スノードロップ、そしてマリーゴールドへ
1年ほど。
九条先輩は例のカチコミの末、無事に1級に昇級した。
この1年、大きなアクシデントは無く、術師としては比較的平穏な日々が過ぎていった。
この1年間、俺は、鬼教師である九条先輩にすげえ厳しく鍛えられ、たった半年で2級にまで昇級。庵先輩にはビビられつつも、順調に術式の強化を進めている。
俺は2年生、先輩は3年生へ。
そして今年、俺達は生意気な3人の新入生を迎えることとなる。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
在校生(と言っても、俺と九条先輩だけだが)は新入生の出迎えの為、高専の入口へ先に向かうことになった。
懐かしい。
俺が初めて来た時と何も変わっていない道を見て思う。
「ははっ、早いもんだよな。千寿と会ってから1年」
横には、同じく以前と何も変わらない声と顔で笑う先輩がいる。
「なに婆さんみたいなこと言ってんすか」
「なんだと貴様ァ」
「…あれ。先輩、もう人いるんすけど」
「え、嘘でしょ」
「そんなしょーもない嘘、俺がつくと思います?」
「つきそう」
「しばきますよ」
「やってみぃや2級」
「アンタマジで…!!」
「まあまあ。で?どこ」
アレです、と指を指すと、先輩がそちらに目を凝らす。
「…あーらま。ホントじゃん」
「あ、でもほら、ヒーローは遅れてやってくるって言うじゃん?」
「別に俺らヒーローじゃないでしょ」
「遅れましたぁってペコペコしてる先輩より良くない?」
「まあ…?」
いや、人によるけど。
「第一印象は大事だぞー」
「分かってますよ。…先輩風も程々にしてくださいね」
「それ私に言っちゃうか?」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「お、来たんじゃん?」
「はっ、弱そうだな」
「…君ってホント失礼だね」
「は?喧嘩売ってる?」
「ハイハイそこまでー」
「そこのグラサン小僧、さっき私のこと弱そうって言ったな?」
「言ったけど。なんか問題?」
「うーわw、喧嘩腰ぃ。どんな教育受けてきたの」
「あ"?💢」
「九条先輩、煽んないでください」
あと、あなたも大分喧嘩腰ですとは口が裂けても言えない。
「ハイハイ」
「チッ」
「ふーん、この人たちが先輩なのかぁ…」
という女性の声と共に、少し焦げ臭い匂いが鼻をついた。
「え、君また煙草吸ってるの??」
「ハイそこの茶髪さんちょっと待って」と静止をかける。
いや未成年で煙草ってどんな倫理感…。
急いで彼女の手から箱ごと取り上げる。
「ダメでしょーが、吸っちゃ」
「えー…」
「んじゃ、千寿」
先輩が促すようにこちらを見る。
「初めまして皆さん。ま、知ってると思うけど改めて」
彼らに校名板が見えるように、身体の向きを変えてから、こう言った。
「3人とも、此処、東京都立呪術高等専門学校へようこそ」
九条先輩は例のカチコミの末、無事に1級に昇級した。
この1年、大きなアクシデントは無く、術師としては比較的平穏な日々が過ぎていった。
この1年間、俺は、鬼教師である九条先輩にすげえ厳しく鍛えられ、たった半年で2級にまで昇級。庵先輩にはビビられつつも、順調に術式の強化を進めている。
俺は2年生、先輩は3年生へ。
そして今年、俺達は生意気な3人の新入生を迎えることとなる。
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
在校生(と言っても、俺と九条先輩だけだが)は新入生の出迎えの為、高専の入口へ先に向かうことになった。
懐かしい。
俺が初めて来た時と何も変わっていない道を見て思う。
「ははっ、早いもんだよな。千寿と会ってから1年」
横には、同じく以前と何も変わらない声と顔で笑う先輩がいる。
「なに婆さんみたいなこと言ってんすか」
「なんだと貴様ァ」
「…あれ。先輩、もう人いるんすけど」
「え、嘘でしょ」
「そんなしょーもない嘘、俺がつくと思います?」
「つきそう」
「しばきますよ」
「やってみぃや2級」
「アンタマジで…!!」
「まあまあ。で?どこ」
アレです、と指を指すと、先輩がそちらに目を凝らす。
「…あーらま。ホントじゃん」
「あ、でもほら、ヒーローは遅れてやってくるって言うじゃん?」
「別に俺らヒーローじゃないでしょ」
「遅れましたぁってペコペコしてる先輩より良くない?」
「まあ…?」
いや、人によるけど。
「第一印象は大事だぞー」
「分かってますよ。…先輩風も程々にしてくださいね」
「それ私に言っちゃうか?」
[中央寄せ]*[/中央寄せ]
「お、来たんじゃん?」
「はっ、弱そうだな」
「…君ってホント失礼だね」
「は?喧嘩売ってる?」
「ハイハイそこまでー」
「そこのグラサン小僧、さっき私のこと弱そうって言ったな?」
「言ったけど。なんか問題?」
「うーわw、喧嘩腰ぃ。どんな教育受けてきたの」
「あ"?💢」
「九条先輩、煽んないでください」
あと、あなたも大分喧嘩腰ですとは口が裂けても言えない。
「ハイハイ」
「チッ」
「ふーん、この人たちが先輩なのかぁ…」
という女性の声と共に、少し焦げ臭い匂いが鼻をついた。
「え、君また煙草吸ってるの??」
「ハイそこの茶髪さんちょっと待って」と静止をかける。
いや未成年で煙草ってどんな倫理感…。
急いで彼女の手から箱ごと取り上げる。
「ダメでしょーが、吸っちゃ」
「えー…」
「んじゃ、千寿」
先輩が促すようにこちらを見る。
「初めまして皆さん。ま、知ってると思うけど改めて」
彼らに校名板が見えるように、身体の向きを変えてから、こう言った。
「3人とも、此処、東京都立呪術高等専門学校へようこそ」
このボタンは廃止予定です