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この小説に登場する人物・団体・事件等は、全て架空のものです。

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スノードロップ、そしてマリーゴールドへ

#30


「3人の教室はここねー」

ガラガラガラ

教室の中には、3つの机が置いてある。
良いな…クラスメイトがいて…。

「もうすぐ夜蛾さんが来るので、席に座って待っててください」

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

「さて、どうしよっか」

と問いかける先輩の机には、紙の山が置いてあった。

「どうしよっか、じゃないですよ」

何の紙の山かって?

「それ、貯めに貯めた報告書でしょうが。早くやってください」

九条先輩の未提出報告書の山である。

「いやぁ、だってコレ1ヶ月以上前のやつだよ?」

「何でやってないんすか…」

「…千寿は偉いよねー、こういうの貯めないタイプ?」

「んー…貯めるとか貯めないじゃなくて、やらなきゃダメでしょう」

「まあ、そうなんだけどさぁ…」

確かに面倒な気持ちも分かる。任務の報告書なんて、有って無いようなものだ。
未登録の特級呪霊にでも遭遇しない限り、報告書の提出はマストじゃない、と思う。

「…あ、そうだ」と先輩が、何かを思いついたように呟く。

「千寿の術式、私に使ってみて」

「…は?」

いやダメでしょ、という言葉をすんでのところで飲み込む。
なんの思惑が隠れているのか知らないが、九条先輩なら大丈夫だ。

「俺、まだ上手く使えないすけど」

「大丈夫。最悪の場合、私の術式で千寿の呪術を打ち消す」

「っつっても、面倒臭いから簡単な幻覚にしてくれよ」

「分かってますよ。…俺の術式は[漢字]対象に[/漢字][ふりがな]・・・[/ふりがな]触れることが条件なので…」

少し迷ったあと、先輩の手を取る。

「…はは、年頃の女の子の手じゃないでしょ」

と、先輩は乾いた笑いを混ぜる。
術師なら当然のことだが、やっぱり先輩の手は、普通の女子高生の可愛らしい柔らかい手とは違っていた。
血のにじむような努力が垣間見える、強い手だった。

「マニキュアとか、あんま好きじゃなくてさ」

任務行ったら、どーせ汚れちゃうし、と付け加える

「でも、かっこいいと思いますよ、俺」

「相変わらずだね、君は」

一呼吸おいて、術式を発動する。
とりあえず食べ物でも出しておこう、と、俺の好物である生春巻きを机の上に創る。

「ははっ、大分リアルだね」

いい精度だ、と褒められる。

「…動物もできます」

「お、やってみてよ」

手始めに犬猫を創り、走り回らせる。

「コレ、吠えさせたりできるのかな?」

「まだ少し厳しいです。この術式、かなり明確なイメージが必要なので」

「ふーん」




「…生春巻き好きなんだね」

「…はい」

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作者メッセージ

彼らの誕生日とかを知りたい方は↓、容姿とかが知りたい方は13話と29話へGO。

九条雪待
・1988年1月1日生まれ(山羊座)
・京都府出身
・好きな食べ物→焼き鳥(食べやすいから)
・嫌いな食べ物→ゆで卵の黄身(食べにくいから)
・趣味、特技→七並べ(トランプ)
・ストレス→報告書

久我千寿
・1988年6月5日生まれ(双子座)
・東京都出身
・好きな食べ物→生春巻き(美味しいから)
・嫌いな食べ物→ひじき(美味しくないから)
・趣味、特技→落ち物パズル
・ストレス→家族

2024/11/10 16:09

Ariadne ID:≫0pyKiYb6RItmA
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