11歳くらいはパラパラ。出てったのもちょっとだけ」
「そんだけ?」
「…あ、あとさ」
「俺の事白ガキって呼んでたっしょ」
すると、一瞬フリーズし、思い出したように目を少し見開いた。
「あーアレね。なかなかいいネーミングセンスだと思わない?白髪とガキを合わせたの」
「あぁそういうこと?アレ」
俺のことをガキ呼ばわりしてんのは、あの頃じゃセンパイくらいだった。そんでめっちゃ怒られてた。
「私の母親とかは?」
「んー…まあ。ギリ」
「なんか九条センパイに対してヤバい人でしょ」
「まあ合ってる。ウケるね」
「ウケんな」
「…去年、実家帰ってさ」
「なんで」
「用事できて。ソイツにも会って、なんも変わってねえなって思った」
「当主さんと話した?」
「ああ。これから、1度でも九条家の顔に泥を塗ったら、永久追放だってさ」
永久追放。そんな単語が会話にでてきたことは今までない。
「え、やばくねえ?」
「うん、やばいよ。ついでに千寿も認知された」
「久我センパイも…何やってんの九条センパイ」
「まあまあ」
「分かる通り、結構やばくなってきてんだよね。そこで少し君の手を借りたくて」
「俺の」
「そ」
「…何すりゃいいの」
「どうってことは無いと思うんだけど、九条家の監視をお願いしたいんだよね」
「期間は?」
「私が死ぬまで」
「ハッ、一生じゃねえか」
「案外コロッと死ぬかもよ?笑」
「でた、ブラックジョーク」
「ジョークじゃない、全然あるからね」
「まァ良いけどさ。監視だけでどーにかなんの?」
「んー、京都だからね。それ以外できることも思いつかないし」
「距離さえなけりゃな」
「ま、話はそんだけだけど」
「ふーん。…ねえ、久我センパイ今どこなの?」
「さあ?なんか知り合いと会ってくるっつってたけど」
「じゃあしばらく帰ってこないかな」
「だろうね」
「ふーん…」
「何、寂しいの?笑」
「ちげーし。体術の訓練!」
「私が相手しようか」
「死ぬからヤダ」
「うわ失礼」
と笑い混じりに返すセンパイは、本当にあの頃とは変わっていた。
他人を認めようとせず、話そうとせず、笑おうともしなかった。人生に退屈している…否、失望しているような人だった。
ああ、あの家から出てくれて良かった。
心の底からそう思う。
「教室戻るか」
「九条センパイは違くない?」
「暇だし」
「だる絡みしてくるセンパイだ」
「君本当に失礼だね。傑を見習ってほしいよ」
「俺にソレは無理あるだろ」
「確かに」
「センパイも結構失礼じゃね?」
「自分で言ったろ」
「なめんな」
老人じゃねえんだから。
「…とっくに記憶の彼方だと思ってたよ」
「日向と葵は?」
「無事無事、生きてるよ。そのうち消されるかもしんないけどね」とセンパイは超サラッと怖いことを言う。
「九条家こっわ」
「怖さならお前ん家も似たようなもんじゃない?」
「ベクトルは違うけどな。皆俺の事甘やかすし、媚び売るし、気持ちわりいんだよ」
「悟に媚び売ってもなんも得無くないか?」
「それ貶してんの?」
「冗談だって。ジャパニーズジョーク」
彼女はどこぞの海外映画みたいな言い方をする。
「あっそ」
この人ジョーク好きなんだよな…昔から。しかもブラックなやつ。
でも、
「…なんか九条センパイ、性格変わったよね」
「そう?」
「落ち着いたっていうか、丸くなったっつーか。口調もさ」
「ははっ。ま、あるかもね。高専入ってストレス減ったからかなぁ」
「うーわ嘘っぽい」
「嘘じゃない、割と本当だよ」
「さ、本題だけど」
「…あの頃のこと、どこまで覚えてる?」
表情も声色もそのまんまなのに、言葉の裏の重みが変わった。
「九条センパイがいたとき…俺が5歳から11歳くらいはパラパラ。出てったのもちょっとだけ」
「そんだけ?」
「…あ、あとさ」
「俺の事白ガキって呼んでたっしょ」
すると、一瞬フリーズし、思い出したように目を少し見開いた。
「あーアレね。なかなかいいネーミングセンスだと思わない?白髪とガキを合わせたの」
「あぁそういうこと?アレ」
俺のことをガキ呼ばわりしてんのは、あの頃じゃセンパイくらいだった。そんでめっちゃ怒られてた。
「私の母親とかは?」
「んー…まあ。ギリ」
「なんか九条センパイに対してヤバい人でしょ」
「まあ合ってる。ウケるね」
「ウケんな」
「…去年、実家帰ってさ」
「なんで」
「用事できて。ソイツにも会って、なんも変わってねえなって思った」
「当主さんと話した?」
「ああ。これから、1度でも九条家の顔に泥を塗ったら、永久追放だってさ」
永久追放。そんな単語が会話にでてきたことは今までない。
「え、やばくねえ?」
「うん、やばいよ。ついでに千寿も認知された」
「久我センパイも…何やってんの九条センパイ」
「まあまあ」
「分かる通り、結構やばくなってきてんだよね。そこで少し君の手を借りたくて」
「俺の」
「そ」
「…何すりゃいいの」
「どうってことは無いと思うんだけど、九条家の監視をお願いしたいんだよね」
「期間は?」
「私が死ぬまで」
「ハッ、一生じゃねえか」
「案外コロッと死ぬかもよ?笑」
「でた、ブラックジョーク」
「ジョークじゃない、全然あるからね」
「まァ良いけどさ。監視だけでどーにかなんの?」
「んー、京都だからね。それ以外できることも思いつかないし」
「距離さえなけりゃな」
「ま、話はそんだけだけど」
「ふーん。…ねえ、久我センパイ今どこなの?」
「さあ?なんか知り合いと会ってくるっつってたけど」
「じゃあしばらく帰ってこないかな」
「だろうね」
「ふーん…」
「何、寂しいの?笑」
「ちげーし。体術の訓練!」
「私が相手しようか」
「死ぬからヤダ」
「うわ失礼」
と笑い混じりに返すセンパイは、本当にあの頃とは変わっていた。
他人を認めようとせず、話そうとせず、笑おうともしなかった。人生に退屈している…否、失望しているような人だった。
ああ、あの家から出てくれて良かった。
心の底からそう思う。
「教室戻るか」
「九条センパイは違くない?」
「暇だし」
「だる絡みしてくるセンパイだ」
「君本当に失礼だね。傑を見習ってほしいよ」
「俺にソレは無理あるだろ」
「確かに」
「センパイも結構失礼じゃね?」
「自分で言ったろ」