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この小説に登場する人物・団体・事件等は、全て架空のものです。

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スノードロップ、そしてマリーゴールドへ

#29


1年ほど。


九条先輩は例のカチコミの末、無事に1級に昇級した。
この1年、大きなアクシデントは無く、術師としては比較的平穏な日々が過ぎていった。


この1年間、俺は、鬼教師である九条先輩にすげえ厳しく鍛えられ、たった半年で2級にまで昇級。庵先輩にはビビられつつも、順調に術式の強化を進めている。


俺は2年生、先輩は3年生へ。


そして今年、俺達は生意気な3人の新入生を迎えることとなる。


[中央寄せ]*[/中央寄せ]

在校生(と言っても、俺と九条先輩だけだが)は新入生の出迎えの為、高専の入口へ先に向かうことになった。
懐かしい。
俺が初めて来た時と何も変わっていない道を見て思う。

「ははっ、早いもんだよな。千寿と会ってから1年」

横には、同じく以前と何も変わらない声と顔で笑う先輩がいる。

「なに婆さんみたいなこと言ってんすか」

「なんだと貴様ァ」

「…あれ。先輩、もう人いるんすけど」

「え、嘘でしょ」

「そんなしょーもない嘘、俺がつくと思います?」

「つきそう」

「しばきますよ」

「やってみぃや2級」

「アンタマジで…!!」

「まあまあ。で?どこ」

アレです、と指を指すと、先輩がそちらに目を凝らす。

「…あーらま。ホントじゃん」

「あ、でもほら、ヒーローは遅れてやってくるって言うじゃん?」

「別に俺らヒーローじゃないでしょ」

「遅れましたぁってペコペコしてる先輩より良くない?」

「まあ…?」

いや、人によるけど。

「第一印象は大事だぞー」

「分かってますよ。…先輩風も程々にしてくださいね」

「それ私に言っちゃうか?」

[中央寄せ]*[/中央寄せ]

「お、来たんじゃん?」

「はっ、弱そうだな」

「…君ってホント失礼だね」

「は?喧嘩売ってる?」

「ハイハイそこまでー」

「そこのグラサン小僧、さっき私のこと弱そうって言ったな?」

「言ったけど。なんか問題?」

「うーわw、喧嘩腰ぃ。どんな教育受けてきたの」

「あ"?💢」

「九条先輩、煽んないでください」

あと、あなたも大分喧嘩腰ですとは口が裂けても言えない。

「ハイハイ」

「チッ」

「ふーん、この人たちが先輩なのかぁ…」

という女性の声と共に、少し焦げ臭い匂いが鼻をついた。

「え、君また煙草吸ってるの??」

「ハイそこの茶髪さんちょっと待って」と静止をかける。

いや未成年で煙草ってどんな倫理感…。
急いで彼女の手から箱ごと取り上げる。

「ダメでしょーが、吸っちゃ」

「えー…」

「んじゃ、千寿」

先輩が促すようにこちらを見る。

「初めまして皆さん。ま、知ってると思うけど改めて」

彼らに校名板が見えるように、身体の向きを変えてから、こう言った。




「3人とも、此処、東京都立呪術高等専門学校へようこそ」

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作者メッセージ

さしすの容姿は皆様ご存知だと思いますので、九条と久我の容姿を下に貼りました。
13話の方には一応文で載ってます。
是非見てくれると(作者が)嬉しいです。

九条雪待
https://picrew.me/ja/image_maker/2151243/complete?cd=7SJhEQYAuO
久我千寿
https://picrew.me/ja/image_maker/2151243/complete?cd=lJJKZZktKL

2024/11/05 20:53

Ariadne ID:≫1p5msoFl29r8c
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