二次創作
スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
横から風を切る音が聞こえる。
走る。
ほんの少し前で、先輩の絹の髪がなびく。
視界の後ろ端に誰かが映る。
ダダダッダッダッダタタ…
校舎の前にある階段の少し手前で、先輩がドッと速度を落とした。ゴール。こちらを振り返る。
「2位、3位ぃ〜、4位で5位っと」へらっと笑いながら次々に追いついた俺たちを順位付けする。
「クソっ負けたー」
「九条先輩、やっぱ速いっす…」
「硝子も随分速いじゃん。まさかこのメンツで張り合えるとは」
先輩は純粋に驚いたような目を向ける。
「それ煽ってます?」
「いーや?笑」と、家入…さんの頭をわしゃわしゃやっている。
「やっぱ雪待先輩からは呼び捨てのがいいですねー」
「はは、ちゃん付けは気に入らなかったか」
「別に気に入らないとかじゃなくてー」
「な、久我センパイ速くねえ?」
「1年間、伊達に術師やってないですしね」
「尊敬します…ホント」
俺より背丈のある2人に言われてもな…と苦笑する。
「五条さんも夏油さんも十分速いでしょ笑」
「…五条じゃなくていーよ。悟」
「なんか、五条は他人行儀すぎて気持ち悪い」
「あー……じゃ…悟くん」
「ふっwwww」
悟くん呼びに、もう1人が声をおさえて笑っている。
「笑ってんじゃねーよっ」と、彼の頭を軽く小突いた。
「あ、敬語外れた」
「…あ、確かに」
九条先輩と出会ってから、俺の口調は自然と敬語になっていた。まあ少しくだけてはいるが。
タメ口ってなんか久しぶりだな…。
「私も、夏油さんはやめてください笑」
「傑くん?笑」
「傑くんwww」
「な、俺も傑くんって呼んでいい?w」
「いや、それはちょっと…」
「えーひど」
「いや笑ってるじゃん」
「あバレた?w」
「そりゃバレるよ」
「バレるのかー」
「そうだねー」
なんとも平和でテンポの良い会話に「んははは」と笑いがもれた。
彼らは自分たちを見てクスクスと笑っている俺を、不思議そうに見つめる。少しして、その状況が面白おかしくなったのか、2人も、こみ上げてくる子供のような笑い声を響かせた。
「おーい、3人ともー」
「笑ってねーで教室戻んぞー」
これまた不思議そうに俺たちを見る彼女らも、やっぱり何故か面白く感じてしまい、更に笑いがこみ上げてきた。
隣でも、さっきより大きくなった笑い声が聞こえる。
のどかな春の光が射し込むグラウンドに、しばらくの間、青年たちの笑い声がはじけていた。
走る。
ほんの少し前で、先輩の絹の髪がなびく。
視界の後ろ端に誰かが映る。
ダダダッダッダッダタタ…
校舎の前にある階段の少し手前で、先輩がドッと速度を落とした。ゴール。こちらを振り返る。
「2位、3位ぃ〜、4位で5位っと」へらっと笑いながら次々に追いついた俺たちを順位付けする。
「クソっ負けたー」
「九条先輩、やっぱ速いっす…」
「硝子も随分速いじゃん。まさかこのメンツで張り合えるとは」
先輩は純粋に驚いたような目を向ける。
「それ煽ってます?」
「いーや?笑」と、家入…さんの頭をわしゃわしゃやっている。
「やっぱ雪待先輩からは呼び捨てのがいいですねー」
「はは、ちゃん付けは気に入らなかったか」
「別に気に入らないとかじゃなくてー」
「な、久我センパイ速くねえ?」
「1年間、伊達に術師やってないですしね」
「尊敬します…ホント」
俺より背丈のある2人に言われてもな…と苦笑する。
「五条さんも夏油さんも十分速いでしょ笑」
「…五条じゃなくていーよ。悟」
「なんか、五条は他人行儀すぎて気持ち悪い」
「あー……じゃ…悟くん」
「ふっwwww」
悟くん呼びに、もう1人が声をおさえて笑っている。
「笑ってんじゃねーよっ」と、彼の頭を軽く小突いた。
「あ、敬語外れた」
「…あ、確かに」
九条先輩と出会ってから、俺の口調は自然と敬語になっていた。まあ少しくだけてはいるが。
タメ口ってなんか久しぶりだな…。
「私も、夏油さんはやめてください笑」
「傑くん?笑」
「傑くんwww」
「な、俺も傑くんって呼んでいい?w」
「いや、それはちょっと…」
「えーひど」
「いや笑ってるじゃん」
「あバレた?w」
「そりゃバレるよ」
「バレるのかー」
「そうだねー」
なんとも平和でテンポの良い会話に「んははは」と笑いがもれた。
彼らは自分たちを見てクスクスと笑っている俺を、不思議そうに見つめる。少しして、その状況が面白おかしくなったのか、2人も、こみ上げてくる子供のような笑い声を響かせた。
「おーい、3人ともー」
「笑ってねーで教室戻んぞー」
これまた不思議そうに俺たちを見る彼女らも、やっぱり何故か面白く感じてしまい、更に笑いがこみ上げてきた。
隣でも、さっきより大きくなった笑い声が聞こえる。
のどかな春の光が射し込むグラウンドに、しばらくの間、青年たちの笑い声がはじけていた。