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この小説に登場する人物・団体・事件等は、全て架空のものです。

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二次創作
スノードロップ、そしてマリーゴールドへ

#37


「まさか覚えてるなんてね」
「なめんな」
老人じゃねえんだから。
「…とっくに記憶の彼方だと思ってたよ」

「日向と葵は?」
「無事無事、生きてるよ。そのうち消されるかもしんないけどね」とセンパイは超サラッと怖いことを言う。
「九条家こっわ」
「怖さならお前ん家も似たようなもんじゃない?」
「ベクトルは違うけどな。皆俺の事甘やかすし、媚び売るし、気持ちわりいんだよ」
「悟に媚び売ってもなんも得無くないか?」
「それ貶してんの?」
「冗談だって。ジャパニーズジョーク」
彼女はどこぞの海外映画みたいな言い方をする。
「あっそ」
この人ジョーク好きなんだよな…昔から。しかもブラックなやつ。
でも、
「…なんか九条センパイ、性格変わったよね」
「そう?」
「落ち着いたっていうか、丸くなったっつーか。口調もさ」
「ははっ。ま、あるかもね。高専入ってストレス減ったからかなぁ」
「うーわ嘘っぽい」
「嘘じゃない、割と本当だよ」

「さ、本題だけど」
「…あの頃のこと、どこまで覚えてる?」
表情も声色もそのまんまなのに、言葉の裏の重みが変わった。
「九条センパイがいたとき…俺が5歳から11歳くらいはパラパラ。出てったのもちょっとだけ」
「そんだけ?」
「…あ、あとさ」
「俺の事白ガキって呼んでたっしょ」
すると、一瞬フリーズし、思い出したように目を少し見開いた。
「あーアレね。なかなかいいネーミングセンスだと思わない?白髪とガキを合わせたの」
「あぁそういうこと?アレ」
俺のことをガキ呼ばわりしてんのは、あの頃じゃセンパイくらいだった。そんでめっちゃ怒られてた。
「私の母親とかは?」
「んー…まあ。ギリ」
「なんか九条センパイに対してヤバい人でしょ」
「まあ合ってる。ウケるね」
「ウケんな」

「…去年、実家帰ってさ」
「なんで」
「用事できて。ソイツにも会って、なんも変わってねえなって思った」
「当主さんと話した?」
「ああ。これから、1度でも九条家の顔に泥を塗ったら、永久追放だってさ」
永久追放。そんな単語が会話にでてきたことは今までない。
「え、やばくねえ?」
「うん、やばいよ。ついでに千寿も認知された」
「久我センパイも…何やってんの九条センパイ」
「まあまあ」
「分かる通り、結構やばくなってきてんだよね。そこで少し君の手を借りたくて」
「俺の」
「そ」
「…何すりゃいいの」
「どうってことは無いと思うんだけど、九条家の監視をお願いしたいんだよね」
「期間は?」
「私が死ぬまで」
「ハッ、一生じゃねえか」
「案外コロッと死ぬかもよ?笑」
「でた、ブラックジョーク」
「ジョークじゃない、全然あるからね」
「まァ良いけどさ。監視だけでどーにかなんの?」
「んー、京都だからね。それ以外できることも思いつかないし」
「距離さえなけりゃな」
「ま、話はそんだけだけど」
「ふーん。…ねえ、久我センパイ今どこなの?」
「さあ?なんか知り合いと会ってくるっつってたけど」
「じゃあしばらく帰ってこないかな」
「だろうね」
「ふーん…」
「何、寂しいの?笑」
「ちげーし。体術の訓練!」
「私が相手しようか」
「死ぬからヤダ」
「うわ失礼」
と笑い混じりに返すセンパイは、本当にあの頃とは変わっていた。
他人を認めようとせず、話そうとせず、笑おうともしなかった。人生に退屈している…否、失望しているような人だった。
ああ、あの家から出てくれて良かった。
心の底からそう思う。

「教室戻るか」
「九条センパイは違くない?」
「暇だし」
「だる絡みしてくるセンパイだ」
「君本当に失礼だね。傑を見習ってほしいよ」
「俺にソレは無理あるだろ」
「確かに」
「センパイも結構失礼じゃね?」
「自分で言ったろ」

作者メッセージ

体調不良系の小説を書いてたら、作者も体調不良(インフル)になったっていうね。
今は元気です。

2024/12/20 15:13

Ariadne ID:≫1p5msoFl29r8c
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